2月連休篇はこちら。
さあ春休みだ。忙しい忙しいと言ってもラーメンはいただきますよ。でも、夏休みと違って忙しすぎて遠い店には行けないのよね。チャリ通だと特に。
2月から何が変わったかというと、人事異動もないので何にも……いやいや、せっかく見つけたしゅんか食堂が休業に入っていたのはびっくり。鶴岡の英(ひで)がおいしいことも判明したけど、さすがにあそこまで行くことは……いや、おれならあり得る。
まずは哲でこってり味噌。冬季限定のはずだけどまだやってます(笑)。どんなときも営業していて、どんなときも一定の混み具合ってのはありがたいありがたい。ちゃんと新聞読めましたし(わたしは新聞か週刊誌がないと悲しくなる)。
つづいてかめちゃん。武道館(大きなタマネギじゃなくて酒田の)で免許の更新講習を受けてから(ゴールドだから30分で終了)、流れ流れて前任校の学区まで。煮干しと背脂の選択肢があって、きのうはこってりだから……
「背脂お願いします」
わたしはこの春休みでどれだけリバウンドするのかしら(^_^;)
Vol.02「味好本店」につづく。
Sade - Smooth Operator - ( Alta Calidad ) HD
PART1はこちら。
名古屋市教育委員会は16日、文部科学省が名古屋市立中学校で講師を務めた前川喜平・前事務次官の授業内容や録音データの提出を市教委に求めていた問題で、同省からの要請メールを公表した。前川氏が組織的天下り問題で処分を受け、次官を辞任したことなどに触れており、同氏の動きを警戒する文科省の姿が浮かび上がった。
同メールで文科省は前川氏を招いた経緯や狙い、目的、交通費や謝金の支出の有無、保護者の反応など15項目について、期限を区切って書面回答するよう市教委に要請。前川氏が次官を辞任したことだけでなく、「報道などにより、いわゆる出会い系バーの店を利用」したことなどに言及したうえで、「道徳教育が行われる学校の場」でなぜ同氏に依頼をしたかを「具体的かつ詳細に」示すよう求めた。【毎日新聞】
まず、この記事を読んだときに、ありうる話だよなあと思った。文部科学省とは基本的に国家統制色がとても強い役所だからだ。質問された名古屋市教育委員会にとって、恫喝的に受け取られるのは承知の上だったはず。
しかし、前のトップで、しかも天下り云々で職を辞した人間に役人がここまでやるだろうか。
疑問はすぐに氷解した。
地元の自民党の議員たちが文科省をせっついたのだ。加計問題などで目障りな、そして読売が出会い系バーを持ち出して失墜させようとしたのが裏目に出て、反アベのアイコンとなった前川氏を講師に呼ぶとはなにごとだと。
しかもその質問をごていねいに添削までしたという。おそらくは期限を区切るあたりの文言か。あるいは「具体的かつ詳細に」の部分か。
この問題では、名古屋市教委が文科省とのやりとりのメールを公開するなど、毅然としたところを見せたから公になった。これから当の自民党議員への風当たりは強くなるだろう。アベ一強のなかで、陣笠議員が忠誠を誓って見せた事件なわけで、与党議員の質が(前号の和田某も含めて)はてしなく低下していることが読み取れる。
そして、そんな低レベルの議員にすら官僚は忖度しているのだ。さあ次回はいよいよ佐川宣寿・前国税庁長官の登場。
本日の1曲はシャーデーの「スムース・オペレーター」。美人のひとつの典型として“シャーデー顔”ってありますよね。わたし、大好きです。
スローバラード RCサクセション 生活向上委員会
「子連れですがなにか?」篇はこちら。
「アベノミクスをつぶすために、安倍政権をおとしめるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないか」
本日の衆院予算委員会において自民党の和田政宗議員が太田理財局長に向かって。彼が民主党政権時代に野田首相の秘書官をしていたことをとりあげて。和田議員はさらにこうも“質問”した。
「財務省は官邸にウソをついた」
「政治が隠蔽をこじ開けた」
……いったい何だろうこれは。おそらくは国会が近年まれに見るほどの注目を浴びているなかで、こんな嘘が平然とまかり通っているのだ。そして、見ている側も嘘だと承知していることを知っていても、現政権の特徴として強弁はつづける。体質なんでしょう。まことに救いがたい。
わたしは今回の改ざんがらみでこの政権が倒れることはあるまいと思っている。なぜなら、支持率が下がったと言ってもまだ3割はこのお粗末な内閣を支持しているのである。あなたのまわりに、この内閣を支持していると大声で主張している人はいます?まずいないはずだ。でも、世間の気分は安倍晋三を支持している。
