リスアカネ Sympetrum risi risi Bartenef, 1914 は、トンボ科(Family Libellulidae) アカネ属(Genus Sympetrum)で、北海道、本州、四国、九州に分布する。平地から丘陵地にかけての、周囲を樹林に囲まれたような閉鎖的な池沼でよく見られる。成虫は6月下旬頃から羽化が始まり、羽化後も羽化水域の近くに留まり11月下旬頃まで見られる。和名のリスはスイスのトンボ学者Friedrich Risの名前に由来する。
産卵は、空中から卵を振り落とす打空産卵で、水のない池畔の土や枯れ草の上で雌雄が連結して行うことが多いが、途中で連結を解いて雌の単独産卵に移行することもある。今回、リスアカネの連結飛翔と打空産卵を撮影したので掲載したい。
久しぶりの写真撮影遠征である。この週末は星空撮影とヤンマ探索で信州遠征を予定していたが、天候不順のため延期。日曜日は栃木方面の天気が良いとの予報であったため、絶滅危惧1B類(環境省)のチョウの生息地に8年ぶりに行くことにした。結果的には、目的のチョウは見つけられなかったが、代わりに同じく絶滅危惧1B類のチョウ2種と出会うことができた。その写真は、次の記事で掲載したい。
次に、ちょうど帰り道にあるカトリヤンマの多産地に寄ってみることにした。昨年は交尾態を撮影し写真を掲載している。(参照:カトリヤンマの交尾態)小一時間ほど探索したが、時間や気温の関係だろうか、メスを探す多数のオスは見られたが、交尾態は一組確認できただけで撮影には至らなかった。
帰路に就く間際、止めた自家用車の傍らで多数のリスアカネのペアが産卵をしていた。雌雄が連結しながら空中で卵を落とす様は、写欲を掻き立てる。いつものように300mmレンズでマニュアルフォーカス。ファインダーを覗きながらトンボを追い、ピントが合ったところでシャッターを切るスタイルである。本種の連結打空産卵は、一昨年に撮影したことがあるが、薄暗い場所でほとんどがピンボケであった。今回は、メスの腹部先端から落ちる卵も運良く写っており、何とか掲載できるレベルのものを残せたように思う。
リスアカネの連結飛翔と打空産卵は、ブログ初掲載である。また、本ブログに、今年撮影した昆虫写真を掲載するのは、8月14日以来であり、トンボの写真は今年初である。
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。
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