事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

うまい店ピンポイント 2019年忘年会篇その2 ほたる

2019-12-16 | 食・レシピ

忘年会篇その1「また富重」はこちら

富重の翌日が「ほたる」なのだからわたしは酒田ではめぐまれた部類なのかも。

まあ、自治会の役員で苦労しているんだからそれくらいはね。

で、ほたる。役員たちが夫婦連れで参加。

かつて「ゆず」だった店が、カリスマ店主にいろいろあってお弟子さんの「ほたる」に。前はもっととんがった料理だったけれど、次第に素材のおいしさで勝負の方向へ。

大正解だと思います。おいしかったぁ。

デュワーズをロックでどんどこ飲んでいたら、お店の人もめんどくさくなったんでしょうね。どんどん量が増えてくるのがうれしかった(笑)。

雲ノ糸篇につづく

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いだてん 最終回 時間よ止まれ

2019-12-15 | 大河ドラマ

第46回「炎のランナー」はこちら

ああ、ついに終わってしまった。一視聴者として、伴走者のような気持ちでゴールインできたことが素直にうれしいです。

伏線を刈り込むことが得意技の宮藤官九郎。冷水浴、カラーテレビ、ストップウォッチ(だから「時間よ止まれ」なんだ!)などを最終回にもってきて面目躍如。

しかもなんとなんと本人登場(笑)。しかも現代の車引きであるタクシードライバーとして。大河ドラマに、書いている脚本家が登場したことってあったのかな。ジェームス三木さんあたりはやってましたっけ?いちばんやりそうな三谷幸喜を市川崑役で起用していたのがここで効いている。

この大河は、金栗四三と田畑政治の物語であることはもちろんだけれど、意外なほど落語のお話だったことは記憶されて然るべきだ。

オリンピックの聖火台への点火と、富久の火事をシンクロさせるなんて大技は、作り手たちだって最初は想定もしていなかったはず。もしも実在の人物をあつかうことが多い大河でなかったら、このドラマの主役はどうしようもなく五りん(神木隆之介)だったわけであり、彼の娘が1964年10月10日に生まれたあたり、架空の人物を描くことに宮藤官九郎がうれしがっていたことがうかがえる。

さて、なによりも低視聴率で有名になってしまった「いだてん」だけれど、ちゃんと見ている人は評価していたわけじゃないですか。途中から、低視聴率をバッシングすることを喜んでいるような報道が増えて、わたしはとても残念に思っていた。

だって近ごろの世間は、高視聴率が喧伝されれば一斉に見ることになり、低視聴率なら見向きもされない傾向があるから。結果的に最後までつきあったのは、宮藤官九郎のルールを理解できた層だけ、というのはあまりにさみしい。主役たちの死をいっさい描かないというあたりもすばらしい。ラストがビートたけしのあの表情なのは最高。

何度でも言います。極私的大河ドラマ史をやっているわたしにとっても、あの「太平記」を凌駕して「いだてん」は最高の大河でした。今日は妻が実家にいたからひとりで見ていたんだけど、ずーっと涙が流れてました。テレビドラマって、実はすごいんだなとつくづく。

日本人は、まだまだ面白いことがやれるんじゃんねえ

総集篇特集につづく

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「屍人荘の殺人」(2019 東宝)

2019-12-15 | 邦画

名プロデューサーとして名をはせる東宝映画社長の市川南さんのところへは、毎日たくさんの企画がよせられているはずだ。おいしい企画はまず東宝にもっていくのが映画界の現状だから。

で、そのなかのひとつがあの「屍人荘の殺人」。ネタバレ厳禁なので秘すけれども、ありえないものに囲まれたせいで成立したクローズド・サークル内で、なおかつ密室殺人はなぜ行われたか……傑作だったよなああの原作は。

あくまで想像だけど、市川さんはこう考えたはずだ。このとんでもない原作は、実はものすごく映像化に向いている。『あれ』は映画にとてもなじんでいるし、屍人荘そのもののつくりを原作の読者は喜んでくれるはずだと。でもそれだけじゃヒットしない。この原作の、ラブコメ&コミカルな部分を“あいつら”に撮らせたら面白くなるんじゃないか……

ということで召集されたのが「TRICK」のメインライターだった蒔田光治、「99.9」の木村ひさしディレクター。そこへ「時効警察」のふせえりまで参加したのだから作品のカラーは決まった。笑えるミステリ映画だ。

その結果はどうだったか。

笑えました楽しめました(笑)。ラストで、うわあもう終わっちゃうのかと残念に思うぐらいでしたもの。

もちろん不満はある。製作費がケタ違いだから仕方がないとはいえ、ブラッド・ピットのあれの描写にははるかに及ばない。ボランティアの人たちはがんばってくれたようだけれども。

でもその分キャストがすばらしい。主役の葉村くんはもう神木隆之介以外に考えられないし、異様な行動に出る名探偵ヒロインの系図で、比留子役の浜辺美波(誰だそれ、って職場で言ったら同僚たちに壮絶にバカにされた)は、TRICKの仲間由紀恵、ケイゾクの中谷美紀、そしてSPECの戸田恵梨香に匹敵。

市川さん、続編の「魔眼の匣の殺人」もぜひこのメンバーで!

