3月10日(木)
大阪弁護士会が、「賃金未払いは人権侵害」とあかつき福祉会と箕面市に警告、勧告を通知
9日の市議会民生常任委員会で、名手宏樹が追及、箕面市は、「精査中と」繰り返すばかり
大阪弁護士会の警告、勧告
あかつき福祉会・・・重大な人権侵害に該当するので、これに対し、適切な措置をとるよう警告する。
箕面市・・・工賃として適切に支払われていない事態を解消するよう指導監督を行うことを勧告する。関係機関の職員の研修等必要な措置を講ずることもあわせて勧告する
社会福祉法人あかつき福祉会職員であるS氏から、大阪弁護士会に、人権救済の申立てがあり、弁護士会で約2年かけて調査し、2016年2月25日に福祉会と市に通知されました。
名手宏樹は、S氏からの情報提供をもとに、3月9日の箕面市議会民生常任委員会で、取り上げ、警告、勧告への市の対応を迫りましたが、市は「内容を精査中である」と繰り返すばかりで、「警告、勧告には強制力がない」とまで言い、明確な対応の中身を示しませんでした。
S氏の承諾をえて、警告、勧告の中身をお知らせします。
あかつき福祉会への警告、勧告の要点
社会福祉法人あかつき福祉会は、会計処理を就労支援事業会計処理基準へ移行した平成22年度(2010年度)以降、次期繰越活動収支差の金5487万5279円につき、利用者に対し工賃として支払われないまま内部留保されていることは重大な人権侵害に該当するので、適切な措置とるよう警告する。
適切な会計監査及び運営監視体制の構築など再発防止の措置を講じるとともに、今後、利用者の人格を尊重し、適正な工賃支払を行うよう勧告する。
箕面市への勧告への要点
箕面市は、・・・工賃として適切に支払われていない事態を解消するよう指導監督し、今後、利用者の経済的虐待の再発が生じないよう実効的な指導監督を行い、・・・これらの職務に携わる人材の資質の向上を図るため、関係機関の職員の研修等必要な措置を講ずるよう勧告する。
社会福祉法人あかつき福祉会理事長 殿
箕面市長 倉 田 哲 郎 殿
2016年(平成28年)2月25日
大阪弁護士会
会 長 松 葉 知 幸
警告書及び勧告書
今般、社会福祉法人あかつき福祉会職員である S氏から、本会に対し、人権救済の申立てがあり、本会人権擁護委員会において調査した結果、以下のとおり、社会福祉法人あかつき福祉会に対する勧告を行う。
第1 警告の趣旨(福祉法あかつき福祉会にする警告)
社会福祉法人あかつき福祉会は、当該法人における会計処理を授産施設会計基準から就労支援事業会計処理基準へ移行した平成22年度(2010年度)以降、次期繰越活動収支差の金5487万5279円につき、利用者に対し工賃として支払われないまま内部留保されていることは重大な人権侵害に該当するので、これに対し適切な措置とるよう警告する。
第2 勧告の趣旨
1 福祉法あかつき福祉会にする勧告
厚生労働大臣が定めた「就労支援の事業の会計処理の基準」(平成25年1月15日付厚生労働省社会・援護局長通知(社援発0 1 1 5第1号)添付)を遵守し、適切な会計監査及び運営監視体制の構築など再発防止の措置を講じるとともに、今後、利用者の人格を尊重し、適正な工賃支払を行うよう勧告する。
2 箕面市に対する勧告
(1)第1に記載した次期繰越活動収支差額名目の金につき、社会福祉法人あかつき福祉会が利用者に対し、工賃として適切に支払われていない事態を解消するよう指導監督し、
(2)当該法人において、今後、利用者の経済的虐待の再発が生じないよう実効的な指導監督を行い、
(3)貴市による指導監督が、障がい者の虐待防止及び自立支援に関する専門的知識に基づき適切に行われるよう、貴市において、これらの職務に携わる人材の資質の向上を図るため、関係機関の職員の研修等必要な措置を講ずるよう勧告する。
第3 理由
1 本件の概要
本件は、授産事業として製袋事業を実施していた社会福祉法人あかつき福祉会(以下「あかつき福祉会」という。)が、当該事業の会計の処理を授産施設会計基準から就労支援事業会計処理基準へ移行した際に、当時内部留保していた剰余金を現在においてもそのまま保持しているところ、当該剰余金8535万301円のうち次期繰越活動収支差額の名目で管理している金5487万5279円(その余の剰余金は工賃変動積立金及び設備等整備積立金として積み立て処理された。)について、の次の点が
