天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

「ステキな金縛り@試写会」69

2011年10月20日 | 映画感想
「ステキな金縛り」

三谷幸喜氏生誕50周年記念作品!・・・らしい。ホントか?^^;
何でもビラの謳い文句では「構想10年以上!三谷幸喜が一番実現させたかった企画、ついに映画化!!」だそうだ。
正直言うと、三谷幸喜氏の作品ってあんまり見た事がないんだ。
あんまりって言うか「ザ・マジックアワー」しか見た事がない。しかもそれも試写会が当たったから見たんだけど。
古畑任三郎とか王様のレストランとかめっちゃ好きだったんだけど、なんでだろ?

まあそんな訳であらすじ
失敗続きで後がない弁護士のエミが最後のチャンスとして担当させられたのは、とある殺人事件だった。
被告人は無実を主張するが、事件当夜のアリバイを「旅館で落ち武者の幽霊に圧し掛かられて金縛りに遭っていた」と言うのだ。
果たしてエミはその旅館に行き落ち武者の幽霊・六兵衛と会い、彼に裁判の証人になって欲しいと頼む。
しかしこの六兵衛、誰にでも姿が見える訳ではなく、ある条件を満たしている人だけに見えるらしい?
そして相対するのは一切の超常現象を認めない、敏腕カタブツ検事・小佐野。果たして事件の真相は明らかになるのか!?

うん。面白い!
正直言うと以前見た「ザ・マジックアワー」が微妙~な感じだったのであまり期待していなかったんだけど、本作は面白かった♪
三谷氏の映画ってやたら大物役者・人気役者をチョイ役で使うというのがお決まりのようですが、本作もその流儀を踏襲。
メインキャラも深津絵里、西田敏行、阿部寛、中井貴一と、それぞれがピンで主役を張れるレベルの大物揃いだけど
ほんのチョイ役にも大物がバンバン登場する。誰がどんな役で出演しているかを探すのも三谷流のお楽しみなんだろう。

法廷ドラマがメインなんだけど、そこに絡んでメインキャラそれぞれの抱える問題や横顔に関するエピソードがチョイチョイ入って
話に厚みを持たせて膨らませている。
検事の小佐野がエミ達に対し「私と君らとは敵同士ではない。むしろ真実を追求するという意味においては味方なのだ」
という内容のセリフを言うんだけど、このセリフは本作のキモだと思いますね。
たった1つの真実に向かってそれぞれが違う方向から検証して行く、その過程で人間関係が膨らみ、友情や様々な思いが交錯する。

と、凄く難しそうな事を書いてしまったが、全編お笑い要素てんこ盛り。
そもそもが有り得ない設定の話なので、それこそ何でもアリなんですよね。ある意味卑怯な設定だよな~とすら思うw
とりあえず「幽霊が見える人と見えない人がいる」という設定段階からしてズルい。そもそも見えないのがデフォルトの存在(幽霊)が
見えるばかりか普通に会話が成立してしまうという部分に誰もツッコミ入れないのがズルいw
だから絵的には通常モードは「エミ(幽霊が見える人)視点」で話が進んでいて、チョイチョイ劇中の「幽霊が見えない人視点」が
差し込まれる訳ですよ。こんなの笑えない訳がない。同じ「視点変えネタ」が何度も登場するけど、こんなの何度登場したって
笑えるに決まってます。だから卑怯な設定だなと。まあ笑えるからいいんだけど^^;

視点変えネタ、リアクションネタ、会話(ボケツッコミ)ネタ等、実に細かくありとあらゆるジャンルのお笑いネタを詰め込んでいて
ずーっとゆるゆる笑わせながら最終的に人情オチに持って行く辺りは日本人なら誰もがほっこりする、満足度の高い展開だと思う。
多少あざとさが鼻に付く感もあるし、邦画にしては尺が長い(上映時間2時間22分)とは思うモノの、その尺の長さを感じさせない
飽きずに最後まで笑って笑ってほっこりする、なかなかの秀作だと思います♪
コメント
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