事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

トンネル。

2012-12-06 | 社会・経済

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YouTube: アンジェラ・アキ 手紙 ~拝啓 十五の君へ~ 合唱バージョン.flv

思いもよらない事件って起こるんだなあ。

先日の「万里の長城で死者」という見出しには、いまどき匈奴かよ!と誤解したがこんどは高速道路。

笹子トンネルの事故はほんとうに怖い。
次々に落ちてくる天井板にクルマをこすりながらアクセルを踏むって……ハリウッドのアクション映画だってこうはなかなか。

明日は山形に出張だけど、月山新道のトンネルにはちょっと嫌気が。新庄経由にしよう。ま、最初からそのつもりだったんだけどね。

うちの同僚は

「あのトンネルの出口と入口で大きいファンが回ってるでしょ?あれが落ちてきたらどうしようかっていつも思ってたの」

あはははーと笑ったけれど気持ちはわかります。

おそらくこれから延々と高速道路会社へのバッシングが始まる。その過程で、神ならぬ身のチェックには限界があることを(報じられないだろうが)思い知らされるのだと思う。

ここからが本論。似たようなことは原発にも言えるんだろう。

想定外な事態はかならず起こるのであり(高速道路会社に責任がないなんて言ってませんよ)、その事態の大きさが人智の及ばない規模なのがあの発電システムなのではないかと考えたわけ。

破綻したときに制御できないシステムでいいのかと。

別に高速道路を全廃しろなんて言ってない。もっとスマートな形でハイウェイを維持整備することはできないか。ここが論点よね。選挙が近いのでわりと政治的になってますわたし。

本日の一曲は、意地でも美人だと主張しますよアンジェラ・アキの「手紙」。SONYがどれだけこの動画を残しておいてくれるかなあ。

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「浮浪雲」 (1978 テレビ朝日)

2012-12-05 | テレビ番組

Haguregumoimg01 ジョージ秋山の原作を熱心に読んでいたのって高校生のころだったかな。当時のビッグコミックオリジナルはこの「浮浪雲」のほかに、「三丁目の夕日」「あぶさん」が連載されていて……ってまだ続いているのか!どんだけ長期連載だらけなんだ。

もっとも、いまのあぶさんからは想像もできないでしょうが、景浦安武がサチ子以外の女性(麻衣子)と深い仲になってしまう展開もあったし、「青春の尻尾」というやたらにエッチな諸葛孔明伝もありで……。

「浮浪雲」は、元武士であり、雲助の頭目として影響力をもっているにもかかわらず、あだ名どおりフラフラと幕末の品川を浮遊する雲(くも)が主人公。

がんばらない、意地を張らない、女にだらしない雲の造形は、田舎の高校生にとって(特にビッグコミックオリジナルを熟読するような年寄りくさいガキにとって)とても魅力的に見えた。エピソードで忘れられないのは“小さな石はよけないが、大きな石はよける”ってやつ。すいません説明がヘタで。

その原作を石原プロが1978年にドラマ化。脚本に倉本聡、雲に渡哲也、その妻に桃井かおりという鉄壁の布陣。

でもよく考えると、大河ドラマの真裏でオンエアするなど、その4年前に渡哲也が病気で、倉本聡がNHKともめて降板した「勝海舟」の意趣返しの色彩ありあり。

で、どうだったかというと、当時の大河ドラマ「黄金の日日」(市川森一)がやたらに面白かったので、視聴率的に惨敗。相手が悪かったか。わたしも実はテレビ朝日への反感もあって半分はそっち見てましたし。

谷啓が欲次郎、渋沢老人に笠智衆、雲助に志賀勝、小鹿番、そして最終回ではプロデューサーである石原裕次郎までが義兄役で出演した豪華版だったのにもったいない。なにしろ時代考証を無視した倉本脚本は笑えたのに……

どうもね、このころのテレビ朝日は、面白いドラマをつくる体勢はまだまだととのっていないのでした。桃井かおりがひたすらキュートなので惜しい。もうちょっとやりようがあったでしょうがぁ(桃井調)。