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追悼梅宮辰夫

2019-12-14 | 芸能ネタ

梅宮辰夫が亡くなったのには、やはりしみじみ。わたしにとってはどうしたって「前略おふくろ様」の秀さん。“昔いろいろあったろう”感こそが梅宮の真骨頂。実際にいろいろあったしね(笑)。

女性をたらしまくったイメージがあるので、当時の酒田市立平田中学校の悪ガキたちは

「ツガワぁ」

「ウメミヤぁ」

と色悪たちを表現していたものだった。

なにしろバカだったので、廊下で

「おう、そこの二枚目」

「あっしのことかい?」

と必殺系のやりとりをやってました。バカ。

それはともかく、彼が最期までクラウディアさん(すんごい美人だよね)を必死で守っていたのは伝わった。娘がとんでもない男と出来てしまったことに痛恨の思いでいたことも。んで、そのことをあんたは言えないでしょと全国から突っこまれていたあたりが彼の徳というものだ。皮肉ではなしに。

彼の最高傑作は文句なく「京阪神殺しの軍団」。そう言えるだけの作品がのこっているだけ幸福な芸能人生じゃないすか。わたしはそのことをうらやむ。

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「アップグレード」Upgrade(2018 パルコ)

2019-12-14 | 洋画

まったく、それはもうまったく事前情報なし。読者からすすめられなければ絶対に観るはずのなかった映画。なんと県内では鶴岡まちなかキネマが独占上映とか。

製作は、怖すぎていまだに観ることができない「ゲット・アウト」のジェイソン・ブラム。脚本と監督はあの「ソウ」を書いたリー・ワネル……どう考えればいいんだろう、期待していいのか?ジェイソン・ブラムは「パラノーマル・アクティビティ」も作った男だぞ。変なこけおどし映画じゃないだろうな。

いやー面白かったです。観てよかった。

ストーリーが意表をつきます。近未来。AIによる運転が常識になっている世界で、むかしながらの大排気量スポーツカーを整備するグレイ(ローガン・マーシャル=グリーン)。彼はそのクルマを富豪のIT会社経営者エロン(ハリソン・ギルバートソン)に売り、妻のAIカーで帰途につく。なんらかのエラーによって横転したそのクルマに、ならず者たちがしのびよる……

妻を殺され、四肢が不自由になったグレイの復讐譚が始まると誰だって思う。エロンにAIを埋め込まれたことによって身体の自由を取りもどしたグレイは確かに意欲満々だし。

ところが、AIがグレイと会話できるようになってから話はひねくれ始める。行動の自由を得たAIは暴走を始め、残虐な行為をグレイに強いるのである。

よく話のマクラに「これからはAIの時代ですので」とか言う人を、わたしはちょっと警戒する。自分の主張を強引に通すためにAIの存在を利用しているのではないかと。で、この映画ではAIを邪悪なものでもあるという観点で描いてあり、実相はそちらに近いのではないか。

オープニングに、製作会社の名をすべて女性AIふうに読み上げるアイデアに爆笑。そのセンスは最後まで保たれていた。女優の趣味もすばらしい。SFでホラーでアクション映画ではあるけれど、まずはミステリ映画でしょこれ。悪党どもが集まるバーの名前が「古い骨」なのは作り手がミステリファンだとしか思えん。

肌合いとしてはニール・ブロンカンプの「第9地区」に近いかな。あれが好きだった人はお見逃しなく。わたし?もちろん大好きでしたよ。

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「月はどっちに出ている」(1993 シネカノン)

2019-12-12 | 邦画

原作が「血と骨」の梁石日、脚本が「焼肉ドラゴン」の鄭義信、音楽が四人囃子の佐久間正英、そして監督が「マークスの山」で名取裕子をヘアヌードにした崔洋一。製作はこの作品が初プロデュースの李鳳宇……映画好きにとって夢のようなメンツがそろっている。

キャストもそれに負けずに豪華で、岸谷五朗小木茂光絵沢萌子有薗芳記遠藤憲一國村隼金田明夫麿赤兒萩原聖人古尾谷雅人、そしてルビー・モレノ。豪華っていうより、わたし好みの役者たちですか(笑)。

これだけ列挙したのは、世紀末の日本の空気をこれほど伝える作品はないと思えるから。彼らのアンサンブルこそが時代を象徴するにぴったりだった。

日本人から差別、というより目に見えない存在のように無視される在日とフィリピーナ。彼らの、“強い恋愛”“強い生活”がこれほど描かれたのは初めてのことだった。ある理由で見返してほんとうによかった。今度はWOWOW版を見てみよう。

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「カッティング・エッジ」The Cutting Edge ジェフリー・ディーヴァー著 文藝春秋

