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不動産、中国人の“買い荒らし”でバブル突入 有名結婚式場や「くいだおれ太郎」も…

2015年05月07日 06時10分34秒 | 経済
 国土交通省がまとめた2015年の公示価格によると、東京、大阪、名古屋の3大都市圏の地価が住宅地、商業地ともに2年連続で上昇した。都内では住宅地、商業地とも千代田、中央、港の都心3区が高い伸びを示した。都内全体の住宅地の平均上昇率は1.3%。上昇率が大きかった区は中央(6.4%)、千代田(6.3%)、港(6.0%)。千代田区の番町地区や港区の六本木、青山、麻布地区など高級住宅街でマンション用地が不足し、地価上昇につながった。

 商業地の都内全体の平均値は2.9%。上昇率が大きかった区は住宅地と同様に中央(7.2%)、千代田(5.7%)、港(5.6%)の都心3区だ。企業の業務拡大や好立地への移転などでオフィス需要が高まっているほか、銀座や大手町・丸の内地区などの再開発も好結果をもたらした。

 都心では超低金利に加え、20年の東京五輪を控えた大規模再開発や外国人観光客の増加が地価を押し上げた。1990年代のバブル崩壊後、07年頃に発生した外資マネーによるミニバブルは、08年のリーマン・ショックを契機にしぼみ、再び地価は下落したという苦い過去がある。

 安倍晋三政権の下で日本銀行が異次元金融緩和に踏み切ったことから、国内外の投資マネーが都心部の土地に集中し、地価を押し上げた。いまや都心の地価は、バブル期だった80年代後半の水準に近づき、バブル前夜の様相を呈している。ひときわ目立っているのが、円安を背景とする海外マネーによる都心の買い占めだ。一部の不動産には“爆買い”傾向が見られる。

●目黒雅叙園も中国政府の手に

 買収額1800億円――。リーマン・ショック後に日本最大級の取引となったのが、東京・千代田、JR東京駅前の超1等地にある大型ビル「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」だ。シンガポール政府投資公社(GIC)が昨年10月に買収した。GICが取得したのは賃貸可能な床面積約3万9000平方メートルのスペースで、8階から31階のオフィスが含まれるが、同じ建物に入居するフォーシーズンズホテルなどは対象外。同ビルは、アジアの不動産会社PAGグループのセキュアード・キャピタル・インベストメント・マネジメントが09年12月に1400億円で取得した。地価上昇の追い風を受け、セキュアードはGICに1800億円で売却し、400億円の利益を得た。

 GICは81年にシンガポール政府によって外貨準備を運用するために設立された投資ファンド。日本への投資は、96年の汐留シティセンターを皮切りに、07年に福岡市の商業施設ホークスタウン、08年にはウェスティンホテル東京を買収している。

 数年前から都心に残る数少ない大型物件として注目されてきたのが、東京・目黒の結婚式場とオフィスビルの複合施設「目黒雅叙園」だ。森トラストが昨年8月、1300億円もの巨額資金を投じて米投資ファンドのローンスターから取得した。

 ところが、そのわずか5カ月後の今年1月末、米不動産投資顧問会社ラサール インベストメント マネージメントが組成した特別目的会社(SPC)に1400億円で転売した。森トラストは100億円の利益を手にした。

 雅叙園の新しいオーナーとして名前が出たのはラサールだが、雅叙園を取得したSPCに対する同社の出資比率は2.5%にすぎない。残り97.5%は中国政府系ファンドのチャイナ・インベストメント・コーポレーション(中国投資有限責任公司=CIC)が出資している。東京都指定有形文化財「百段階段」も含まれる国内有数の結婚式場で知られる目黒雅叙園は、中国政府の手に落ちた。

 CICは07年、中国政府がシンガポールのGICを模倣して、外貨準備を運用するために設立した投資ファンド。これまで英国の民間水道会社テムズ・ウォーター、英ロンドンの新金融街カナリーワーフ、米ニューヨークに拠点を置く投資銀行モルガン・スタンレーなどにも出資してきた。CICは投資リターンだけを目的としていない。中国政府が国家投資戦略の柱と位置付けている国家ファンドだ。中国政府の方針に基づき、新興国市場への投資を増やそうとしている。

 チャイナマネーの“爆買い”は、繁華街のど真ん中の物件にも及んだ。紅白の衣装を着た「くいだおれ太郎」が客を出迎える大阪・道頓堀の商業ビル「中座くいだおれビル」。「ナニワの象徴」といえる建物を2月、投資ファンド、ダイナスティ・ホールディング・インターナショナル・リミテッドが100億円で買収した。くいだおれビルは、これまで東京建物不動産販売と英グロブナー・リミテッドの2社によるSPCが持っていた。地価上昇で売り時と判断したようだ。

 ダイナスティは12年に設立されたばかりの新興ファンド。香港に拠点を置き、台湾の投資家マネーを資金源にしており、13年3月に日本拠点を開設した。台湾や中国本土の観光客に人気がある大阪や福岡、札幌を中心に不動産を買収する計画があるという。

●東京五輪の頃にはバブルがはじけるのか

 大型物件を買い漁っているのはファンドだけではない。20年の東京五輪開催による資産価値上昇への期待感から、香港や台湾、シンガポールを中心とした個人投資家が、都心の高級マンションに飛びついている。彼らが公示地価上昇に一役買ったといっていい。

「これから都心の不動産市場は、転売が多発して地価が上昇していくバブル期に突入するが、東京五輪が開幕する頃にはそのバブルもはじける」(業界筋)との見方も強い。国内外の投資家が高値で売り抜けようと争うマネーゲームによる地価上昇は、大きな危うさをはらんでいるといえる。(文=編集部)

※画像はくいだおれ太郎(「Wikipedia」より)
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「投資の神様」後継が課題…資産8兆7千億円

2015年05月07日 05時15分01秒 | ニュース
 「投資の神様」と呼ばれる著名投資家ウォーレン・バフェット氏(84)が投資会社バークシャー・ハザウェイを率いて50年になった。

 バフェット氏の投資は、割安株への長期投資で成長を引き出す手法が特徴だ。自らの投資会社を時価総額で米国トップ5まで成長させたが、後継者問題などの先行きが注目されている。

◆じっくり待つ

 「バークシャーはどんな環境でもほかの多くの企業よりよい結果を出せる」

 会長兼最高経営責任者(CEO)のバフェット氏は、オマハで開かれた2日の株主総会で胸を張った。1965年に繊維会社だったバークシャー・ハザウェイを買収し、投資を広げてきた。

 企業の成長をじっくり待つ姿勢は、短期的な利益を優先しがちな投資ファンドとは一線を画す。「自分が理解出来ない企業には投資しない」などの投資原則をもとに安定して高い運用成績をおさめ、世界各国の投資家の尊敬を集めている。

 飾らない人柄もあって信奉者は多い。経済誌フォーブスが発表した2015年の世界長者番付では、保有資産727億ドル(約8兆7000億円)で3位となったが、遺産は「99%を寄付する」と公言。58年に約3万ドルで購入した自宅に今も住む。
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