ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

エゾトンボの静止飛翔

2020-09-15 16:07:58 | トンボ/エゾトンボ科

 エゾトンボの静止飛翔は、8月22日に撮影し記事「エゾトンボ」の中で6枚掲載済であるが、今回、同じ湿地を訪れた際、まだ多くのエゾトンボがおり、あちこちの湿地上で静止飛翔(ホバリング)をしていたので、前回よりも奇麗に撮りたいという欲に駆られてカメラを向けた。
 このブログは「今日はこんな所に行ってきました」と過去に掲載した同じような写真を連ねる日誌ではないと申し上げているが、撮影した結果に満足できなければ何度でも撮り直す。自然風景も昆虫の生態においても「何とか残せた」という証拠程度の写真を掲載することもあるが、根本理念は「美」を追求し「美しいものを 一番美しい時に 美しく写す。」である。まずは自己満足できる結果を残し、そして写真をご覧頂いた方々からも高評価を得られるものでなければならない。そのために何年もの月日を費やすこともある。良い結果が残せれば、その後は次の目標やテーマ、更に深い領域へと進むことになる。

 さて、トンボの静止飛翔(ホバリング)の撮影は、広角レンズのパンフォーカスで背景も写し込む方法や望遠レンズで背景をぼかして被写体だけをクローズアップする方法等があるが、私の場合は、常に後者の方法で撮影している。
 静止飛翔はトンボの種類や気象条件、活動時間、個体によっても違うが、同じ位置に止まっているのは2~3秒、長いと5~10秒ほどである。テリトリーの範囲を飛び回っている中での行動であるから、構図が難しい。頭の先から尾の先端までピントが合い、触覚や細毛までブレることなく細かく描写でき、そして色彩等の特徴も分かる真横からの構図を基本と考えて撮っている。素早く飛び回りながらある場所で数秒間静止飛翔するトンボを真横から狙ってピントを合わせてシャッターを切るのであるから、カメラやレンズの性能ではなく撮影者の勘と腕が試される。
 私の場合は、カメラはCanon EOS 7D、レンズは中古で購入した古いトキナーの単焦点300mmの組み合わせが多い。三脚にカメラを固定し上下左右にカメラを動かせる状態にする。置きピンではなく、左目でトンボを追って右目でファインダーを覗きながら画角に収まったらマニュアル・フォーカスでピントを合わせる。ピントリングは左手の親指で瞬時に回し、ピントが合ったと思ったらシャッターを切る。その間はおよそ3秒。トンボが3秒以上静止してくれれば成功率は高い。連写はしないが、フィルムでは決して撮らないだろう。また以前は使っていなかったが、昨今ではストロボも発光させている。半逆光(逆光とトップライトの中間)で撮ることが多いからである。
 エゾトンボ科は、複眼と胸部の金属光沢のある緑の輝きが特徴で、それは光線によって変化する。今回、様々な角度と光線で撮影し、前回に掲載した写真よりもエゾトンボの魅力や特徴が分かる飛翔写真に少しだけ近づけたと思う。また、今回は9月12日においても発生を確認したという「記録」の意味もあり、再度、エゾトンボの静止飛翔を掲載した。

参照:エゾトンボ

以下の掲載写真は、1024*683 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと別窓で表示されます。

エゾトンボ(静止飛翔)の写真
エゾトンボの静止飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 1250(撮影地:長野県 2020.9.12 9:53)
エゾトンボ(静止飛翔)の写真
エゾトンボの静止飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/1000秒 ISO 1250(撮影地:長野県 2020.9.12 9:53)
エゾトンボ(静止飛翔)の写真
エゾトンボの静止飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/800秒 ISO 1250 -2/3EV(撮影地:長野県 2020.9.12 8:55)
エゾトンボ(静止飛翔)の写真
エゾトンボの静止飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/800秒 ISO 1250 -2/3EV(撮影地:長野県 2020.9.12 11:00)
エゾトンボ(静止飛翔)の写真
エゾトンボの静止飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250 -2/3EV(撮影地:長野県 2020.9.12 8:58)
エゾトンボ(静止飛翔)の写真
エゾトンボの静止飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/1250秒 ISO 1250 -2/3EV(撮影地:長野県 2020.9.12 9:17)
エゾトンボ(静止飛翔)の写真
エゾトンボの静止飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/800秒 ISO 1250 -2/3EV(撮影地:長野県 2020.9.12 8:56)
エゾトンボ(静止飛翔)の写真
エゾトンボの静止飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / Speedlite 550EX / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250 -2/3EV(撮影地:長野県 2020.9.12 8:57)
エゾトンボ(静止飛翔)の写真
エゾトンボの静止飛翔
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250(撮影地:長野県 2020.9.12 11:03)

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4 コメント

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Unknown (浜田 輝 (FB))
2020-09-15 18:11:13
D7で300ですと500ミリ位でf8、ISOが1250、私のD7から同じAPS-cサイズのD90に変えましたが如何せんレンズがEF-S200m 勉強に成りました。
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Unknown (N.J.)
2020-09-16 22:44:52
いろいろこだわって撮影されているみたいですが、どのトンボ写真も彩度上げすぎなのか色合いが不自然に感じます。見たままの再現にもこだわった方がいいのではないかなと思いました。
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浜田 様 (古河)
2020-09-18 15:46:48
浜田 様
コメント頂きましてありがとうございます。
この日はたまたま300mmのレンズしか持って行かなかったのですが、90mmマクロでも撮れる位置でホバリングしていました。
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N.J.様 (古河)
2020-09-18 15:56:23
N.J.様
コメントありがとうございます。
半逆光にストロボ発光で撮影し、RAW現像ではコントラストを下げ、明瞭度を少しだけ挙げた結果の写真です。撮って出しと比較しても、彩度は変わりません。写真の世界ですから、当然、見た目と違って不自然です。
ご教示には感謝申し上げますが、ナチュラル設定のRAWにこのように写っている以上、仕方ありません。
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