事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

マイベスト2021 非ミステリ篇

2022-02-05 | 本と雑誌

ミステリ篇はこちら

マイベスト2021、つづいては非ミステリ篇。

1 「三体Ⅲ 死神永生」劉慈欣 早川書房

2 「田舎のポルシェ」篠田節子 文藝春秋

3 「東京ディストピア日記」桜庭一樹 河出書房新社

4 「コロナと潜水服」奥田英朗 光文社

5 「今も未来も変わらない」「ルーティーンズ」長嶋有

6 「童の神」今村翔吾 角川春樹事務所

7 「泳ぐ者」青山文平 新潮社

8 「日本蒙昧前史」磯崎憲一郎 文藝春秋

9 「スモールワールズ」一穂ミチ 講談社

10 「」朝井まかて 集英社

まだおぼえている。ちょっとネタバレになるけれども、「三体」において太陽系が××する描写のすさまじさ。お布団のなかでうなされるようにして読む。山下達郎もサンデーソングブックのなかで

「達郎さんおすすめのSFはありますか」

というリスナーからの問いに、あ、絶対に三体を持ち出すなと予感したら的中。

「三体っていう小説があります。あれはすごい」

と語ってました。文句なし。

「田舎のポルシェ」で、篠田節子は語り口のうまさを見せつけてくれた。同傾向の(だと思います)「スモールワールズ」もうまかったなあ。桜庭一樹と奥田英朗、そして長嶋有がそれぞれコロナと切り結んでいるあたりが頼もしい。

今村翔吾の「童の神」は、時代小説というより伝奇小説でしょう。どれだけの引き出しがある人なのだか。新庄藩が舞台のシリーズもいつか特集します。

にしてもわたしの読書傾向ってつくづく変わらないと思う。ランキングには常に長嶋有、磯崎憲一郎、朝井まかて、青山文平が入っているような気がする。強力な新人が登場してくれないかしら。

次は映画に突入「北米興行成績篇」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マイベスト2021 勝手にランキング ミステリ篇

2022-02-04 | ミステリ

このミステリーがすごい!篇はこちら

さて、それではマイベスト2021、まずはミステリ篇から。

1 「壊れた世界の者たちよ」ドン・ウィンズロウ ハーパーBOOKS

2 「テスカトリポカ」佐藤究 KADOKAWA

3 「死亡通知書 暗黒者」周浩暉 ハヤカワ・ミステリ

4 「黒牢城」 米澤穂信 KADOKAWA

5 「硝子の塔の殺人」 知念実希人 実業之日本社

6 「ヨルガオ殺人事件」アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫

7 「兇人邸の殺人」今村昌弘 東京創元社

8 「見習い警官殺し」レイフ・GW・ペーション 創元推理文庫

9 「指差す標識の事例」イーアン・ペアーズ 創元推理文庫

10 「特捜部Q アサドの祈り」ユッシ・エーズラ・オールスン ハヤカワ・ミステリ

ドン・ウィンズロウと佐藤究は圧倒的だった。ウィンズロウを長いこと読んできて、ついにここまで来たのかと感慨。テスカトリポカの暴力描写は、むしろ主人公の少年の無垢さを引き立てている。おそれいりました。

「死亡通知書」は、娯楽小説の楽しさとはこれだと思い知らせてくれた。華文ミステリおそるべしである。続篇を早く訳してくださいね。

「黒牢城」の直木賞受賞はめでたい。でもニュースでは今村翔吾のことばかり騒いでいてちょっと不満。まあ、非ミステリ篇にはその今村も登場するんですけど。

ホロヴィッツはこのミス四連覇中。要するに彼の時代だということなんでしょう。今村昌弘もデビューからランキングの常連になっているのはすばらしい。年に一冊、これだけのものを提供してくれるのだからもう新人扱いは不要かも。

