事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!2015年6月号 海の男と呼んでくれ2015

2015-06-18 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2015年5月号「現給保障2015」はこちら

T島小中学校のみなさん、訪問時の対応ありがとうございました。やっぱりわたしもT島職員のはしくれ、実際に行くのと行かないのでは事務の気合いが違いますので。

今年も波は穏やかで、波高50㎝以下の場合のみ海の男を名のる学校事務職員としては「神様はやっぱりいい子を見てるな」とにんまり。しかし帰路、出港していきなり定期船とびしまの船長がアナウンス。

「ただいまトラブルのため、右側のエンジンが止まっております」

左側のエンジンだけが動いている?ということは………このまま飛島を延々と周回するということなのかしら。へたをすると漂流してしまい、北の方の国へ流れ着いてしまうのではっ!

もちろんそんなことはなくて、15分遅れただけですみました。7年もT島を兼務する海の男として、うろたえたのがお恥ずかしい。

さて、今日はT島に勤務している人たちに支給されている「へき地手当に準ずる手当」について説明します。

さあ明細書を見てみましょう。いちばん左側中段に「準へき地手当」という欄があります。そこの数字がこの手当。いくら出ているかというと

(給料の月額+教職調整額+扶養手当の月額)×4%

ただし、T島に来て6年以上勤務するとすれば(ごくろうさまです)2%に減額されます。

どういう理屈かというと、この手当はへき地に該当する学校に異動するにあたって、住居を移転した職員に支給するというもの。だからT島に辞令が出る前から居住している人には出ないのです。

そんな人がいるのかって?います。それは、その年の3月30日で雇用期間が一度切れ、ふたたびT島に4月1日から雇用された職員……そうです。講師のF山くんふたたび登場。彼だけは支給されていません。

赴任旅費は改善されたけれども、この部分はまだまだです。泣くなF山。

2015年6月号PART2「受話器の向こう側で」につづく

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海の男と呼んでくれ2015PART2

2015-06-17 | 旅行記

PART1はこちら

帰る日にマリンプラザの2階に開店したレストランに寄り、あまたあるアイスを物色。みんなで色んな種類のをひとつずつ買っている。

わたしはめんどくさい中年なので

「で、いちばんおいしいのはどれ?」

と店員の青年にストレートな質問。

「これですかね。」

と、いちばん意表をついたのをリコメンド。

「………………ほんとに?」

「ほんとです」

「しょっぱくない?」

「だいじょうぶです」

風の吹く涼しい日陰で食べてみる。

「しょっぱいじゃんかー………………あ、おいしい。」

青年、疑ってわるかった。

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海の男と呼んでくれ2015

2015-06-16 | 旅行記

ということでちゃんと行ってまいりましたよ今年も、飛島

上の写真はかの有名なトビシマカンゾウ。

そして下の写真は、かの有名な(だと思う)「しまかへ」のカレー。

ちゃーんと行ってきたことがこれでおわかりかと(どうしてアリバイを主張しているんだろう)。

PART2につづきます

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生け垣をやっつける。

2015-06-14 | 日記

こんなに苦労したんだからFacebookだけに投稿したんじゃもったいない。

汗だくだくだし、ビールがぶ飲みだし、今でも二の腕(ってどの部分?)がピクピクしているし。

ヘッジトリマーはあらゆる工具のなかでいちばん偉いと思う一日です。

ちょっと曲がってるあたりは勘弁して。

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これでいいのか山形県PART16 酒田VS鶴岡

2015-06-13 | 学校事務職員

 

PART15「庄内」はこちら

まず想像してみてほしい。ほぼ人口が拮抗しているふたつの市がその地方にふたつある。その時点でお互いを意識するなという方が無理。かたやお武家様の街で、かたや商人中心の町。かたやおっとり、かたや荒くれ。合うわけがない(笑)。

かつて「きれいな手で」で特集したように、わたしが新規採用されて最初に赴任したのは鶴岡の中学校だった。そこに勤務しているのはほとんど鶴岡市民。そこにただひとりだけ、酒田出身の先輩がいて、わたしへのアドバイスはため息まじりなものだった。

