事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

森友学園事件PART3

2017-03-08 | ニュース

PART2はこちら

娘の引っ越しのために米沢に行ったとき、その部屋でワイドショーを見ていたら、森友学園が特集されていて、これがとんでもなかった。

驚かされるのは、この園には数多くの退園者がいることだった。その原因としてわかりやすいのが卒園アルバム。およそ2万円するこのアルバムを、園に在籍する全員が購入することになっている。卒園生全員、じゃないんですよ。在籍する全員。ある保護者が

「卒園するわけでもないし、自分の子もほとんど写っていないので」

と購入しない意思を伝えたら

「買うことになっています」

の一点張り。それでも拒否すると

「あなたのお宅だけですよ」あるいは「ケチ」と批判され、しまいには退園を促されたという。

別のケースも。

PTA会費の使途について質問すると

「適正に使っている」

的なニュアンスではぐらかされ、なおも追求すると、やはり退園を促される。繰越がきっちりゼロになるなど、(かなり困窮しているであろうことを差し引いても)不透明な会計だし、監査はどう機能しているのだろう。

この学園の異様さが表沙汰になったのは国有地の8億円にもおよぶダンピングが契機。8億はピンとこなくても、毎年2万円の出費は(複数在籍すれば人数分だ)皮膚感覚として

「この学園はやはりおかしい」

と感得できるはずだ。ワイドショーではもちろんそのあたりを突っ込んでいたが、必死になってフォローにまわっているコメンテーターもいる。そのあたりは次号で

本日の1本は「ブルースチール」。キャスリン・ビグローは「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」と同様に観客の神経をギリギリに締め上げる。青い鉄、とは拳銃のこと。緊張をほぐしてくれるのは主演のジェイミー・リー・カーティスお母さん以上のすばらしい肢体のみ。製作はオリバー・ストーンだったのかぁ。

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「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」Miss Peregrine's Home for Peculiar Children

2017-03-07 | 洋画

つくづく、見逃さなくてよかった。大好きなティム・バートンの作品なのになぜか食指が動かず、このままスルーしようか……いやいや、やはりあの「ビートルジュース」や「ビッグ・フィッシュ」のような“ひねくれ者の祝祭”的映画になっていたらくやしい。

でもほとんど事前情報もないしなあ。知ってるのはティムが監督だということだけで……んなにぃいいいい、主演が「カジノ・ロワイヤル」のヴェスパーだったエヴァ・グリーンだってぇ!見るに決まってるだろ。妻の不在をいいことに最終回の映画館へ。

おっといきなりテレンス・スタンプ登場。孫に向かってホラ話、という展開はおなじみ「ビッグ・フィッシュ」のもの。だけでなく、この映画にはいろんな作品のエッセンスがこれでもかとつめこんである。

シザーハンズそのもののオブジェが出てきたかと思えば、「(タイム・ループの場所は)ロンドンの地下鉄にもあった」なんてハリー・ポッターをおちょくったネタ、白鯨かタイタニックがイメージされるシーンで胸をわくわくさせてくれもする。

観客の誰しもが気づくのは「X-men」との相似だろう。あちらはミュータントであることのつらさ苦しさが基調音。けれどミス・ペレグリンの館にいる奇妙なこどもたちは、過剰に自分の身の上を嘆いたりはしない。持てる能力を使い切り、悪の勢力を駆逐する展開は素直に楽しい。

特に、鉛の靴をはいていないと宙に浮いてしまう女の子の造形は、性的妄想の産物そのものではないかと思う。

エヴァ・グリーンとジュディ・デンチの起用は、ジェイムズ・ボンドが「女性に庇護される存在としてのヒーロー」だったあたりを狙ったのだろう。「カジノ・ロワイヤル」では悲しい存在だったエヴァに盛大にパイプをくゆらせ、鳥に変身させるあたりも確実に性的妄想。