問題となっている事案である。
(1) 当該金5487万 5279円は事業収入から必要な経費を差し引いたものが蓄積したものであって、厚生労働省が定める処理経費を差し引いたものが蓄積したものであって、厚生労働省が定める処理基準ないし処理基準の趣旨に従えば、利用者に賃金として支払われるべきものであるか
(2) 当該金員が利用者に賃金として支払われず内部留保されていることが利用者の人権を侵害しているか
2 あかつき福祉会について
あかつき福祉会は、箕面市内に主たる事務所を置き、同市の区域内で事業を行っている社会福祉法人であり、事業の主な変遷等は、以下のとおりである。
【運営委託関係】
中略
・・・加え、障害者総合支援法第42条第3項において、「指定事業者等は、障害者等の人格を尊重するとともに、この法律又はこの法律に基づく命令を遵守し、障害者等のため忠実にその職務を遂行しなければならない」旨を定めていることをあわせて考えれば、授産施設や就労継続支援B型事業の利用者は、工賃支払いの原則に則った適正な金額の支払いを求めることができる権利を保有していると言うべきである。
なお、箕面市も、平成26年(2014年)3月7日付の大阪府に対する虐待報告の中で認めているように、上記規定による虐待に関しでは、「虐待をしているという『自覚』の有無を問わない」としているところである。
したがって、授産施設設置者等が、工賃支払の基準に従った工賃を支払わないで剰余金を生じさせて内部留保する行為は、利用者である
障がい者が権利として受けるべき工賃を不当に奪い、利用者に損害を与える行為であり、基準に違反して、会計上の処理に違反するにとどまらず、利用者の人権を侵害するものである。
ちなみに、あかつき福祉会が、上記内部留保金の問題の存在を覚知した後である2012年5月24日付で大阪府に提出した「工賃引上げ計画シート」には、「工賃向上に向けた取り組みは、次の理由により、特段の必要はないものと勘案している。○支給実績において、一定の水準に達していること。○当方の施設機能として、進路移行支援を担うことになっている。他方、高額工賃の支給により、その円滑な実施を阻害する恐れがあること。」と記載しているが、工賃支払いの原則に照らし、内部留保を正当化する根拠とはならない。
あかつき福祉会としては、会計処理を見直して剰余金の存在を覚知していたにもかかわらず、上記収支差額を工賃として支払わず、虐待通報後、5年間にわたって、次期繰り越し活動収支差額を内部留保していたものであり、経済的虐待として利用者の人権を侵害するものと言わざるを得ない。
(3)箕面市の対応について
箕面市は、あかつき福祉会に改善指導等を行い、授産施設会計基準時における会計処理について、あかつき福祉会の決算修正を確認した際、当該剰余金8535万301円は、そもそも2008年通知が対象としている授産施一設会計処理基準等にもどづいて厳正に積み立てられ、「その他の積立金」に該当せず、当該通知に基づいて就労支援事業会計基準に基づく上限額の範囲で翌年度以降の積立金に組み入れる処理は認められないにも関わらず、これに対し、適切な指導等を行っていない。 とりわけ、2008年通知に基づき一部を積立金に算入処理できるとしても、積立金に繰り入れることができない金5487万5279円につき、利用者に対し、工賃として支払われることもなく、漫然と繰り越されたままとなっている点は、利用者の人権上重大な問題であるにも関わらず、この状態を認識しながらも、何らの対応も行っていない。
箕面市は、厚生労働省が箕面市に対し、2008年通知で予定していた「別途の通知」を発出する見込みはなく、従前の厚生労働省の通知等に基づいた適正な処理をするよう回答を得たにもかかわらず、あかつき福祉会に対して、その旨通知をすることもなく、また、処理について指導も行わず、1年間にわたって放置し、同市内部の関係部署にも連絡をしなかった。