「鶴岡の人たちとうまくやっていくのは大変だよ……」

彼はその後、婿入り先の藤島(現鶴岡市)で壮絶な殺人事件を起こしたので、この言葉は意味深でもある。

その学校には北海道からやってきた女性も勤務していた。しかも根室の遠洋漁業に出る荒くれ漁師の娘。お母さんといっしょに鶴岡駅に降り立ち

「~しやぁ」「~しやぁ」

というおっとりした鶴岡弁を聞いて

「ここでやっていけるかい?」

お母さんは本気で心配したそうだ。それほどにおっとり。わたしも調子くるったっけなあ。

学校事務職員の仕事でも酒田と鶴岡では勝手が違うような気がする。あくまで一般論、あくまで印象で語っちゃうんだけど、鶴岡の方がはるかに職員に優しい仕事をしている感じ。ものすごくご奉仕もうしあげているというか。

逆に、酒田の方はつっけんどんな感じ。怖がられているというか。印象だけだけどさ!つっけんどんの代表選手のわたしだからそう感じるのかもしれないけれども。

わたしは鶴岡をわずか一年間で出たので気づかなかったが、事務職員としてのスタイルを確立したあとで酒田と鶴岡を往復する人事だと、やはりきつかったはずだ。

さて、仕事以外の面ではどんなものだろう。以下次号

画像は、鶴岡出身で酒田南高校卒、そして専修大学に進んだ長谷川勇也。こりゃ、応援しなきゃ。

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日本の警察 その78 志布志事件

2015-06-12 | 日本の警察

その77「違法捜査」はこちら

選挙違反で摘発された住民たちは困惑する。なにしろまったく身に覚えがないので。しかし刑事は絶対にやったに違いないと恫喝。この本でははっきりと断定はされていないが、現職県議のブレーンが、ある意図をもって警察にガセネタを提供したことがうっすらと察せられるつくりになっている。

捜査を主導したのは志布志署長と、鹿児島県警のなかでエリートとされる捜査二課(知能犯担当)の警部。彼らふたりは、とても優秀な警察官だとそれまで見なされていた。勘が鋭く、名刑事だと。しかし裏を返せば、見込みが違った場合にはこの事件のように悲惨なことになってしまう。彼らは自分たちの描いた構図に現実を当てはめ、無理矢理に立件したのだ。

しかし捜査する刑事たちも途中で気づき始める。わずか十数名の票を“買う”ために二百万近い金を出す値打ちがあるのか。その金をねん出した形跡も使われた形跡もないのだ。これはひょっとして無理筋なのでは?と。

それでも、止まらないのだ。

日本警察の最大の欠点がここにある。上の決定は絶対で、それに刃向かうことは許されないとする風土。この事件の捜査においても、異論をはさんだ捜査員は捜査本部を外されている。

鹿児島県警といえば、日本の警察を作り上げた薩摩藩士、川路利良初代大警視のおひざ元。東京都の警察(つまり警視庁)などをのぞけば他県よりもワンランク上の存在と見られている。いわば日本の警察の象徴。そこで起こったこの陰惨な捜査は、だから重い意味を持つといえるだろう。

救いは、この事件をすっぱ抜いた朝日新聞の熱意と、命を賭して事件に取り組んだ弁護士がいたこと。そして取り調べの可視化が検討されていることだろうか。どんな理屈があるにせよ、可視化、しかも100%の可視化は絶対に実現するべきだとつくづく思い知らされた。

さあ夜だ。ノックの音がする……

その79「やがて警官は微睡る」につづく

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日本の警察 その77「志布志事件 でっち上げの真実」 梶山天著 角川文芸出版

2015-06-11 | 日本の警察

その76「機龍警察完全版」はこちら

もしもあなたの家に、刑事を名のる人間が複数名やってきて、「明日、署に来ていただけませんか」と言われたとする。なにも心当たりがないのに、とりあえず任意で出頭すると「このあいだの県議選で現金を配った(受け取った)だろう」と指摘される。