絶対にこどもに見せてはいけない、ダークでいやらしいお話。ああ妻がいない日でよかった。

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森友学園事件PART2

2017-03-06 | ニュース

PART1はこちら

あの奇矯な理事長(副園長なる人物はもっと変わっているようだが)をとりまく面々として、首相、首相夫人、鴻池祥肇(よしただ)元防災担当相、まだ名前は出てこないが超右翼政党元代表とか、いやはや似た肌合いの人たちは集まるものなのだなとつくづく。

野党の追及に逆ギレし、都合の悪い質問には「朝日か!」と身構え、余裕もないくせに薄ら笑いを浮かべて内心の怯えを隠し、夜はマスコミを徹底して懐柔にかかる……おなじみの手口。

にしても、むかしの鴻池の発言はこうだった。

「(長崎における幼児殺害事件の加害者の)親なんか市中引き回しのうえ、打ち首にすればいい」

それと今回の

「無礼者!」

と理事長夫妻に“こんにゃく”を突き返した時代劇そのままなセリフの呼応。

どう考えても国会で暴露されるより先に自分から明かさないともたない、とあせっていることが見え見えなのに、だからこそ大仰で安っぽいセリフで身を守ったつもりでいる心性。日本の保守(というより極右)政治家がここまで雑だとは。

首相夫人はもっとあからさまだ。講演のなかで

「この幼稚園でやっていることはほんとうに素晴らしいのですけれど、それがこの幼稚園が終わってしまって普通の公立の学校に行くと、普通の公立の学校の教育を受ける。せっかくここ(塚本幼稚園)で芯ができたものがまた(公立)学校に入った途端に揺らいでしまう。」

公立の学校に勤務するものとして、一国の首相の配偶者がこのような考え方をしているとはとため息が出る。家庭内野党?夫よりも極右な性向の持ち主ではないか。以下次号

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おんな城主直虎 第9回 桶狭間に死す

2017-03-05 | 大河ドラマ

第8回「赤ちゃんはまだか」はこちら

前回の視聴率は13.4%と予想に反して持ち直している。橋田壽賀子パターンがみんなお好みなのかしら。

今回は桶狭間なので、“いかにも大河”になるかと思ったら、主人公が歴史的大事件をどう受け取ったかだけ、というお話になっている。関ヶ原の戦いが1分にみたなかった真田丸的展開をトレースしているわけね。春風亭昇太演ずる今川義元瞬殺

それはそれでありだろうけれど、昇太の大芝居を見てみたかったような気もする。彼は完全な新作派で、古典落語偏重マニアへの憎悪をむき出しにする噺家。でも、だからこそ彼の古典は聞き応えがあってすばらしいので一度聞いてみて下さい。もっとも、「芝浜?よそう……かーっ、(恥ずかしくて)できないって!子別れ?子どもどころか結婚もできないのに!」なので定番はなかなか聞けないですけどね(笑)。

井伊家の跡目相続は微妙な話になっている。政次が井伊家の実権を握ろうとしていると思った奥山朝利(でんでん)は、いきなり政次に斬りかかり……高橋一生はan-an恒例のsex特集で巻頭を飾るなど、人気がこれから爆発しそう。書店で思わず買いそうになりましたが、中年男がいくらなんでも。

でんでんも今回でお役御免。考えてみれば、吹越満とともに「冷たい熱帯魚」で壮絶な殺人劇を見せてくれたふたりが共演してたわけだ。

「こいつ、子どもの頃にダッチョだって言ってたけど、傷は残ってるもんだなあ」

「ついでに包茎も切ってやっか」

どんなシチュエーションで語られていたかは大河ファンは知らないほうがいいかも。

桶狭間という誰もが知る大河的イベントを扱っている(扱っただけですけれども)だけに、視聴率は14%あたりと読みました。っていうかこれからこの大河はどうなるんだろう。家康中心?