TSUTAYAディスカスはこういうマイナーな作品が用意してあるのでうれしい。もっとも、わたしがこれを見ているのに気づいて妻が激怒。

「ずるいわ!あたしもこのドラマ大好きだったのに」

すみませんすみません。新之助役の伊藤洋一に

「この子はねー、すごくいい子役だったのに、たしか中学受験のために引退したのよ」

うわー詳しい。ほんとに好きだったんだなあ。

コメント (2)
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合戦屋シリーズ。

2012-12-04 | 本と雑誌

Isbn9784575236644_2 時代小説はいまブームじゃないですか。「居眠り磐音」の佐伯泰英とか、鳥羽亮とか。わざと最初から文庫で出すなどして“延々と購読させる”あたりの仕掛けもうまい。

それに、フォーマットがきちんと定まっているものだから、一度はまってしまえば物語にするりと入っていける。読むのに体力が必要なノワールなどと違い、わたしのような中高年にぴったり。

にしても北沢秋という作家のことは全然知らなかった。同僚の国語教師が「これ面白いんだよー。読んでみてよ」と合戦屋シリーズを貸してくれなかったら、おそらく読むことのなかった作家だと思う。この人も、ベストセラー作家だったのだ。

北沢秋は、東大の理工学部出身ということしかわかっていない。理系の歴史小説?デビュー作「哄う合戦屋」は、双葉社に徹底的に書き直させられるという少年ジャンプと鳥山明みたいな関係性のなかから生まれたのだとか。

でもやっぱり仕上がりはまだまだな部分も。各章の展開がワンパターンなの。

・主人公が意味不明な行動をとって

・その意味を理想の女性だけが理解し

・無能な上司が主人公の意図するところを台無しにしてしまい

・厭世観にとらわれる主人公に(心象風景としての)鳥の声が聞こえる

……これが何度も何度もくりかえされます。いまはこのシリーズを事務室の相方が読んでいるんだけど「とにかく何度も鳥が鳴くでしょ」と笑い合っています。

しかしとにかく読ませる。おかげで全巻読破。いくさ上手な軍師、石堂一徹は架空の存在。そこに武田信玄や村上義清がからんで……大河ドラマ「武田信玄」を見ていた人なら、中井貴一と上条恒彦がここでバトルかあ、と想像できるおなじみの世界。

そう、どうも展開は(全盛期の)大河ドラマっぽく派手でスピード感もある。表紙もふくめて「のぼうの城」的な売れ方なのだろう。面白いですよ確かに。でも、鳥が鳴くのは減らしてほしいなあ。

哄う合戦屋 (双葉文庫) 哄う合戦屋 (双葉文庫)
価格:¥ 650(税込)
発売日:2011-04-13
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「植木等伝 わかっちゃいるけど、やめられない!」 戸井十月著 小学館文庫

2012-12-03 | 芸能ネタ

Uekiyaimg01 パブリックイメージとは違い、植木等がめちゃめちゃに真面目な人で、無責任男と呼ばれたり、コミックソングを歌っていることに決して自足していなかったことは、小林信彦や大瀧詠一らによって語られてきた。宗教家である父親が強烈な人であることも。

戸井のこの書ではもう一歩すすめて、父親に対して植木が決して尊敬しているだけの関係ではなかったことも語られている。社会主義者&僧侶&キリスト者だった父親(すごいですな)が、世の平等をもとめて「等」と名付けた次男坊が、のちに無責任男「平均(たいらひとし)」として一世を風靡したのは因縁というものだろうか。

自己主張の強いミュージシャンたちが、解散することなくクレージー・キャッツとして最後まで過ごすことができたのは(犬塚弘だけが存命)、リーダーのハナ肇の親分肌キャラと同時に、渡辺プロダクションの渡辺晋と美佐の夫婦への共感だったらしいことがうかがわれ、なんとなくうれしい。若い頃にはあんなに渡辺プロを嫌っていたのにザ・芸能界って感じでしたから)。

黒澤明に対して、とても批判的な発言をしているあたりも植木等らしい。王様は裸だと、同じ東宝の巨匠に対してきちんと言える人だったわけだ。

彼らのライブを、わたしたち世代が見ることはなかったのはいかにもさみしい。戦後のジャズミュージシャンたちの交流がとにかく面白い年代記でもある。いきなり秋吉敏子が出てきたのにはびっくりです。

植木等伝「わかっちゃいるけど、やめられない!」 (小学館文庫) 植木等伝「わかっちゃいるけど、やめられない!」 (小学館文庫)
価格:¥ 600(税込)
発売日:2010-03-05
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日本の警察~その51「SP」 フジテレビ