この間、あかつき福祉会において、当時の利用者の記録が廃棄された可能性もあり、分配不可能な範囲を拡大させ、これらの年度の利用者の権利を侵害した可能性があり、監督・指導機関として、極めて不適切な対応だといわざるを得ない。
5 結 語
以上のとおりであるから、あかつき福祉会に対し、当該法人における会計処理を授産施設会計基準から就労支援事業会計処理基準へ移行した平成22年度(2010年度)以降、次期繰越活動収支差額の名目で管理している金5487万5279円につき、利用者に対し工賃どして支払われないまま内部留保されていることは重大な人権侵害に該当するので、これに対し、適切な措置をとるよう警告する。
なお、記録廃棄により、利用者の所在等を知ることが出来ない場合が想定されるが、この場合、現在及び過去の利用者並びにその家族等とその処置について協議して、可能な限り、利用者らの共通利益となるような還元措置を講じるべきであることを付言する。
また、あかつき福祉会による工賃不払いが常態化していることを考慮しあかつき福祉会に対しては、工賃支払いに関する上記基準を再確認し、適切な会計監査及び運営監視体制の構築など再発防止の措置を講じるとともに、今後、利用者の人格を尊重し、真に適正な工賃支払を行うよう勧告する。
そして、箕面市に対し、あかつき福祉会が保管する次期繰越活動収支差額として管理している金5487万5279円について、工賃として適切に支払われていない事態を解消するよう指導監督を行うことを勧告する。
また、箕面市は、利用者の人格権、尊厳をもって働く権利を尊重し、今一度工賃支払に関する上記基準を周知徹底し、今後二度と同様の虐待が生じないよう努める必要がある。したがって、箕面市に対し、障がい者の虐待防止及び自立支援に関する専門的知識にもとづき適切に対応するよう、同市において、これらの職務に携わる人材の資質の向上を図るため、関係機関の職員の研修等必要な措置を講ずることもあわせて勧告する次第である。 以上
大阪弁護士会が、「賃金未払いは人権侵害」とあかつき福祉会と箕面市に警告、勧告を通知
9日の市議会民生常任委員会で、名手宏樹が追及、箕面市は、「精査中と」繰り返すばかり
大阪弁護士会の警告、勧告
あかつき福祉会・・・重大な人権侵害に該当するので、これに対し、適切な措置をとるよう警告する。
箕面市・・・工賃として適切に支払われていない事態を解消するよう指導監督を行うことを勧告する。関係機関の職員の研修等必要な措置を講ずることもあわせて勧告する
社会福祉法人あかつき福祉会職員であるS氏から、大阪弁護士会に、人権救済の申立てがあり、弁護士会で約2年かけて調査し、2016年2月25日に福祉会と市に通知されました。
名手宏樹は、S氏からの情報提供をもとに、3月9日の箕面市議会民生常任委員会で、取り上げ、警告、勧告への市の対応を迫りましたが、市は「内容を精査中である」と繰り返すばかりで、「警告、勧告には強制力がない」とまで言い、明確な対応の中身を示しませんでした。
S氏の承諾をえて、警告、勧告の中身をお知らせします。
あかつき福祉会への警告、勧告の要点
社会福祉法人あかつき福祉会は、会計処理を就労支援事業会計処理基準へ移行した平成22年度(2010年度)以降、次期繰越活動収支差の金5487万5279円につき、利用者に対し工賃として支払われないまま内部留保されていることは重大な人権侵害に該当するので、適切な措置とるよう警告する。
適切な会計監査及び運営監視体制の構築など再発防止の措置を講じるとともに、今後、利用者の人格を尊重し、適正な工賃支払を行うよう勧告する。
箕面市への勧告への要点
箕面市は、・・・工賃として適切に支払われていない事態を解消するよう指導監督し、今後、利用者の経済的虐待の再発が生じないよう実効的な指導監督を行い、・・・これらの職務に携わる人材の資質の向上を図るため、関係機関の職員の研修等必要な措置を講ずるよう勧告する。
社会福祉法人あかつき福祉会理事長 殿
箕面市長 倉 田 哲 郎 殿
2016年(平成28年)2月25日
