第三十九回「本願寺を叩け」はこちら。
さて、本能寺に向かって信長と光秀にどのような離反する要因があったか。なにしろ最終回までまもなくなので考えこむ。
池端俊策先生は仕込む仕込む。どんな名器であっても持ち主の松永久秀が爆死したんだから“それ”といっしょに壊れたんじゃね?
と思っていたけれどもそうはならなかったんですね。この茶器が引き金のひとつになるのは活劇の常套手段としてありだけど、だとしたらこの平蜘蛛の釜は現在もどこかに存在しているのかもしれない。
そんなドラマを背負っていることも知らぬげに普通に茶器として現役なのかも。それも一興。蜘蛛という言葉にドラマ的な意味もこめてます。
大河ドラマの季節感というものがあって、11月あたりから登場人物が壮絶に消えていく。まあコロナの影響もあって、この大河においては現在がその最初のピークで、帰蝶(川口春奈)、松永久秀(吉田鋼太郎)、煕子(木村文乃)が退場。
残ったメンツで骨肉の争いが始まるわけだ。帰趨がわかっていても、この大河はどうひねるかでわくわく。たくさんの人がたくさんの結末を予想しているわけで、こんな話になるとはわたしも予想していなかった。これまで大河でさんざん語られていた明智光秀の
“自分のプライドを傷つけられたから主君の信長を討った”
って話にはおよそなりようがない。
にしても今回の主役はセットでしょう。信長と光秀が腹の内を探り合う広間の、それこそ広さと行ったら。CGかと思ったぐらい。NHKの気合いを感じる。CGじゃないよね。
で。画像は通販の平蜘蛛釜です。みなさんもお買い求めになれます(笑)
第四十一回「月にのぼる者」につづく。