絶対にやっていないし、根拠のない話なのだから簡単に否認し、すぐにうちへ帰れると思うでしょう?でも警察はこんな手を使うかもしれない。

・「早く正直なじいちゃんになって」と家族からのメッセージに見立てた紙を取調室に置き、刑事が両脚を持ってその紙を踏みつけさせる「踏み字」を強いられる。

・「(買収を)認めれば逮捕はしない」と言われ、窓を開けて大声で罪を認めさせられる。

・「否認をつづけると家族も全員逮捕する」と恫喝される。

・勾留がひたすら長期化し、他の人は認めたぞと言われつづける……

こんな状態で、ずっと否認する自信がおありだろうか。これらすべてが、鹿児島県志布志町で行われた。いわゆる「志布志事件」である。

あからさまなでっちあげであることは聞いていたけれど、まさかここまでひどかったとは。「違法捜査」は、冷静な筆致で事件の異様さと背景を描いて見せている。これが平成の世にあった事件なのかと気が遠くなった。

事件の発端はきわめて政治的だ。ガチガチの保守王国鹿児島の県議選。定数3を自民党現職が独占することが当然だった曽於郡選挙区に、ひとりの新人が立候補する。その新人は結局3位で当選するのだが、県警のある警部が、ある現職県議と情報交換していたことがのちにわかる。そして、新人議員のまわりを警察が動き始める。

しかしその議員は容疑を完全否認したために(なにしろアリバイまであったのだ)、容疑は、今度は志布志町のある地域の住民になぜかシフトする。以下次号

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これでいいのか山形県PART15 庄内

2015-06-09 | まち歩き

PART14「合併破談」はこちら

さあいよいよわたしの地元、海っぺりの庄内地方を特集しましょう。「これでいいのか山形県!」で、庄内人の気質はこう解説されている。

・明るくてサバサバしている

・おっとりしているが荒っぽい

・酒田民は一か八かの商人気質

・鶴岡民は手堅くコツコツ

・知的で先進的

・山形県民の感覚が薄い

・派手好み

……まあ、血液型占いみたいなものだからそうこだわらなくても……当たってるじゃん!(笑)特に、県民意識が希薄ってあたりはぴったりだ。まあ、それは地勢的な要因があったからだけれど、内陸の方々と“同郷”って感じはあまりしない(かなり怒られそうだ)。

ムックはさらに

「全県で話を聞いてみて、巷間いわれている『庄内人はとにかく社交的』がよくわかった。村山人は比較的おしゃべりだけど、庄内人の方が思ったままを放言する感じ。そのしゃべり方は、ボソボソと口ごもる最上人と真逆ではっきりしているし、置賜人のように理屈っぽいことも言わない」

これ、ほめられてるんだよな。ただ、注意書きもある。

「世間でステレオタイプに語られる『明るくて社交的』な庄内人気質は、酒田民のことを指しているんじゃないかと思うのだ。酒田民と比べると鶴岡民は圧倒的におとなしい」

……当たってるじゃん!(笑)ああ怒られそうだ。双方から。

これは考えてみると簡単な話で、酒田と鶴岡では町の成り立ちが全然違っている。鶴岡は酒井家の居城が中心の、はっきりと城下町。酒田は本間家に代表される商人の町で、その中心は港だ。だから鶴岡人はプライドが高いし、酒田人は荒っぽい。だから気質の「おっとりしているが荒っぽい」において、おっとり方面は鶴岡が、荒っぽい方面は酒田が担っているというわけ。

さて、このふたつの町は、実は相当に仲が悪い。以下次号

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明細書を見ろ!2015年6月児童手当号 子役

2015-06-08 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Jerry Maguire

2015年2月児童手当号はこちら

さあ、今年も児童手当の現況届の季節がやってまいりました。あなたがやることは市役所に行って

①住民票謄本

②あなたの最新の所得額証明書

③配偶者の最新の所得額証明書

をとることです。ついでに、扶養している家族の分をいっせいにとると、扶養手当の確認(7月の恒例行事)の時に便利です。

そして、添付の書類は「子育て世帯臨時特例給付金申請書」。去年子どもひとり当たり1万円もらえたあれです。今年は3000円とスケールダウン。まあ、消費増税の激変緩和策ですからね。

