「科学的」な質的研究法のはじまり
質的研究の定義にもよるが、「科学的」心理学の歴史のなかでは、質的研究が一定の正当性をもって採用されたのは、認知科学研究の方法論として、サイモンらが思考発話法(プロトコル分析)を使って見せたときからではないかと思う。
プロトコル分析は、作業をしているときに考えていることを語らせたものが素データになる。当然、多彩なノイズを含んでデータとなる。それが、科学的なデータとなりうるためには、ノイズ除去のための強固な道具が必要になる。その一つが、作業内容の論理的分析――どういうアルゴリズムで問題を解くか――である。そしてもう一つが、人の問題解決のモデルである。サイモンらは、この2つの鏡を巧みにつかうことで、プロトコル分析の地位を「科学的」水準にまで押し上げた。
写真 我が家の梅の木
花満開
質的研究の定義にもよるが、「科学的」心理学の歴史のなかでは、質的研究が一定の正当性をもって採用されたのは、認知科学研究の方法論として、サイモンらが思考発話法(プロトコル分析)を使って見せたときからではないかと思う。
プロトコル分析は、作業をしているときに考えていることを語らせたものが素データになる。当然、多彩なノイズを含んでデータとなる。それが、科学的なデータとなりうるためには、ノイズ除去のための強固な道具が必要になる。その一つが、作業内容の論理的分析――どういうアルゴリズムで問題を解くか――である。そしてもう一つが、人の問題解決のモデルである。サイモンらは、この2つの鏡を巧みにつかうことで、プロトコル分析の地位を「科学的」水準にまで押し上げた。
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