hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

『〇〇モドキ』『ニセ〇〇』『〇〇ダマシ』という名の植物

2022-09-19 05:00:00 | 日記
植物の名前を図鑑で見ていると面白いことに気づいた。

(サフランモドキ)
先日街を歩いていて見つけた『サフランモドキ』、可愛らしいピンクの花を咲かせるヒガンバナに近い種類である。日本に渡来したのは江戸時代末期であるが、渡来して来た際には薬用になるサフランと誤認されていた。



(サフラン)
しかし、明治になり、誤りであったことが判明、あまり名誉ではないサフランモドキと呼ばれるようになった。

(ウメモドキ)

そもそも、『モドキ』とつくネーミングの動植物は似て非なるもの、まがいものというイメージが強く、あまり良い意味には取られない。ただ、必ずしも『モドキ』と付いているからと言って全て似ている訳ではない。『ウメ』『ウメモドキ』はあまり似ていない。似ているとしても葉の形が同じくらいで花の色もウメは紅白に対してウメモドキは薄紫色である。真っ赤な実はつけるが。品種からしても『ウメ』はバラ科に対して『ウメモドキ』はモチノキ科と全く違う。

(ツルウメモドキ)

さらに似た名前の植物で『ツルウメモドキ』もあるが、こちらはニシキギ科、ただ、こちらはウメモドキに似た赤い鮮やかな実はつける。

(ニセアカシア)

『ニセ』が付いているのもイメージが悪い。『アカシア』と『ニセアカシア』。ネーミングはサフランモドキと似ていて明治期に輸入された際はニセアカシアをアカシアと呼んでいた。

(アカシア)

しかし、その後ネムノキ科のアカシアが輸入されるようになり、ラテン語のpseudoacacia(pseudo=よく似た)の直訳からこの名前になった。

(コバンソウ)

同じように『コバンソウ』と『ニセコバンソウ』。いずれもイネ科の草だが、実が左右に尖って付いていて実が柔らかそうなのが『ニセコバンソウ』、丸くて小判が重なっているように見えるのが『コバンソウ』。ただ、この二つはよく似ている。

(ニセコバンソウ)

もう一つは『ダマシ』がつく植物。どちらかというと昆虫に多いネーミングなのだが、植物にもある。『イワカガミ』と『イワカガミダマシ』。

(イワカガミ)

『イワカガミ』はイワウメ科の多年草で高山植物。名前の由来は岩場に生え、葉に光沢があるから付けられた。夏になると葉の中央から茎を伸ばして薄紅色の下向きの、花をつける。

(イワカガミダマシ)

『イワカガミダマシ』はサクラソウ科、ヨーロッパ原産の高山植物であり、日本では園芸用として輸入されている。この植物も葉の中央から10cmの茎を伸ばし、薄紫色の下向きの花を付けるが、栽培が難しい。この二つは確かによく似ている。
『モドキ』『ニセ』『ダマシ』といずれも贋作や一段劣るようなニュアンスが残るが、あくまで人間が付けた名前であり、付けられた植物こそ良い迷惑なのであろう。



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