ということでこの申請書に記入していただき、事務室に上記の書類といっしょに(別でもかまわないけれど)提出してください。教育事務所が証明印を押して返してくるので、今度はそれを持って市役所に行けばOK。

ほんとうは教育事務所に6月22日までに送る〆切。でも、どうせみんな地区中総体の振替休日に役所に行くでしょうから、校内〆切を6月25日に勝手に設定。そうです。この学校の事務職員はそういうタイプなんです。

ということで本日のあなたの児童手当支給額は0,000円です。

自分の子どもを、早くから芸能界に入れたがる親はけっこう多い。水谷豊風間杜夫のように大成すればけっこうだが(あ、美空ひばりという怪物もいた)、その逆の例の方がはるかに多いのに。彼らの“余生”はあまりに長い。でも、子役でしか達成できない愛らしさが芸能に必要なのも事実。わたしの大好きな「ザ・エージェント」のガキンチョは、はたして今なにを……

2015年10月児童手当号「少子高齢化とは言うけれど……」につづく

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「桂吉坊がきく藝」 ちくま文庫

2015-06-07 | 芸能ネタ

芸談というのは、基本的に“師匠”が“弟子”に伝えるのが本筋。

もちろん高名な評論家が、注釈を入れながら半生を語らせるのも趣があるけれども、基本は、まだ拙い芸しかもっていない年少者に語り聞かせる芸の真髄(コツ、と言ってもいい)を伝授するものだ。その語り方に芸があるのが真の師匠というべきで、桂米朝が文字どおり人間国宝だったのは、知的で、外から落語をとらえる視線を持っていたからだろう。わたしが立川談志を苦手なのは、芸そのものよりも、人間談志が目の前に立ちふさがっているからだ。

この書における“弟子”は桂吉坊。米朝の孫弟子にあたる。童顔ここにきわまれり。この童顔は対談における一種の武器として作用しただろう。



小沢昭一、茂山千作、市川團十郎、竹本住大夫、立川談志、喜味こいし、宝生閑、坂田藤十郎、伊東四朗、桂米朝という偉大なる芸人たちが、吉坊に藝の真髄を遠慮会釈なく語っている。

対する吉坊も、この若さでどうしてこんなに古典芸能に詳しいのかと思ったら、中学を卒業したらすぐに落語家になりたかったのに、とりあえず高校は出ておけということなので、大阪府立東住吉高等学校に入学。なんとここには日本初の芸能文化科があるのだ。夢のような高校!

わたしがおそれいったのは市川團十郎のくだりだ。彼の遺言として読んでみてほしい。

「團十郎さんは、たとえば『毛抜』の粂寺弾正ですとか、『暫』の鎌倉権五郎のような人間離れしたお役をされるときに、役になりきるというような感じなんでしょうか。それとも、自分は自分としてあって、役は役というような……」

「そうですね、第三者的になることは結構多いですね。今は、役になりきったほうがいい舞台みたいに言われるけれども、歌舞伎の場合はそうでないほうがいい部分もあります。自分を冷静に見ているというか、やりながら、肉体を人形のように見るのですね。精神が後ろから見ていて、お前何やっているんだ、もう少しこうやればなんて、叱咤激励することによってその人形が動くみたいなね、文楽じゃないけれども、そういうところがあると思います。自分がなりきっちゃうと、そういういうことができなくなる。お芝居の中での揶揄する言い方ですが、『あれは車輪だから』と、こういう言い方をします。」

「車輪?」

「車輪。もう夢中になって一生懸命やっていると『車輪だよ』と言われるんですね。でも車輪でやっているほうが、なりきって泣いて笑っているほうが、当人は気持ちいいんですよね、間違いなく。一生懸命もうこれ以上ないみたいな気持ちで、『どうだ』とやっていると、お客様がシラッとしている場合がある。」

……これは、藝だけじゃなくて、わたしたちの生活にも言えることですよね。車輪になってる人って多いじゃないですか。にしても、まだ若い落語家の吉坊に、この連載をまかせた今は亡き「論座」の編集者も藝があるなあ。



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