ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

我が家の庭づくり~コケ庭と山野草園

2025-02-25 15:12:15 | その他

 今回は、趣味の話である。趣味とは、仕事や義務とは別に、個人の興味や関心に基づいて自発的に行う活動のこと。ライフワークであるホタルの研究も趣味の1つである。このブログに掲載している多くの昆虫写真や自然風景写真の撮影も趣味であるし、ドライブや写真撮影のために遠征する車の運転もそうである。(今はプロドライバーであるから本業でもある)他には、フルートの演奏、音楽鑑賞と、どちらかと言えば多趣味の部類に入るかもしれない。趣味を持つことで、ストレスを解消したり、自分の能力を高めたり、人との交流を深めたりでき、楽しい日々であるが、昨今、更に「ガーデニング」も趣味に加わったので、その話をしたいと思う。
  これまでほとんど手つかずで放置状態、まるでジャングルのようになっていた「我が家の庭」小さな庭と広めの庭の二か所を、昨年の秋頃から手入れを始めた。

小さな庭

 小さな庭は、特にコンセプトはなく、ラベンダーやハーブ、その他花々を植えるようにした。日当たりが良いので、もともと植えてあったフクジュソウが咲き始め、様々な芽が出てきて賑やかになってきた。今回、センティヴィア ブルーという品種のラベンダーを3株植えてみた。以前、ベランダで「ヨウテイ」などのイングリッシュラベンダーや「グロッソ」というラバンディン系ラベンダーをたくさん育てていたことがあるが、やはり夏の蒸し暑さに弱く、数年で枯らしてしまった経験があるが、このセンティヴィア ブルーは、改良されて耐暑性が高く四季咲きというので、今後が楽しみである。

我が家の小さい方の庭の写真
我が家の小さい方の庭

広い方の庭

 広い方の庭は、梅や柿木、そして椿などは業者に依頼して剪定してもらい、樹木は10本くらい伐採。日陰でじめじめしていた部分を明るくし、広がっていたフッキソウなどの数種を取り除き、全体で3つのエリア「コケ庭」と「里山風の山野草園」そして「つくばい」のある部分に分けて整備することにした。

我が家の広い方の庭の写真
我が家の広い方の庭

コケ庭

 コケ庭は、その名の通り苔に覆われた庭で、古くから日本の寺院や庭園で見られる。苔寺として有名な京都の西芳寺の庭園は約120種の苔に覆われ、独特の風情と繊細な緑、その飾り立てない美しさが魅力的である。コケ庭は、心を落ち着かせるリラックス効果がありり、緑色は視覚的に安らぎを与え、苔のふんわりとした質感や柔らかな色合いは、見るだけで心を癒してくれる。
  コケは、ゲンジボタルの産卵場所の1つでもあるから小学生の頃から色々と調べており、コケ庭にも興味を持っていたので、今回、庭の5分の2をコケ庭にしようと試みている。
  コケ庭をつくるにあたっては、もともと配置してあった石を活かしながら、土を掘り下げた部分には白い小石を入れて池のように見立て、岸からコケが密生する部分になるようにデザインしたが、どのコケをどのような方法で定着させるのか考えなければならない。コケを定着させる方法は大きく分けて以下の3つある。

  • 張りゴケ法 / ある程度成長した苔のマットもしくはコロニー単位のものを土壌に貼り付ける方法
  • 蒔きゴケ法 / 乾燥させて細かく粉砕したコケを種として蒔く方法
  • 移植法 / ある程度のコロニーになっている状態のものを土壌に植え付ける方法

 張りゴケ法は、短時間でコケ庭を完成させることができるが、環境が合わないところでは短い期間のうちに変色し枯れて消滅してしまう恐れがあり、広範囲に張るには費用がかさむことから、我が家では、蒔きゴケ法でコケ庭を造ることにした。
 まず、昨年末にスギゴケ、ハイゴケ、スナゴケの3種混合のコケの種を購入して蒔き、種が風で飛ばないように、上から富士砂を全体にかけた。真冬であるから目立った成長は期待できなかったが、それでもおよそ二か月経過した現在、ハイゴケとスナゴケはわずかながら新しい芽が確認できた。
  そこで今回、環境適合性が高く、成長も早く乾燥にも強いスナゴケの種を全体に追い蒔きした。気温が10℃を超えると新芽が成長するようになる。張りゴケ法に比べて時間はかかるが、その場の環境において成長したコケは定着率が高いので今後が楽しみである。

コケ庭の写真
コケ庭

里山風の山野草園

 コケ庭を通りすぎると、そこは里山風の山野草園。落葉高木であるヤマボウシを中心に、日本に自生し四季を感じさせる様々な山野草を植え、季節ごとの変化を楽しみたい。里山風にすることで林縁の草地からエノキの雑木林までを再現し、そこには小さな生態系が作られる。花には多くのチョウが訪れる。そんな庭にしたい。ちなみに2階<のベランダには、大きなオリーブの木とやはり大きく育ってきたミカンの木のそれぞれ鉢植えがあり、ミカンの木では、毎年アゲハチョウやクロアゲハが何頭も巣立っていく。
  里山風の山野草園にしたい部分には、もともとユリ科のホトトギスをはじめ、いくつかの山野草が植わっていて、時期になると咲いていたが、今回、様々な山野草の苗を購入して植えてみた。一年草ではなく、すべて宿根草を植え、毎年楽しめるようにした。既存を含め、庭の山野草木を花が咲く時期ごとにまとめてみると以下である。

  • 春から初夏に咲く山野草木
    • スミレ
    • ミツバツツジ
    • カタクリ
    • タツナミソウ  
    • ヒメシャガ
    • 六弁シモツケ
    • ヤクシマケイビラン 
    • クルマバソウ
    • ナチアワモリショウマ
  • 夏に咲く山野草木
    • ヤマアジサイ
    • ホタルブクロ
    • タツナミソウ
    • シキンカラマツ
    • レンゲショウマ
    • キョウカノコ
    • ヤマオダマキ
  • 夏から秋に咲く山野草木
    • シュウカイドウ
    • オミナエシ
    • ユウスゲ
    • ワレモコウ
    • ホトトギス
    • ヒガンバナ
  • 秋から冬に咲く山野草木
    • ツワブキ
    • ツバキ
里山風の山野草園の写真
里山風の山野草園

 里山風の山野草園は、まだまだ冬の装いであるが、3月になり気温が高くなれば、次々に芽が出てくるだろうと思う。
  庭の一番奥は、本格的な「茶室」の向いになり、庭には「つくばい」があるが、この部分は手を加えることはしないつもりである。コケ庭も含めて、以前の庭の写真を撮っていなかったので、見比べることができなし、まだ完成していないが、全体的にこれまでとはまったく別の庭になったので、今後も経過を掲載してきたい。

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