キャリアアップのための発想術 培風館
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はじめに
●頭脳を有効活用する
ビジネスマンを取り巻く環境が厳しさを増している。 今まで以上に、頭を有効に活用して、競争に打ち勝つことが求められている。 頭脳管理とは、「使っていない頭脳資源を使えるようにすること」、 「使ってはいてもその使い方が下手だったものを上手に使えるようにすること」につきる。 頭を目一杯使っているようであっても、実は使い残しや稚拙な使い方をしているということが多い。 本書では、ビジネスマンの仕事のさまざまな場面を想定して、どのように頭を使うと効果的かを、認知心理学の立場から提案してみる。 認知心理学とは、頭の働きを研究している心理学の1分野である、そこには、頭脳資源の有効活用を考えるヒントが豊富にある。 40個のキーワードを抽出して、絵や図解を多用して平易に話を展開してみたい。
●本書の構成と読み方 ビジネスマンの生活を、仕事を中心に、「企画」「会議・プレセンテーション」「知的実務(デスクワーク)」「対人関係」「休息・遊び」の5分野に分けてみた。 それぞれの分野で鍵となる用語を数個程度抽出して、頭脳の自己管理のヒントを提案してみる。 どの章、どの項目から読んでいただいても良い。 まずは、自分の気になる用語を見つけて拾い読みをしていただく。 あとは、本棚から時折引き出してその時々に気になる用語を見つけていただき、10分間読書をしていただくことになる。
●読んでほしい方々 読者のターゲットとしては、30代後半から40代のビジネスマンである。 やや特異な年代に絞ったのは、30代後半は、現場離れの時期である。それまでは、仕事をしゃにむにやってきたが、それを部下にまかせて自分は管理的な仕事に軸足を移す時期である。 頭の使い方も変えざるをえない。それまでの頭の使い方を振り返り、新たな仕事に立ち向かえるように、頭脳使い方の切り替えが必要になっている。 本書は、そんな方々を支援することをねらったものである。 2002年10月10日 海保博之