人形町にはかつて色街であった名残なのか洋食店が多い。名店といえば『芳味亭』『そよいち』、明治創業の老舗は『小春軒』『来福亭』『日勝亭』など数多くある。しかし、庶民的といえば本日お邪魔した『キッチンサウザ』を私は挙げる。
この店に入るとかつて東京の学生街に数多くあった『キッチンジロー』を彷彿させるが、実はこの店も元はキッチンジローであった。しかし、キッチンジローは2020年に15店舗のうち13店舗を閉鎖、今東京には九段下1店舗のみ(もう1店は大阪・中之島)しかない。
今もランチメニューにはハンバーグとメンチカツを中心に①ハンバーグとミルクコロッケ(これはキッチンジローからの伝統でクリームコロッケのことを指す)、②ハンバーグとスタミナ焼、③メンチカツとカラアゲ、④メンチカツとスタミナ焼、⑤カラアゲと魚フライの5つが800円。
他にもカキフライ、エビフライなどを組み合わせた典型的な街の洋食屋さんのメニューが並ぶ。3年前には750円だったのだから50円は値上げされていた。前回は③を食べたので今回は④にしてみた。
待つ事しばし。その間もお弁当を求める人がひっきりなし、コンパクト弁当(コロッケとおかず)580円が人気だが、色々好みを言うこともできる。そのうち私のランチも到着。
メンチ+スタミナ焼のほかに豚汁、ご飯が付いてくる。まずは豚汁、前回訪問時にはごぼうと大根ばかりが具の豚汁と書いたが、今回はちゃんと豚肉も入っている。寒い時にはやはり豚汁がありがたい。
スタミナ焼は少しニンニクを効かせた甘めのタレで豚肉とタマネギが炒められている。これはご飯に合う。気をつけないとこれだけでご飯を食べ終えそう。また、スタミナ焼のタレが沁みたキャベツの千切りもいい。
メンチカツは大きく、薄い。これはジローゆずり。辛子ととんかつソースをたっぷり掛けて割ながら頂く。ご飯にもビールにも合う旨さ。気がつけば完食してました。懐かしく、庶民的な洋食は捨てがたい旨さがある。ご馳走さまでした。
キッチンサウザ
中央区日本橋堀留町1ー5ー7
0336649728