2019年5月号「中国行きのスロウ・ボート」はこちら。
特殊業務手当の、第4号業務(休日の部活動)について、県教委から削減提案がなされているのはみなさんご存じのことと思います。その内容は
・土日4時間程度→3600円
これを
・土日3時間程度→2700円
に削減する、と。これはしかしなかなか苦しい話でしょう。というのも、この4号業務というのは4時間をいくら超えても3600円なのです。一日6時間やっても8時間やっても3600円。それを、支給要件を緩和したから下げるというのはいくらなんでもむちゃくちゃです。これでは県教委自ら部活動指導は時給900円の仕事なのだと主張しているようなもの。
※4時間程度、とは3時間30分以上のことと県条例で解説されています。
本来であれば勤務条件の変更に当たりますから、労働組合に提示して条件をつめるのが通例なのに、今回はいきなりズドンと提案して正面突破を図ろうとしている。これはなぜかというと、この手当に関する国庫負担金がすでに削減されているから。わたしたちは県職員ですから、給与は県の条例にもとづきます。だから全国の部活動指導手当は様々な形になっているのが筋ですが、なんとほとんど横一線。それはつまり、手当がこの国庫負担金に依っているからです。
おかげで、ほとんどの県がすでに削減されるかされる予定。山形も背に腹はかえられないという事情が透けて見えます。組合との交渉が先月決裂したのにはこんな背景が。
わたしは古い世代なので、4号業務が500円だった時代も知っています。それが次第に増額されてここまで来ました。しかし、2015年1月に2400円から3000円に増額された経緯も知っていると話はややこしくなる。
この増額は、保守系の文教族が主張した「がんばった教員にがんばっただけのほうびをやれ」という主張に沿ったものでした。つまりは彼らの大好きな成果主義。煽ったのはそっちなのに。
おまけにこの財源を生み出すために、特別支援学校勤務、特別支援学級担任の調整額を減額したことを考え合わせると、今回の削減提案がいかに理不尽なものかがわかります。
話がくどくなりますが(いつもくどいですけど)日本のスポーツの特徴は、そのほとんどが学校体育によってなされているということ。
低視聴率で評判の(笑)NHK大河「いだてん」を観ればわかりますよね(暗に見ろと言っている)。日本にスポーツを根付かせたのは東京高等師範(現在の筑波大学)の校長、嘉納治五郎(役所広司)であることがひたすら強調されています。
もちろんそれには大きなメリットもあって、日本の子どもたちが、おかげでみんな安価にスポーツにふれることができたという側面はあります。
しかし技術指導と生徒指導を両立させようという、まことにコストパフォーマンスのよすぎる状態が続いたため、OECD調査において日本の中学校教員はまたしても世界最長の勤務時間を誇るという輝かしい結果に。ここは考えどころですって。
画像は「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(2019 WB)
あの「シン・ゴジラ」を経過したあとの最初のゴジラ。生半可なつくりは許されない。でもよく考えれば無茶な話。核の恐怖の象徴だったゴジラを覚醒するために核兵器を使うとか、ゴジラの放射能を浴びた登場人物たちが平気だとか、あのオスプレイが大活躍するとか。
でも、最後の最後にあの中島春雄さん(中島精肉店の息子。初代ゴジラのスーツアクター)のショットが挿入されるなど、ゴジラ愛にみちているので見逃してあげます(笑)。みなさんお気づきですか。ゴジラの英語表記には“神”が仕込まれていることを。
2019年6月期末勤勉手当号「6月と12月(と3月)」につづく。