PART1「オスカーを抱きながら。」はこちら。
「放射能の影響で(体が)大きくなった」
LIXILの社長、瀬戸欣哉社長が山本環境大臣に立派な体格であることをほめられて……よくわからない。瀬戸氏は報道陣に意図を質問されて
「体重が多くなってしまったことの妻への言い訳だった」
ますますわからない。対する山本大臣は
「発言に気付かなかった」
……なんだろう、この雑さは。
「放射能を浴びているから電気を消すと光ると思った」
これもわからない。関西学院大学の40代外国人非常勤講師の発言。
教室の電気を消し(ここでまずどんな英語の授業だったのか不思議)、日本語と英語で福島県出身の女子学生に
「(フクシマ出身なのに)光らないな」
と語ったという。学生は大学のハラスメントセンターに相談し、しかしその後、授業を休むようになっている。
「電気を消したことは覚えていないが、発言は間違いない。冗談のつもりだった。女子学生に謝罪をしたい」
またしても、雑な発言。この講師は新年度の任用を辞退し、大学側も雇用する意図がないとしている。
……この人たちにとって、東日本大震災とはなんだったのだろう。福島第一原発の事故とはなんだったのだ。あれからまもなく6年になる。6年も経ったととるか、6年しか経っていないととるかは人によって違うだろう。しかしいずれにしても、心の底に被災した人間を軽く見ている根性がかいま見えて気が遠くなる。
それからね、冗談のつもりだったというのがこういう時の常套句になっているが、ユーモアのセンスのない人の出来の悪いジョークはヘイトスピーチよりもたちが悪いぞ。それだけは言っとく。あ、彼らは自分のセンス・オブ・ヒューモアの欠如に気づくセンスもないか(T_T)
2017年3月号「図書館ってなに?」につづく。