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話をちょっともどして3月2日の、羽鳥が司会をやっているワイドショーのことを。ほぼ時間いっぱい森友学園の特集。コメンテーターはテレ朝の記者と高木美保(この人は冷静ですねえ!)。そして、政治記者歴数十年というふれこみの田崎なる人物。
共産党の小池書記局長が、ある自民党議員(まだ鴻池の名は国会に出ていなかった)に森友学園の籠池理事長夫妻がコンタクトをとったのではないか、という件がメイン。
小池参院議員の質問がいかに破壊力を持っていたかは、閣僚たちが虚勢もあって薄笑いをうかべ、小池氏に一喝されていたことでもわかる。勘所をついたのだ。
結果として鴻池元防災相が逆ギレしたような会見を開いたことで、この接触が事実だったことが証明された。
この質問への田崎氏のコメントはとても奇妙なものだった。彼の論旨はこうだ。
・議員に都合の悪い来客についての記録を、議員事務所が残しておくはずがない。
・残していたとしても、その記録が日本共産党に渡ることはありえない。
つまり2日朝の段階では仮定の話にすぎないのだから、これ以上この話を掘り下げても仕方がないというのだ。
あれま、と思いました。これまでも彼は政権寄りの発言をいろいろな番組で繰り返していたらしいので、まあそういう人なのだろうとは思ったが、それにしても。
おかげでテレ朝の記者とは険悪なやりとりになったし、むしろ高木美保の冷静さが際立つ展開になった。にしても、だ。これだけ露骨に政権のためならどんな理屈も持ち出して見せる“コメンテーター”が各局に登場していること自体、どうにも薄ら寒いものを感じる。
現政権は批判的な番組それ自体を批判する手法をとってきたので、こういう御用評論家が重宝されるのだろう。森友学園の事件はそんな惨状もまた、教えてくれたのだ。ありがたい話である。それにしたってもうちょっと上質な人物はいなかったのかなあ。以下次号。