2012-12-02 | 日本の警察

Spimg02_2 その50「機龍警察 自爆条項」はこちら

映像志向が強いとはいっても、作家の金城一紀の、警察のなかでも地味な存在である警備部警護課をモデルにした企画にGOをだした人間がまず偉い。

この冒険はみごとに成功した。テロリストとの駆け引きと同時に、マルタイと呼ばれる警護対象者との因縁まで描けるので、ドラマ的に豊潤になっている。ま、どうしたって金城脚本が優秀だからこそ成立したんでしょうが。

役のために肉体を改造してムキムキになった岡田准一と、JAC出身の(あまりアクションシーンはないけれど)堤真一の「フライ・ダディ・フライ」コンビが、いかにも運動神経がよさそうでけっこう。

ちょうど5年前のドラマ。だからいま見ると自然だけれど、ヒロインに真木よう子を起用、ってのは当時としてはリスクのでかい話だった気がする。その美しさと同時に巨乳っぷりにみんなびっくり。もちろんわたしもびっくり。作り手の側もびっくりしたのか、わざわざ胸を強調するようなシーン(手錠緊縛)まで用意してあります。

演出スタイルはテレビドラマを逸脱していて、完全に映画寄り。特に、セリフを前面に出さないつくりはみごとだと思った。一人ひとりの俳優が一つひとつのセリフを交互に提供しあう(あるいは怒鳴りあう)“テレビドラマ”がいかに現実と遊離しているかをむしろ実感させてくれる。

ついでだから言っておくと、似たスタイルの山口智子復帰作の低視聴率があげつらわれている。ほんとに芸能マスコミってひどいな。そんなものを承知で(ドラマが現状のままでいいはずがないと)是枝裕和を起用した関西テレビの勇断をこそ称揚しなければならないのに。

ま、それはともかくSP。特に面白かったのは“陽気な殺人者たち”(名前がジョン、ポール、リンゴ、ジョージ)が活躍する後半。そしてそいつらがラストで……うん、うまい。映画版を見ようって気にさせてくれます。

ということで映画版につづく

Spimg01_2

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今月の名言2012年11月号~人事異動ふたたび。

2012-12-01 | 国際・政治

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YouTube: Helen Merrill with Clifford Brown / You'd Be So Nice To Come Home To

2012年10月号「生えました」はこちら

「彼を読売新聞の人事担当専務にすりゃあ、読売新聞はもっと部数売れるんじゃないか」

……もうやめようと思いつつナベツネ語録。日本シリーズにおける原監督の采配を絶賛して。ギャグだとすればたいしたものだ。だって、かつて「読売グループ内の人事異動」だとして契約の残っていた原を切り捨てた当人がこんなことを。いたって元気な方のようだが、記憶力の減退は隠しきれないのか、お顔の皮がひときわお丈夫なのか。

「リベラルを支持する人たちの受け皿がなかった」

日本未来の党の賛同者リストに(知らないうちに)載せられていた鳥越俊太郎氏の結党によせてのことば。

今度の総選挙ほど各党の攻防が面白い選挙はまずあるまいと思う。まるで将棋か囲碁のようだ。政治部の方々はうれしくてたまらないだろう。わたしなりの解釈はこうだ。

・民主党……政権交代が党是だったので、目標を達成した途端に政治的な違いがむき出しになった。

・自民党……与党であることが仕事だった党なので、野党暮らしに耐えかねて維新寄りの、つまり極右寄りにシフトした。

・日本維新の会……他者を攻撃することには長けていても、老人の暴走を制御できない。

・みんなの党……かろうじてプライドが残っていたことを維新との関係で。

先日は酒田に維新の橋下代表代行がやってきて、500名もの聴衆を集めていたとか。もっとも、少なからぬ人たちが米沢から追っかけて来たのだそうだが。その熱気は、やはり侮れないだろう。支持者たちを冷静にさせないように、投票日まで過激な他者攻撃はつづく。

マスコミが喜ぶほどには国民は踊っておらず、低投票率が予想されるなかで新しい党が貌を見せたことは確実に朗報だろう。変なのもいっぱいくっついているので油断はできませんが。

本日の一曲は“お風呂のなかでなら、誰でもヘレン・メリルになれる”(片岡義男)の「You'd Be So Nice To Come Home To」

2012年12月号~「皇后によろしく」につづく

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