第10回「走れ竜宮小僧」につづく

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森友学園事件PART1

2017-03-04 | ニュース

「宣誓! あついあつい夏がすぎて、ぼくたち、わたしたちの待ちに待った、平成27年度秋の大運動会がきました。先生と、お友だちといっしょになっておけいこをした、おゆうぎ、音楽、体育、かけっこなど、今日一日、がんばります。

おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさんの前で、ほめていただけるよう、全力をつくします。

大人のひとたちは、日本が他の国に負けぬよう、尖閣列島・竹島・北方領土を守り、日本を悪者として扱っている、中国、韓国が、心を改め、歴史で嘘を教えないよう、お願いいたします。

安倍首相、がんばれ! 安倍首相、がんばれ!安保法制国会通過よかったです!ぼくたち、わたしたちも、今日一日、パワーを全開します! 日本、がんばれ! えいえいおー!」

……もはや紹介するまでもなく、森友学園が運営する塚本幼稚園の運動会選手宣誓。もう何度も見たせいか、軽く流してしまいそうだけれども、これはしかしすごい内容だ。もちろん、園児が自発的に安保法制に賛成し、おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさんに同意を求めているというなら、困った子だとは思うがありえない話でもない。

しかし、これは明らかにこどもへの刷り込み効果を狙ってオトナがつくったものだし、高らかに宣誓させることであの理事長が悦に入っていたかと思うと気が重くなる。

でもわたしが驚いたのは、理事長が退園した保護者(大陸系)について

「おぞましい」

とコメントしたことだ。教育者としてあるまじき、なんてレベルではなく、怖い、と思った。彼は自分の心に忠実にコメントし、そして自分のおぞましいそのコメントが世間に受け入れられると確信していたのだ。

カルト。

わたしがこの学園についてまず感じたのはこの言葉だ。まわりがまったく見えず、自分の世界に安住する狂信者たち。そうでも考えないとおよそ理解できるものではない。そして、国政にはこの考え方を是とする勢力が驚くほど多く存在することがあからさまになった。この事件の核心はそこだと思う。以下次号

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今月の名言 2017年2月号PART2 笑えないジョーク。

2017-03-02 | ニュース

PART1「オスカーを抱きながら。」はこちら

「放射能の影響で(体が)大きくなった」

LIXILの社長、瀬戸欣哉社長が山本環境大臣に立派な体格であることをほめられて……よくわからない。瀬戸氏は報道陣に意図を質問されて

「体重が多くなってしまったことの妻への言い訳だった」

ますますわからない。対する山本大臣は

「発言に気付かなかった」

……なんだろう、この雑さは。

「放射能を浴びているから電気を消すと光ると思った」

これもわからない。関西学院大学の40代外国人非常勤講師の発言。
教室の電気を消し(ここでまずどんな英語の授業だったのか不思議)、日本語と英語で福島県出身の女子学生に

「(フクシマ出身なのに)光らないな」

と語ったという。学生は大学のハラスメントセンターに相談し、しかしその後、授業を休むようになっている。

「電気を消したことは覚えていないが、発言は間違いない。冗談のつもりだった。女子学生に謝罪をしたい」

またしても、雑な発言。この講師は新年度の任用を辞退し、大学側も雇用する意図がないとしている。

……この人たちにとって、東日本大震災とはなんだったのだろう。福島第一原発の事故とはなんだったのだ。あれからまもなく6年になる。6年も経ったととるか、6年しか経っていないととるかは人によって違うだろう。しかしいずれにしても、心の底に被災した人間を軽く見ている根性がかいま見えて気が遠くなる。

それからね、冗談のつもりだったというのがこういう時の常套句になっているが、ユーモアのセンスのない人の出来の悪いジョークはヘイトスピーチよりもたちが悪いぞ。それだけは言っとく。あ、彼らは自分のセンス・オブ・ヒューモアの欠如に気づくセンスもないか(T_T)

2017年3月号「図書館ってなに?」につづく

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