第二次安倍内閣になってから、どれだけの不祥事や安全保障、特定秘密保護法関連で呆れられても、それでもこの国は威勢がいいだけの人間をトップにすえてきた。
その結果が、現在の混乱を生んでいるとわたしは思う。わかりやすくするために、ここでふたりの(元)官僚に登場願おう。
ひとりはもちろん佐川宣寿・前国税庁長官であり、もうひとりは前川喜平・前文部科学事務次官だ。以下次号。
本日の1曲はRCサクセションの「スローバラード」。サンキューエブリボデー。
生活向上委員会(略してセイコウイ)のホーンセクションも泣けます。梅津和時は元気かなあ。
Vol.11 ふきのとう篇はこちら。
鉄製の防雪柵ふた、125枚消失 窃盗の可能性
庄内5市町で防雪柵の基礎用鉄製ふた計125枚が設置場所からなくなったと、県庄内総合支庁が16日、発表した。同支庁は窃盗の可能性があるとして、被害届の提出を検討している。
同支庁道路計画課によると、酒田市漆曽根で防雪柵の撤去作業をしていた委託業者が10日午前、ふたがないのに気付いた。防雪柵を設置している管内の県道44路線142.5キロのうち、農道の入り口付近を委託業者が点検したところ、計125枚がなくなっていた。
ふたは防雪柵を撤去後、支柱との接続部分が農耕車のタイヤを傷つけないように、基礎にかぶせている。柵の設置期間中は主に、支柱に太い針金で結び付けている。1枚当たりの大きさは平均すると長さ70センチ、幅70センチ、厚さ0.6センチ、重さ45キロ。
3月17日付山形新聞
「なんで鉄板敷がねぁんがなあ」
「わざわざ土嚢入れる意味わがんね」
わたしたちは不思議がっていたが、こういう次第だったのである。写真はうちの近所のもの。最初に被害が確認された場所に近い。にしても1枚45キロの鉄板を125枚。しかも道路脇から堂々と(かどうかはわからないけど)盗むからにはよほどの手間と人手と根気が必要だったはず。
「なんでこんだどご(こんなところ)がら盗むがなあ」
「誰も通らないからだろ」さみしい結論。
前からすばらしい役者だと思っていたけれども、近年ますますその度合いが増してきて、こうなったら彼の出ている映画を全部観てやろうかと思うくらいだ。
浅野忠信。
彼の名でディスカス内を検索。それで見つけたのが「ロング・グッドバイ」(NHK)だったわけ。つづいてこの「岸辺の旅」をレンタル。
あら。監督が黒沢清だったのかっ。事前情報なしもたいがいにしないとね。
オープニング。無気力なピアノ講師の生活が淡々と描かれる。彼女(深津絵里)は“まるで死者のよう”だ。彼女のもとへ、夫(浅野忠信)が三年ぶりに現れる。静かなやりとりから、実は彼は死んでおり、何らかの理由で妻に会いに来たことがわかる。死者は夫の方だったのである。
「いっしょに来ないか。きれいな場所があるんだ」
当然のように観客は、妻にとっての死出の旅なのかなと予想する。一種の心中。岸辺の旅、というタイトルが、彼岸のことをさしていることは自明だし。
ここからしかし意外な展開に。夫は死後、新聞配達をしていた時期があったらしく、久しぶりにその新聞店をたずねる。店主(小松政夫)は気のいい男だが、ある屈託をかかえていた……
生者の世の中に、死者が意外なほど多く存在し、思い残したことへの後悔に沈んでいるという設定は、さすが黒沢清らしい。
怖くないホラーに見えて、しかしびっくりするほどのラブストーリーでもある。セックスができないルールが、夫婦の愛情を哀しく彩る。うーん、やっぱりいいな浅野忠信。そして、苦手だったけど深津絵里もすばらしい。
2018年2月号「就学援助」はこちら。
就学援助費には「新入学児童生徒学用品費」という費目があり、これまでほぼ全国で入学して3ヶ月ほどたった7月に支給していました。
しかしよく考えてみると、ランドセルや制服を購入する補助という意味合いからすれば、これはちょっと、というかだいぶ遅い。
困窮世帯にとっていちばん金がかかる時期に支給するべきなのでは、と文部科学省は今年度から、要保護世帯(生活保護受給世帯)の新入学用品費を入学前に支給するよう国庫補助の予算措置を変更しました。
この変更は要保護世帯の小学校入学時だけですが、これを機に多くの市町村が準要保護、そして中学校も入学前支給に舵を切ることになりました。
酒田市もそのひとつ。平成30年度入学の小学生、中学生がいる世帯に入学前に支給することが今月初旬の市議会で可決され、いまその作業に入っているところです。
わたしが「負けた」と思ったのは、国庫補助がどうあれ、自発的に入学前支給を行っていた自治体があったことです。県内でいえば南陽市が小中、天童市が中学校についてすでに実施していました。やるなあ。