大阪弁護士会
会 長 松 葉 知 幸
警告書及び勧告書
今般、社会福祉法人あかつき福祉会職員である S氏から、本会に対し、人権救済の申立てがあり、本会人権擁護委員会において調査した結果、以下のとおり、社会福祉法人あかつき福祉会に対する勧告を行う。
第1 警告の趣旨(福祉法あかつき福祉会にする警告)
社会福祉法人あかつき福祉会は、当該法人における会計処理を授産施設会計基準から就労支援事業会計処理基準へ移行した平成22年度(2010年度)以降、次期繰越活動収支差の金5487万5279円につき、利用者に対し工賃として支払われないまま内部留保されていることは重大な人権侵害に該当するので、これに対し適切な措置とるよう警告する。
第2 勧告の趣旨
1 福祉法あかつき福祉会にする勧告
厚生労働大臣が定めた「就労支援の事業の会計処理の基準」(平成25年1月15日付厚生労働省社会・援護局長通知(社援発0 1 1 5第1号)添付)を遵守し、適切な会計監査及び運営監視体制の構築など再発防止の措置を講じるとともに、今後、利用者の人格を尊重し、適正な工賃支払を行うよう勧告する。
2 箕面市に対する勧告
(1)第1に記載した次期繰越活動収支差額名目の金につき、社会福祉法人あかつき福祉会が利用者に対し、工賃として適切に支払われていない事態を解消するよう指導監督し、
(2)当該法人において、今後、利用者の経済的虐待の再発が生じないよう実効的な指導監督を行い、
(3)貴市による指導監督が、障がい者の虐待防止及び自立支援に関する専門的知識に基づき適切に行われるよう、貴市において、これらの職務に携わる人材の資質の向上を図るため、関係機関の職員の研修等必要な措置を講ずるよう勧告する。
第3 理由
1 本件の概要
本件は、授産事業として製袋事業を実施していた社会福祉法人あかつき福祉会(以下「あかつき福祉会」という。)が、当該事業の会計の処理を授産施設会計基準から就労支援事業会計処理基準へ移行した際に、当時内部留保していた剰余金を現在においてもそのまま保持しているところ、当該剰余金8535万301円のうち次期繰越活動収支差額の名目で管理している金5487万5279円(その余の剰余金は工賃変動積立金及び設備等整備積立金として積み立て処理された。)について、の次の点が
問題となっている事案である。
(1) 当該金5487万 5279円は事業収入から必要な経費を差し引いたものが蓄積したものであって、厚生労働省が定める処理経費を差し引いたものが蓄積したものであって、厚生労働省が定める処理基準ないし処理基準の趣旨に従えば、利用者に賃金として支払われるべきものであるか
(2) 当該金員が利用者に賃金として支払われず内部留保されていることが利用者の人権を侵害しているか
2 あかつき福祉会について
あかつき福祉会は、箕面市内に主たる事務所を置き、同市の区域内で事業を行っている社会福祉法人であり、事業の主な変遷等は、以下のとおりである。
【運営委託関係】
中略
・・・加え、障害者総合支援法第42条第3項において、「指定事業者等は、障害者等の人格を尊重するとともに、この法律又はこの法律に基づく命令を遵守し、障害者等のため忠実にその職務を遂行しなければならない」旨を定めていることをあわせて考えれば、授産施設や就労継続支援B型事業の利用者は、工賃支払いの原則に則った適正な金額の支払いを求めることができる権利を保有していると言うべきである。
なお、箕面市も、平成26年(2014年)3月7日付の大阪府に対する虐待報告の中で認めているように、上記規定による虐待に関しでは、「虐待をしているという『自覚』の有無を問わない」としているところである。
したがって、授産施設設置者等が、工賃支払の基準に従った工賃を支払わないで剰余金を生じさせて内部留保する行為は、利用者である
障がい者が権利として受けるべき工賃を不当に奪い、利用者に損害を与える行為であり、基準に違反して、会計上の処理に違反するにとどまらず、利用者の人権を侵害するものである。
