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「中国危機は長期化、リーマン級」 “最強投資家”ソロス氏が警鐘

2016年01月10日 07時33分25秒 | 経済
 世界経済不安の元凶となっている中国。上海株と人民元はひとまず反発したが、「中国売り」への警戒感は根強く、米国や日本株は下落に見舞われた。世界的富豪で“最強投資家”のジョージ・ソロス氏も「中国の危機は長期化する」として、2008年のリーマン・ショック級の打撃に警鐘を鳴らす。

 8日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は前日比167・65ドル安の1万6346・45ドルと約3カ月ぶりの安値で取引を終了。昨年12月の米雇用統計が力強い内容だったことを好感し、プラス圏で推移する場面もあったが、「中国の景気減速に対する根強い警戒感」(市場関係者)が売りを加速させ、週間のダウ平均の下げ幅は計1000ドルを超えた。

 東京株式市場の日経平均株価も、戦後に東京証券取引所が再開して以降初の大発会から5連敗となった。

 上海市場では総合指数が1・97%と反発したが、市場では中国当局が介入し、政府系の資金で株式市場を買い支えたと指摘されている。人民元も先安観が根強い。

 中国発の世界経済危機にソロス氏が警告を発した。ブルームバーグによると、ソロス氏は7日、スリランカのコロンボで開かれた経済フォーラムに出席、中国が新たな成長モデルを見つけるのに苦戦しており、人民元の切り下げが問題を世界中に飛び火させていると分析した。

 ソロス氏は「中国は調整に関して大きな問題に直面している。私に言わせれば危機と呼んでいいものだ。金融市場には深刻な難題が見られ、私は2008年の危機を思い出す」と述べたという。

 1992年に英国の通貨ポンドを大量に売り浴びせ、イングランド銀行(中央銀行)を打ち負かして巨額の利益を上げたことで知られるソロス氏は米経済誌フォーブスの2015年版世界長者番付では29位で、資産額は242億ドル(約2兆8370億円)にのぼる。

 中国経済の先行き懸念を表明してきたソロス氏の問題意識が、いまや市場の共通認識になりつつある。
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