実はこの流れについては、ちょっと悔しかったんです。現場にいて、保護者と直接に対峙する学校事務職員こそが取り組むべき課題だったのではないか……なんて、ちょっといい人ぶったところで今年度の「明細書を見ろ!」はおしまい。ご愛顧ありがとうございました。
「空海 美しき王妃の謎」(2017 東宝=角川)
監督:チェン・カイコー 主演:染谷将太、阿部寛
アルカイック・スマイルをうかべ、楊貴妃がどうやって死んだのかを白楽天とともに推理する、意外なほどの名探偵空海を真言宗のひとたちは楽しんでいただけたのかしら。楊貴妃(チャン・ロンロン)の美しさは筆舌に尽くしがたい。そりゃ、国を傾けるよな。
2018年4月号「出勤簿の掟」につづく。
PART15「元禄太平記」はこちら。
1976年は「風と雲と虹と」。原作海音寺潮五郎。実はこの題材が選ばれるにあたっては曲折がある。エースディレクターだった大原誠の「NHK大河ドラマの歳月」によると……
・第十四作の担当を命じられた小川淳一チーフプロデューサーは戦国時代に的を絞り、加藤清正の生涯を描いた池波正太郎の「火の国の城」をドラマ化しようと考え、池波の了解を取りつけていた。しかし、芸能畑出身の坂本朝一放送総局長(後に会長)に「小説は面白く立派なものであるが、一年間大河ドラマとして描くには、スケールの大きさがないのではないか」と反対され、白紙に戻された。大河ドラマの企画はすでに、上層部が了承しなければ成立しなくなっていた(この時点で実は西郷隆盛も候補にあがっている)。
・小川は実は、加藤清正役として俳優座の加藤剛に出演交渉し、内諾を得ていた。改めて原作選びを始めたところ、加藤剛が「平将門に関心があり、演じてみたい」と希望した。
平将門!世間的には大逆賊。朝敵、新皇を名乗った男、首塚の人、歴史上もっとも祟りを恐れられた男、「帝都物語」で……怖そうなイメージだけれど、加藤が演じたことによって好漢の側面が強調されたと思う。
にしても加藤剛は「砂の器」で連続殺人犯、この大河では朝廷への反逆者。やっていることはエグいのに、なんかスマート。逆に言えば、他の俳優がやっていたらだいぶ印象の違うドラマになったかもしれない。
他のキャストは、将門とほぼ同時期に西国で反乱を起こす藤原純友に緒形拳。将門の幼なじみで、結果的に彼を討ち取ることになる平貞盛に山口崇、ふたりの間を揺れ動いてとんでもないことになってしまう貴族に吉永小百合。他に小林桂樹、星由里子、真野響子、新珠三千代、多岐川裕美、草刈正雄、露口茂と豪華版。
読者のひとりは、この大河が歴代ベストワンだと主張しております。脚本は「真田風雲録」など反体制の劇作家、福田善之。現在のその場所をロケしたり、原作者を登場させるなどの新機軸もこの大河から。
PART17「花神その1」につづく。
「かもめ食堂」「めがね」などの荻上直子がLGBTを題材とした映画を撮る……きっといい映画になるんだろうとは思ったけれど、そういう作品だと知っていたらはたしてディスカスしたかなあ。なんか、展開が読めるような気がしません?諦念を静かな笑いでくるみ、観客が登場人物たちに激しく同意する感じなのかなと。
ちょっと違った。
過剰なくらいに娯楽映画として成立させようという意欲満々でした。
トモは小学生。シングルマザーのヒロミ(ミムラ)とふたり暮らし。しかし母親は男と出奔。「また?」とトモは絶望する。叔父のマキオ(桐谷健太)の家に身を寄せるが、そこには同居人がいた。トランスジェンダーのリンコ(生田斗真)だ。
ヒロミは育児放棄、マキオはゲイ、そこにリンコがからんでくれば世間はやはり奇異の目で見る。世間の目の代表が、トモの同級生カイ(彼もゲイの傾向がある)の母親ナオミ(小池栄子)や児童相談所職員の金井(江口のりこ)だ。
このドラマで起こることは、きっと日本中、世界中でいつでもどこでもあったことだろう。荻上直子監督は、でも世間を徹底して糾弾しようとはしない。かといって、性的マイノリティをかわいそうなだけの人たちにもしていない。
悔しくてたまらないとき、リンコがとる行動はひたすらに編むことだ。なんと受動的な、と思われるかもしれないが、その編むものが笑わせてくれる。
ジャニーズ事務所のなかで、生田斗真はひときわ変な役を選択しているように思える。演技することが楽しくて仕方がないのかもしれない。すでに女装の域を超えているしね。
トモ役の柿原りんかの、基本的に無愛想な感じもすばらしい。おすすめの映画です。そういう人たちもいるってことを、そういう人たちも含めての世間なんだってことを、なんで許容できないかなあ。