ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

テングチョウ

2018-11-13 19:46:31 | チョウ/タテハチョウ科

 テングチョウ Libythea celtis Moore, [1858]  は、タテハチョウ科(Family Nymphalidae)テングチョウ属(Genus Libythea)で、国内には本種1種のみが生息している。ただし、日本本土亜種 Libythea celtis celtoides と琉球亜種 Libythea celtis amamiana に分けられ、北海道亜種 Libythea celtis matsumurae は絶滅している。頭部の触角の内側に前方に伸びる突起(下唇髭)があり、これが天狗の鼻のように見えることが和名の由来である。下唇髭は他のチョウにもあるが、本種は複眼径の3倍以上も伸びているのが特徴になっている。
 平地から山地を生息域とし、幼虫の食樹であるエノキが生える雑木林や、森林の河川や渓谷など幅広い場所でよく見られる。成虫は年1回(稀に年2回発生)6月頃に発生し、盛夏には休眠する。秋に再び活動してそのまま成虫で越冬し、春先から再び活動して5月頃に産卵する。
 青森県のRDBでは準絶滅危惧種として記載しているが、他の地域では普通種であり、昨今、広島、兵庫、和歌山など西日本各地や山梨など東日本でもテングチョウも大量発生が話題となっている。 猛暑や少雨、天敵との関係などが推察されているが、詳しい原因は分かっていない。

 テングチョウは、東京都内の多摩西部では普通に見られるチョウで、時折、撮影もしていたが、単独の記事としてまとめたことはなかった。過去に撮影した写真を整理すると、雌雄の違いが分かる写真と、小集団ではあるが、20頭ほどが集団吸水していた写真を撮っていたので掲載することにした。

お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

テングチョウの写真

テングチョウ(オス)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 1250(撮影地:埼玉県 2018.05.26)

テングチョウの写真

テングチョウ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 640(撮影地:東京都 2012.06.17)

テングチョウ集団吸水の写真

テングチョウ(集団吸水)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1250 +2/3EV(撮影地:東京都 2016.06.12)

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