2019-12-11 | ミステリ

リンカーン・ライムのシリーズは全部読んでるぞ!とはいかなくなってきた。前作「ブラック・スクリーム」を読み逃してるから。

今回は原点回帰がうたわれていて、実際に異常な殺人者とライム&サックス(ついに結婚!)の追いかけっこの体裁。

しかし読者を裏切ることに生きがいを感じる(笑)ディーヴァーのことなので、事態は二転三転する……慣れてきたので“真犯人”は途中でわかったんだけど、それからまたひねるひねる。やりすぎでしょさすがに。

読者の知りたい業界を紹介するという、ベストセラー作家としてきわめて正解なディーヴァーのコンセプト。今回はダイヤモンド。採掘、研磨、流通など、確かにまったく知らない世界でした。カットの天才であるインド人の少年が魅力的。カシミール出身という設定が効いている。

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うまい店ピンポイント 2019年忘年会篇その1 また富重。

2019-12-11 | 食・レシピ

「とみ将、琴壱」篇はこちら

さあ忘年会の季節でございますよ。わたしもいろいろと忘れたいことはございます。

で、また富重。予告したとおり、今年はもう1回来ることが確定しております。

おいしい。

とてもおいしい。

それはいいんだけど、常連であるわたしたちにこの店は気を使いすぎている。

「あの……今日は岩海苔のおむすびは出ませんので」

わたしたちもオトナだ。そんなことは気にしませんよ。とか言いながら

「さっきの人、顔真っ赤にしてたわよね」

「怒られると思ったのかなあ」

「いやな客だと思われてるんじゃ?」

おかげで、人数分のハンガーがないことを最後まで言い出せませんでした。

「言えよ」

「言えません(T_T)」

ひとりだけ傍若無人だったのはきっとわたし。他の人たちはまったくアルコールを受け付けないので、つい芋焼酎を一本飲みきってしまいました。ハタハタの炊き込みご飯は絶品でしたよ。

「ほたる」篇につづく

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明細書を見ろ!2019年12月期末勤勉手当号PART2 差額支給日を推理する。

2019-12-10 | 明細書を見ろ!(事務だより)


2018年バージョンはこちら

今年も差額支給日を推理します。

12月県議会の会期は20日まで。議第180号「山形県職員等の給与に関する条例等の一部を改正する条例の設定について」の採決はその日。となると……天皇誕生日がこの週ではなくなったこともあり、意外に早い時期の支給になりそうな予感(当たったことはめったにないけど)。

本日の1冊は「佐野洋子対談集」(講談社)
リリー・フランキー西原理恵子という史上最強の対談相手。でも意外におとなしめな内容。

明日、余目で谷川俊太郎の息子と小室等のコンサートがあるらしい。

うちの校歌は谷川俊太郎が作詞してくれたので、校長が敬意を表して楽屋に行く。

「佐野洋子の話はするなよ」

「わかってるって!」

高校一年生のときの現代国語の教科書には谷川俊太郎と谷川徹三が載っていた。担任は

「親子で教科書に載ってるってのはな……」

その直系がわたしたちの眼前にいる。

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「いけない」 道尾秀介著 文藝春秋

2019-12-10 | ミステリ

ミステリ好きを広言していても、犯人当てが得意なわけじゃない。自分より一歩(あるいは半歩)先を行く名探偵が、あらゆる伏線を回収しながら事件を解説してみせる、その過程が好きなだけなんだと思います。

なかには、ノートをとりながら事件を考察し、探偵よりも先に犯人を見つけ出す(つまりは、作家を出し抜く)ことに懸命なマニアもいる。エラリー・クイーン有栖川有栖のように、フェアに手がかりをさらす作家もいることだから、それはそれで楽しいんでしょう。でもそれだとそれだと時間がかかってしょうがないじゃないですか(笑)。

で、そんなわたしが道尾秀介の大評判のミステリ「いけない」(文藝春秋)を読んでしまった。うわあ時間がかかってしょうがない!だって二度三度と読み返すことになったから。

というのも、この本の帯には『本書の御使用法』が載っており

・まずは各章の物語に集中します。

・章末の写真をご覧ください。

・隠された真相に気づきましたか?

・「そういうことだったのか‼」

だまされる快感をお楽しみください。※再読ではさらなる驚きを味わえます。

……真相に気づきましたか?と挑発されれば、ものぐさなわたしだって挑戦したくなるというもの。中篇が三つと終章から成るこの作品はタイトルからして油断がならないのだ。

たとえば第一章「弓投げの崖を見てはいけない」は、「ゆ・身投げの~」だし、終章の「街の平和を信じてはいけない」には、まさしくこの作品のテーマともいえるトリックがしこんである。

宵のうちに読み始め、読み終えたのが午前2時くらい。時間かかったなあ。正直に言えば第一章の謎は見誤ってたし(わたしは地図が読めない男)、第三章はよくわからなかった(笑)。しかし終章のオチには感服。おみごと。

これから読む人へのアドバイス。あまり考えすぎるな!ひっかけも用意してあるぞ!

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