2017年2月号「魔が差した」はこちら。
……(戦う交通安全!)というのは、戦隊シリーズで最低の視聴率を記録してしまった「激走戦隊カーレンジャー」の爆笑のフレーズですが、この時期は確かに、戦いでもしなければ交通安全は確保できないかもしれません。というのも、1年のなかで、わたしたちドライバーがいつも以上に慎重になるべき時期は以下の三つ。
①春と秋の交通安全運動期間
②月末
③年度末
交通安全運動期間中は文句なし。テントをはり、のぼりを立て、警察の威信にかけて違反の摘発に血道をあげています。それでは月末や年度末はなぜ?
答は「ノルマ」と「歳入確保」。
あまり大きな声ではいえませんが、警察というのはとにかく上下関係が厳しく、上の言うことには絶対服従の傾向があります。そして警察署長たちは“他の署に負けないように”取締り件数の目標をかかげて署員にハッパをかける。で、署長の言うことは絶対だから署員は渋々出かけることになるというわけ。しかもこの目標は月ごとに
「駐車違反○件」
「速度違反○件」
「信号無視○件」
と、違反の種類ごとに定められているとか。未達となれば翌月に上乗せされる署もあるというからおそろしい。こうなると月末や年度末があぶない理由はわかりますね。ノルマ、という表現を使わなくても、警察においては「目標」すなわちノルマなのでしょう。
もうひとつ「歳入確保」はこんな理屈。違反者が納めた反則金は、まず歳入として警察庁に集められます。そこから総務省にわたり、地方交付金として各自治体へ。自治体はその交付金で標識や信号機、カーブミラーなどを整備するルートになっています。そして、この歳入はおそろしく細かく予算化されているそう。
それだけでなく、前年度の取締り実績が翌年度の警察予算確保のための実績として評価される仕組み。こりゃ、意地でも“歳入予定どおりに”違反を取り締まらなければならないわけです。しかも、標識などを整備する会社が警察OBの天下りとなると……
おわかりですか、交通安全は戦闘行為なのです。今年の春の交通安全県民運動は4月6日(木)から4月15日(土)まで。必勝を祈る。
画像は「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」
主演:エヴァ・グリーン、ジュディ・デンチ
この忙しいのに映画なんか見てる場合じゃない。でも監督は大好きなティム・バートンだしもうすぐ上映は終わっちゃうし……我慢できずに行ってしまいました。久しぶりに彼の本領発揮なひねくれ具合。全然子ども向けの映画になってないのも頼もしい。満足。
しかも、窓口で互助会の補助券を使ったのでほぼ無料。何を言いたいかおわかりですね。山形県教職員互助会員の補助券有効期限は3月31日。「今年も使えなかったー!」という人がよくいますが、無駄にするくらいなら映画館に行け。
2017年4月号「扶養手当」につづく。