ちなみに、あかつき福祉会が、上記内部留保金の問題の存在を覚知した後である2012年5月24日付で大阪府に提出した「工賃引上げ計画シート」には、「工賃向上に向けた取り組みは、次の理由により、特段の必要はないものと勘案している。○支給実績において、一定の水準に達していること。○当方の施設機能として、進路移行支援を担うことになっている。他方、高額工賃の支給により、その円滑な実施を阻害する恐れがあること。」と記載しているが、工賃支払いの原則に照らし、内部留保を正当化する根拠とはならない。
あかつき福祉会としては、会計処理を見直して剰余金の存在を覚知していたにもかかわらず、上記収支差額を工賃として支払わず、虐待通報後、5年間にわたって、次期繰り越し活動収支差額を内部留保していたものであり、経済的虐待として利用者の人権を侵害するものと言わざるを得ない。
(3)箕面市の対応について
箕面市は、あかつき福祉会に改善指導等を行い、授産施設会計基準時における会計処理について、あかつき福祉会の決算修正を確認した際、当該剰余金8535万301円は、そもそも2008年通知が対象としている授産施一設会計処理基準等にもどづいて厳正に積み立てられ、「その他の積立金」に該当せず、当該通知に基づいて就労支援事業会計基準に基づく上限額の範囲で翌年度以降の積立金に組み入れる処理は認められないにも関わらず、これに対し、適切な指導等を行っていない。 とりわけ、2008年通知に基づき一部を積立金に算入処理できるとしても、積立金に繰り入れることができない金5487万5279円につき、利用者に対し、工賃として支払われることもなく、漫然と繰り越されたままとなっている点は、利用者の人権上重大な問題であるにも関わらず、この状態を認識しながらも、何らの対応も行っていない。
箕面市は、厚生労働省が箕面市に対し、2008年通知で予定していた「別途の通知」を発出する見込みはなく、従前の厚生労働省の通知等に基づいた適正な処理をするよう回答を得たにもかかわらず、あかつき福祉会に対して、その旨通知をすることもなく、また、処理について指導も行わず、1年間にわたって放置し、同市内部の関係部署にも連絡をしなかった。
この間、あかつき福祉会において、当時の利用者の記録が廃棄された可能性もあり、分配不可能な範囲を拡大させ、これらの年度の利用者の権利を侵害した可能性があり、監督・指導機関として、極めて不適切な対応だといわざるを得ない。
5 結 語
以上のとおりであるから、あかつき福祉会に対し、当該法人における会計処理を授産施設会計基準から就労支援事業会計処理基準へ移行した平成22年度(2010年度)以降、次期繰越活動収支差額の名目で管理している金5487万5279円につき、利用者に対し工賃どして支払われないまま内部留保されていることは重大な人権侵害に該当するので、これに対し、適切な措置をとるよう警告する。
なお、記録廃棄により、利用者の所在等を知ることが出来ない場合が想定されるが、この場合、現在及び過去の利用者並びにその家族等とその処置について協議して、可能な限り、利用者らの共通利益となるような還元措置を講じるべきであることを付言する。
また、あかつき福祉会による工賃不払いが常態化していることを考慮しあかつき福祉会に対しては、工賃支払いに関する上記基準を再確認し、適切な会計監査及び運営監視体制の構築など再発防止の措置を講じるとともに、今後、利用者の人格を尊重し、真に適正な工賃支払を行うよう勧告する。
そして、箕面市に対し、あかつき福祉会が保管する次期繰越活動収支差額として管理している金5487万5279円について、工賃として適切に支払われていない事態を解消するよう指導監督を行うことを勧告する。
また、箕面市は、利用者の人格権、尊厳をもって働く権利を尊重し、今一度工賃支払に関する上記基準を周知徹底し、今後二度と同様の虐待が生じないよう努める必要がある。したがって、箕面市に対し、障がい者の虐待防止及び自立支援に関する専門的知識にもとづき適切に対応するよう、同市において、これらの職務に携わる人材の資質の向上を図るため、関係機関の職員の研修等必要な措置を講ずることもあわせて勧告する次第である。 以上