昨日美由紀に言われて思い出したんですが・・・・
何時から変わってしまったのか??と言えば心当たりはあるんですが・・・・・
若い時からずっと思ってきた事は・・・・お金の使い方は「物」にするので無く「思い出」に使うものだと・・・
物にすれば管理が必要だし、それは大抵古くなって捨てるようになるか、盗まれたり傷つけられる心配をしなければならないから・・・・
思い出になるようにお金を使っておけば盗まれる心配も無いし、管理も必要ないし、捨てる心配もいらないと思っていました。
そんな事で私は仕事を止めてからも殆どのお金を旅や消えてしまう物に使ってきました。
お金を思い出に変えるように心がけてきました・・・・残念ながら多くの思い出は歳なので忘れてしまいましたが・・・・
家も夜露が凌げれば良いと言う考えで家具も必要最低限であれば幾ら留守にしていても盗まれる心配もありません。
衣装にも殆ど興味はありませんからユニクロが多いです
実際我が家は一年の殆どを旅していますが・・・泥棒が来ても一番高価なものは冷蔵庫で次はテレビか洗濯機なので・・・・
余り泥棒も魅力は感じないでしょう。
ところがです。
ここ数年その考えが変わり始めたのは・・・・・
私は仕事を止めて今では36年になりますが・・・・15年ほど前ですからまだ仕事を止めて20年が過ぎた頃で、ヨットで世界一周航海を終えて一年の内四ヶ月以上を国内をキャンピングカーで山登りやスキーに、一年の四ヶ月以上を海外へバックパック旅行をして家には三か月程度しか居ない生活をしていました。
そんな生活はコロナまで続いていたんですが・・・・
ある日私が良い酒と肴を買って・・・・古い軽四に乗って一杯飲みたいと思って昔の友達の家を訪ねた時の事です。
その時の友達の奥さんの「困った様な顔」は今も忘れる事が出来ないのですが・・・・
仕事を止めて25年遊んでいることは知られてましたから・・・・そこへ古い軽四に乗って余り奇麗でない服装で行ったから・・・・
多分「お金を借りに来た」と思ったと思います。
友達の家では・・・多分夫婦であのように遊んでる溝田は今にお金に困るだろうと話もしてたんだと思います。
前もって連絡せずに行ったのもあるでしょうが・・・・
友達は居るか?と聞くと・・・・その困ったような顔で「風邪をひいて寝ている」と言ったんです。
とても顔だけでも見て帰るとは言えず・・・・酒と肴を置いて戻って来たんですが・・・・
長く仕事をせずに遊んでいると・・・そこそこの身なりをしてなかったら周りに迷惑をかけると気づいた時でもありました。
その上に・・・私がインドで急性肝炎になって緊急帰国した時です。
総合病院へ行くと・・・・お医者さんはすぐに個室に入るようにと言ってくれたんですが・・・・事務室の人が来て・・・こう聞くんです。
仕事は何をしてるんですか? 当然答えはずっとしていませんでした。
なぜこのような質問が来たかと言うと・・・・その年は五か月のインド旅行を計画して発症したのが四ヶ月余り過ぎた頃でした・・・インドでは日本人旅行者は良く騙されるので・・・
出来るだけ貧しそうな恰好をしてた方が良いと思って・・・日本出発以来一度も散髪もせず髭も剃らず・・・一見日本人なら誰が見ても浮浪者と言う恰好で帰国してました。
関空から徳島駅に夜中に着いて・・・タクシー乗り場で順番を待って・・・私達の前にタクシーが止まったのに・・・大きな荷物があるのにトランクは開けないしドアも開けてくれませんでした。
運転手に阿南まで帰りたいと言うと・・・・深夜なのに「普通料金で行くから運賃は払ってね」と念を押されましたから・・・・
お金は持ってるから大丈夫払いますと言うと・・・・乗せて帰って来てくれたんですが本当に深夜割増しなしでした。
その様な格好でしたから・・・病院も入院費を払ってくれないと思ったのでしょう。
その上に当時私は徳島の家と阿南の家のどちらにも住んでた関係で住民票が徳島市で保険証も徳島市でした。
ところが阿南の家に戻って来て阿南の病院へ行ったから・・・・事務の人は徳島で断られたから阿南へ来たと思ったのかも知れません。
住んでるのは持ち家かとか子供はどこに勤めているのとか色々質問ばかりして・・・医者が早急に個室に入れて点滴をしないといけないと言うのに部屋に入れてくれませんでした。
そこで思い出したのが・・・・阿南の家の隣の家の奥さんがこの病院の看護婦さんだったことです。
隣の奥さんなら私の事を知ってるだろうから確認したら入れてくれると思いながら・・・・
私は冗談が好きですから・・・・私の入院費の支払いを心配してるのが分かりましたから「この病院に私が今住んでいる阿南の家の隣の奥さんが勤めてるので、私の入院費はその奥さんの給料から引いてください」と言ったんです。
それでやっと入院出来て治療が受け始められたんですが・・・
翌朝朝早く隣の看護婦さんの旦那さんがお見舞いに来てくれて・・・・帰る時に言いにくそうに「入院費は自分で払ってくださいね」
私の会社の倉庫だった建屋を改造して家にして・・・引っ越してまだ一年位の上に殆ど旅行で居ませんから・・・
隣の家の人からも信用されていなかった事が分かりました。
お金を形に変えず思い出に幾ら使っていても・・・・周りからはこの様にみられているのに思い知らされました。
そんな事が重なって・・・・住みもしない家を建てたり乗りもしない車を次々買ったりして・・・
周りを安心させようと思ってるのもありますが・・・・
もっと深く考えると・・・・ここ最近は特に歳で思い出作りに出て行く体力や気力が無くなってきた事が原因でもあります。
体力や気力が無くてもお金さえ出せば物は手に入りますから・・・・
いつの間にかお金の使い方が変わってしまって・・・・歳とは言え哀しい事です。
でも隣近所からは少しながら信用されるようになりました。
さて私の腰痛は常に感じますが随分楽になっています。
そこで少しですが自力整体の本を見ながら試し始めています。
また正しい姿勢で歩くのが良いと書かれていたので・・・・平地ですが二キロほど歩いてきました。
明日も自力整体や平地歩行を少し多めにしようと思っています。
美由紀は早い昼ご飯を食べていそいそとダンスパーティに出かけて行きましたが帰って来るのは夜になるでしょう。
80近いのに元気な婆さんです。
元気が無いよりは良いですが・・・・
大阪から同窓生が戻って来てるので明日は私の故郷の勝浦町へ行ってお酒を飲みます。