Chic & Slash - Le Freak (Live At The Budokan)
いわゆる「老後2000万円」の報道をチェックしていて、あまりのたちの悪さに頭がクラクラしてきた。二重三重にたちが悪く、しかもお粗末な話なのだ。
まず、金融庁の金融審議会の報告書そのものがまっとうなのかどうか。岸田政調会長がいうように
「きわめてずさんなもの」
だとすれば、審議会のメンバーに、低レベルの人間しか集められず、対応した役人もそれに見合ったものだったということで、これはこれでひどい。
しかし多くの人たちが実はこう考えている。当たってるじゃないか、と。年金制度を無邪気に信奉するほうがどうかしている。報告書はそのことをあからさまにしただけだと。
内田樹が喝破した“空虚感を抱えたイエスマン”たちは、報告書も、与党も野党も金融庁も冷笑しながら、しかしいちばん馬鹿にしているのは「100年安心」と嘘をついたほうではなく、信じたほうだ。おれたちはそんなことは知っている。だから今さらカマトトぶって騒ぐなよ、というスタンスだろう。
そんな彼らが支持する現内閣だが、そのひどさはここに極まった。
まず、この金融審議会はなにを目的にして議論してきたかといえば、
“長生きするには資産形成が不可欠だ”
という主張を国民に理解してもらうため。つまりは貯蓄だけでなく、もっと投資をしろという、いかにも現内閣がよろこびそうなテーマ。その証拠として、95才まで生きているとこれだけ赤字になりますよと開陳してみせたわけだ。
まあ、もうちょっと表現の仕方はあっただろうと思うけれども、とにかく審議会は金融庁のリクエストに応えなかったわけではない。マーケットに金を注ぎ込め、成長のためなら死んでもいいだろ!と。
しかしわたしもまさか、この報告書を麻生太郎金融担当相が受け取りを拒否するとは思わなかった。自分で諮問しておいて、“不都合な真実”が含まれていて、世間が騒いだから報告書自体をなかったことにしようというのだ。
これには呆然。現内閣がいちばん怒っているのは、なんで選挙前に発表したんだということだろう。わたしたちの国はこのような人たちがコントロールしている。国が傾くわけだ。
本日の1曲はシックの「ル・フリーク」。ナイル・ロジャースのギターはわたしの血肉になっております。