「葉桜の季節に君を想うということ」で、読み終えた瞬間に「うわ、こう来たかあ」と読者をうっちゃった歌野晶午。今回もかましています。
最初から“犯人”は登場していて、この男の人生ははんぱなく惨めだ。ある事件から彼は坂を転がるように自滅に向かって突っ走る。
連続殺人は陰惨このうえないが、それで読者がひくことはないと思います。だって出てくる連中がそろいもそろってクズばかり(笑)。
ったくしょうがねえなあ、と思わせてラストで……
すいません、こんなことを言ってはいけないんでしょうけれど、わたし「葉桜」もこの作品も、途中でひっかけに気づいてしまいました。