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大前研一氏が注目「ネット印刷」ほかベンチャービジネス

2016年01月23日 09時30分50秒 | 経済
 電気製品や自動車に代表されるように、日本人は、モノを「軽く」「薄く」「短く」「小さく」したり、少しずつコストカットするなどの改善を積み重ねたりして、競争力を高めることを得意としている。しかし、ビジネスを取り巻く環境は大きく変わり、それだけでは生き残れなくなった。

 経営コンサルタントの大前研一氏は、この新しい1年は「0から1」、すなわち「無から有を創造する力」がますます重要になると指摘する。大前氏は、日本からも世界に羽ばたける可能性があるベンチャーが誕生しつつあるという。

  * * *
 これまでのグローバル化は、日本企業であれば、国内にメドがつけば次にアメリカに展開し、ASEAN、そしてヨーロッパ……というように、段階を踏んで少しずつ国別・地域別に現地法人を設立しながらネットワークを拡大していった。
 
 しかし今は、かつて私が「スプリンクラーモデル」と名付けたような、瞬時に世界中に事業展開できる組織と経営システムを構築しておかねばならないのだ。
 
 その好例は、スマートフォンのアプリを使ったタクシー・ハイヤー配車サービス「ウーバー(Uber)」と、個人の空き部屋を有料で貸し出す「民泊」をネット上で仲介する「エアビーアンドビー(Airbnb)」である。

 両社は世界中で事業を展開しているが、従来の日本企業の海外進出のように国ごとに少しずつ広げて現地法人の人材を育てるという手法ではない。1つのわかりやすいコンセプトとサービス内容、それを支える経営システムを固めていたからこそ、生まれて数年で一気にグローバル化することができたのだ。それが世界最先端の企業形態である。

 これが可能になっているのは、言うまでもなくスマホ中心の「エコシステム(生態系)」が世界全体に広がっているからだ。つまり、スマホベースの事業コンセプトなら、世界各地で一気に事業を展開できる。国別のシステムを作る必要がないのだ。
 
 日本でも「0から1」を生み出したベンチャー企業が、いくつか登場している。

 たとえば、ホームセキュリティの「セーフィー(Safie)」。同社は170度超広角レンズで、赤外線ナイトビジョン対応の防犯カメラを1万9800円で販売し、それを玄関やテラス、ベランダなどの外に設置しておけば、いつでもライブ画像を見ることができるというサービスを展開している。何か動きがあったらアラートがスマホに届く機能もあり、月額980円で7日間分の動画が自動保存される。屋内に設置すれば子供やペットの見守りにも使える。
 
 あるいは、ネット印刷サービスの「ラクスル」。こちらは全国の印刷会社をネットワーク化し、機械の非稼働時間を活用することで、チラシやパンフレット、カタログ、ポストカード、名刺などの印刷物を低価格で提供するサービスだ。印刷機は固定費だから、稼働率を高めることが重要だ。そこに目をつけて、印刷機の空き時間を安く使うという仕組みである。
 
 この両社のビジネスモデルは、海外に展開して「1から100」にできる可能性があると思う。
 
 ただし、「1」になったことで安心して、国内で隣接領域のビジネスに多角化していくと、「1.2」か「1.3」にしかならない。これは日本企業によくあるパターンだが、事業というのは屏風と同じで、股を広げたら倒れるものだ。
 
「1から100」を生み出すためには、「1」になった事業を横方向に広げるのではなく、気を散らさず、脇目も振らず、同じ方向に深く追求して世界へ広げ、「100」を目指さなければならない。

※SAPIO2016年2月号



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日刊ゲンダイ 国の借金800兆円なのに 国家公務員「給与増」の唖然呆然

2016年01月23日 07時53分02秒 | 行政
日刊ゲンダイ

 20日、参院本会議で補正予算が成立したが、その陰に隠れるように合わせて成立した法律がある。国家公務員の給与を引き上げる「改正給与法」だ。

 今回の法改正で国家公務員(一般職)の月給は平均0.36%アップし、夏と冬を合わせたボーナスは0.1カ月分増の4.2カ月分となる。昨年8月の人事院勧告を受けたもので、昨年4月にさかのぼって適用され、追加で引き上げ分が支給される。

 だが、国の借金が800兆円近くに膨れ上がり、消費税を10%にしなければやっていけないような国の公務員の給料が上がるのは、どうにも解せない。それも人事院勧告は2年連続の引き上げだ。「民間に準拠」というのが理由で、安倍政権が「賃上げ」を旗振りし、経団連企業がそれに応じているからだが、許し難いのは人事院のいう「民間」とは「従業員50人以上の企業の、従業員50人以上の事業所」で、日本全体の上位約1%の大企業に限定されていることだ。対象労働者も「雇用期間の定めのない者」つまり正社員で、派遣やパートは含まれない。

 ちなみに国税庁が行っている民間給与実態調査は、従業員1人以上の事業所とすべての給与所得者が対象で派遣やパートも含まれる。人事院は国税庁のデータを使うべきなのだ。

 人事院勧告はスト権がないなど、公務員の労働基本権が制約されているため、基本権回復までの代償措置として設けられている制度だ。過去には公務員制度改革の議論の中で、労働基本権を拡大する代わりに人事院勧告の廃止が国会で検討された。ところが今はほとんど議論すらない。

 元経産官僚の古賀茂明氏がこう言う。

「安倍政権は消費税で財務省と綱引きしたりと、霞が関と戦っているように見えますが、『天下りと待遇』については一切、手を付けていません。国際協力銀行や商工中金など政府系金融機関のトップへの天下り復活など、この3年間、その姿勢は一貫しています。その上、現実に公務員にスト権が付与されたとしても、国民の目があるため、そう簡単にストはできない。だったら“お手盛り”の人事院勧告の方がいいというワケです。それで連合傘下の公務員労組の支援を受ける民主党がおとなしくなってしまい、『身を切る改革』と主張していた維新の党も統一会派を組む民主に同調した。すっかり人事院勧告廃止の議論は消えてしまいました」

 役人天下の復活。笑いが止まらないだろう。




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