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時間の心理学
テーマ:頭の使い方
05/3/10茗荷谷の喫茶店にて
雑誌インタビュー
心理学の海保先生にうかがう
時間の話 Q&A
Q1 そもそも、時間って何?
「時計時間」と「心理時間」と「生理時間」の概念について。
誰にでも同じだけ時間は過ぎているのに、人によって時間の感じ方は違うようです。
誰もが知っていながら、しかしそれが何であるか答えることことができない質問の一つがこれです。
ただ、時間には4つの種類があることは知っておいてよいと思います。
一番なじみのあるのは、時計時間ですね。
さらに、気象時間あります。太陽や月との位置関係で決まる時間です。
3つ目は、生理的時間です。脳のなかにある時間中枢によって刻まれている時間です。
そして最後が、心で感ずる時間です。
この4つの時間の間に微妙なずれがあります。それが極端にずれた生活を強いられているのが現代人、というより都会人です。
Q2 楽しい時間はすぐに過ぎてしまうのに、したくないことをやっている時間は、長く感じてしまうのはなぜですか?
これが心理的時間の一つの特徴です。
今現在の心理的時間は、努力感の関数です。
たくさん努力をしていると感じている時には、心理的時間は長くなります。
好きなことをしている時は、あまり努力をして頑張ってやっているということにはなりませんので、心理的時間が短く感じられます。
嫌いなことをしているときは、一生懸命に努力しないと事がすすみません。心理的時間はどうしても長くなってしまいます。
もう一つ、今現在の心理的時間は、時間のほうにどれくらい注意を向けるかにも影響されます。「時間は意識すればするほど長く感じられる」のです。
好きなことをしているときは、好きなことのほうに注意が奪われてしまい、時間のほうには注意がいきません。
嫌いなことをしていると、嫌いなことにはあまり注意が向かないで時間のほうにばかり注意がいってしまします。まだ、10分しか、まだ20分か、あと15分か、と時間ばかりに注意が向けられてしまい、長いナーということになります。
Q3 子どものころはいくらでも時間があった気がするのに、年をとるにつれて時間の経つのが早く感じます。なぜでしょう?
時間的展望という概念があります。
将来をどれほどきちんと見すえることができるかどうかです。
青年期には、この時間的展望が混乱します。一瞬に人生のすべてを賭けてしまうような行動をしてしまうことがあります。過去、現在、未来の関係がきちんとつかめていないためです。
成人期になると、この時間的展望がかなりきちんとできるようになります。成人期を過ぎると、人生の終わりから今を逆算することができるようになります。先がどんどん短くなる感じが、加齢が心理的時間を加速させているのではないでしょうか?
Q4 夫は「待たされる」時間をとても嫌います。こういう性格は直らないのでしょうか?
直りません。性格は長い年月をかけて作り出されたものだからです。
対応を変える方がお互いにハッピになれます。つまり、
あなたが5分前到着を心がけるか、
12時に待ち合わせをするなら、12時10分に会いましょうと少し時間をずらしてあげるとか
待つ場所が楽しいところにすればよいのです。
夫のほうには、3分くらい時計を遅らせておくことを勧めてみるのもよいかと思います。
Q5 「早く早く」と 急かされて育った子どもはせっかちな性格に、のんびり育ったこどもは遅刻常習犯になる、(極論ですが)などということはありますか? つまり、育ち方によって時間への考え方は変わってくるのでしょうか
もちろんです。
時間にかかわる性格に限りませんが、性格は作られるものです。とりわけ、幼児期の影響が大きいことは心理学の常識です。
留意する必要があるのは、保育園や幼稚園に通う前の幼児期の子どもは、気象時間と生理的時間が中心に生活しているということです。
少しずつ、それに時計時間を同期させていくくらいの気持ちで子どもの日常的な生活スケジュールを考えるのがよいと思います。
早く早くは、時計時間優位の性格に
のんびりゆったりは、生理的時間優位の性格になります。
しかし、遅刻常習犯は困りますが、せっかちものんびりも、それぞれの良さがあるわけですから、あまり神経質になる必要はないと思います。
Q6 犬には時間の概念がないと聞いたことがあります。飼い主の留守が1時間だろうと、半年だろうと、「いない」「帰ってきた」としかわからない……と。時間の長さを感じるのは人間だけなのでしょうか?
生物には死があります。ということは、すべての生物にはそれなりの時間がくみこまれていることになります。ただし、生理的時間だけです。
心理的時間は、心がある人間だけに固有のものです。
もっとも、ペット愛好家は、「犬にも心がある」(擬人化)と主張したいのでしょうから、犬の心理的時間も仮定したい気持ちはわかりますし、仮定してペットと共生するのを妨げるつもりはありません。。
Q7 時間にいつも追われている気がしてストレスです。自分のペースを取り戻すには、どうすればよいでしょうか。
大原則は、時間に負けないことです。
具体的には、2つ。
●自分で時間をコントロールすることです
朝1時間早く起きる
締切りに追われない
● 時間を忘れる時間を作る
何かに熱中している時間を作る
フロー体験
趣味など
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時間に追われているストレスを解消するための方策のいくつか。
1) 時間管理を点検してみる
いきあたりばったりで仕事をしていないか
予定表は作っているか
無為に過ごしている時間はないか
自分の時間が確保できているか
そのうちやる癖は強いほうか
時間を節約することを考えているか
2)仕事管理を点検してみる
仕事の軽重、分量、かかる時間などによって仕事を管理しているか
なんでも引き受けてしまっているようなことはないか
仲間と分担することは考えたか
3)休憩の自己管理はできているか
90分単位、一日単位、1週間単位、———の休憩管理が出来ているか
リラックスの手段を3つ以上もっているか
写真桜氏提供
文九朗君、なにやら深刻そう
大丈夫??