「見習い警官殺し」は紹介してなかったですよね。北欧ミステリのなかでも有名なシリーズ。そしてこれが最終作なんですって。おいおい。

「指差す標識の事例」は、なにより訳者がオールスターズだったのにびっくり。

特捜部Qはあと2作書くつもりらしい。しばらく死ねない。

非ミステリ篇につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マイベスト2021 このミステリーがすごい!篇

2022-02-03 | ミステリ

2020年バージョンはこちら

さあ今年もやりますよマイベスト。2021年はわたしにとって本当にきつい一年だったんだけど、だからこそ娯楽を消費することで生き延びてきたような気がします。

まずは恒例の宝島社「このミステリーがすごい!」でランクインしているなかでわたしが読んだのは……

【国内篇】

1 「黒牢城」米澤穂信 KADOKAWA

2 「テスカトリポカ」佐藤究 KADOKAWA

4 「兇人邸の殺人」今村昌弘 東京創元社

6 「invert 城塚翡翠倒叙集」相沢沙呼 講談社

9 「硝子の塔の殺人」知念実希人 実業之日本社

10「雷神」道尾秀介 新潮社

わりと、読んでいるほうだと思います。もちろん「黒牢城」はすばらしい作品だけど、「テスカトリポカ」の壮絶さにはちょっと及ばない感じ。このミスの1位と2位が、どちらも直木賞をとる時代が来た。

にしても、本格好きのメンバーが多いこのミスだから、「硝子の塔の殺人」はもっと票を集めると思っていたのになあ。ま、彼は失言もあったから。

【海外篇】

1 「ヨルガオ殺人事件(上下)」アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫

5 「台北プライベートアイ」紀 蔚然 文藝春秋

5 「オクトーバー・リスト」ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫

こっちは少ないなあ。ランク外まで見渡しても「アウトサイダー」(スティーブン・キング)と「グレート・ギャツビーを追え」(ジョン・グリシャム)ぐらい。わたしが後悔しているのは、どう考えてもわたし向きの「自由研究には向かない殺人」(ホリー・ジャクソン)を読んでないことかな。

わたしの勝手なランキングにつづく

2022年版はこちら

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今月の名言2022年1月号PART5 薄毛の達人

2022-02-02 | テレビ番組

【必見】50種類以上のバイト経験を持つEXITがおすすめ&きついバイトを教える!

PART3「剣豪ふたり」はこちら

「この人たちは特殊な訓練を受けています」

ホンマでっかTVにおけるブラックマヨネーズの小杉の発言。薄毛の話をするとき、素人は気をつけろと。

芸人はいくらでもギャグにできるけど、というわけ。

あの番組を久しぶりに観たら、かつてマツコ・デラックスが受け持っていた“この人が笑ってるから本当に面白いんだな”と視聴者に理解させる役割を、今はEXITが、特にりんたろー。が担っているんだなあと知る。

うちの奥さんはすでにファンでした。

2022年2月号「懐かしのソ連」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今月の名言2022年1月号PART4「剣豪ふたり」

2022-02-01 | 邦画

The Twilight Samurai (2002) - Seibei fights back

PART3「エッセンシャル」はこちら

彼は、たったひとりで、ぼくの住む村も訪ねてきてくれました。そして、まだかなり日の高いうちからふたりで飲みはじめて(笑)、おたがいに言いたい放題、言ってね。それで信用してくれたのかもしれない。

撮影の前には、殺陣ひとつにしても、本気でおたがいに殺しにいくような稽古を、えんえんやったんです、真田さんと。あっちもこっちも、本気で生命を狙いにいくような稽古。必死で避けないと斬られる。

たそがれ清兵衛」に、舞踏家の田中泯を山田洋次監督は抜擢した。そして、彼のもとへ真田広之が訪れたという、いい感じのお話。あの、壮絶な殺陣は、お互いの信頼関係があってようやく成立したものだったのだ。あれはすごかったなあ。

長太刀を使う田中と(そして彼はその不利もちゃんと目線で意識している)小太刀で苦戦する真田。おみごと。

PART5「薄毛の達人」につづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする