本日は芸術の森美術館→NHK→500m美術館→市民ギャラリー→札幌市写真ライブラリー→時計台→たぴお→さいとう→三越→トオンカフェの10か所。
■札幌芸術の森美術館「山本正道展」。作品の紹介にもあった「風景彫刻」というのは、確かに他にはやっている人がいないかも知れないジャンルである。イタリアを基にした風景なのだそうだが、実在しないもので、彫刻に登場する要素も大きさは実際とは違うのだそうだ。しかし「人物彫刻」は砂岩の素材による面白さはあったものの、やや全体に”甘い”印象という気がする。
「紙芝居」:具象作品であるが、紙芝居を見ている子供たちの後方には、茸のような木が2本生えている。面白い形だ。
「エトルスク」:人体を表現しながら、抽象表現に近付いている。砂岩の層による線が見えるのも、効果的なアクセントである。
「遺跡の見える風景」:左手に木が2本、右手に牛、手前に建物が配置されている。中央部にかなり空白があり、この余韻が効果的だ。
「母と子」:砂色のテラコッタ。表面の色と仕上げが面白い。
「Versilia'99」:適度に模様のある石から作られており、遺跡チックな感じがする。
「Versilia'09」:どこか地球でない風景のような感じがする。
展示会場の後半、暗い部屋の中で遺跡にも見える彫刻がライティングされている。そこから見える次の部屋が真っ白で、「風と少女'08」が見通せる配置は非常に素晴らしいものがある。幸いなことに他の観覧者がいなかったので神秘的な感じがしたのだが、ついでに監視役の人々がいなければ、「2001年宇宙の旅」を彷彿とさせるような展示になったと思う。
■500m美術館。写真を撮ったので別記事にて紹介したい。
■市民ギャラリー「第84回道展」。2009/11/4感想を追記する。
吉川英一郎「従姉妹」:リアルな人物2名。何となく紗がかかっているような描き方。
鈴木隆文「静かな部屋」:道展U21で目立っている人。今回も仏像のある御堂に、アニメ調の女性二人という面白い作品。
寺島寛之「Blind Age」:セーラー服の少女を描いて、神話調の作品。
加藤かよ子「Gondra」:砂に浮かぶ静かなゴンドラ。
瀧口真衣花「知らない間の出来事」:カラフルな泡。
長谷川雅章「北の静物?」(←作品名が1文字不明で、すみません):リアルな静物画。
渡邊ゆかり「いつか」:しゃがみこむ女性の胴体を線路が貫通している図。
宇野嘉祐「ISOLATION」:昨年から来ると思っていた。
川上直樹「跡地」:個展には出品していなかった作品。ハスの手前に2枚の葉のついた枝を配しており、植物で統一感がある。
水戸麻記子「遊民街」:ミトラマワールド作品だが、サイズが大きいせいか開放感がある。
中原宣孝「Der Schrei」:人物がが多い作者には珍しい、やや小さめの静物画。リアルな描写は変わらず。
前田信與「輪廻悠久」:画面にあふれかえる秋の植物。
阿部正子「煌めく時期」:この人も着目している人だ。森を背景に浮かぶ”うつぼ”と男性。
山川真一「SAPPORO」:こうして見ると、色彩感が独特だ。
岸本春代「伝言」:枝の中から機械テイなものがはみ出てきたような、不思議作品。
上田とも子「旅への入口」:札幌駅を映像処理したような表現で描く。
蒼野甘夏「What a Wonderful World」:きわめてパターンな作品だが、上手い。
吉川聡子「流レ行ク」:夕焼け色の車窓。旅情が感じられる。
高橋潤「四つの元素」:かごの中に囚われた4人の少女。去年も4人の女性を描いている人だ。
福田高治「作品2009D」:ひつぎの中にワイヤーで作られたような人型。
田仲茂基「悠久の翼Ⅰ」:羽を開きこちらを威嚇するフクロウ。迫力あり。
安達久美子「川床(Ⅰ)」:画面全体が川という、豪快な構図。
佐藤綾香「ELECTRIC ORGAN」:時計台ギャラリーで展示されていたが、これは今風で良いと思う。
石川潤「呼吸」:例の「トゲトゲ穴」を2個に絞り(他のはホワイトでおおわれている)、焦点が絞れているような気がする。
松田奈那子「対話するふたつの車輪」:これほど最小限の構成にしぼって、ちゃんとした作品になっているのだ。
三澤和浩「黄昏」:巨大な切り株の前の老人。大人びた作品。
続いて、彫刻作品。
脇坂太野「Hyperion」:あまりない形を作り上げたと思う。
関秋宏「ORIKA」:体のひねりが大胆な女性像。
続いて、版画作品。
松本直也「Nice Hammer」:スピード感のあるワンシーンを切り取った感じだ。
石井誠「extra」:もう若手の域を越えているような気がする。色と形のバランスが見事だ。
■時計台ギャラリー「近藤みどり展」。人とも木とも見える物体から、中身がうねうねとはじけている作品。面白い。
「宝賀寿子版画展「版画の国のアリス」」。こちらもいろいろなバリエーションの作品があり、興味深い展覧会だった。
■トオンカフェ「駒澤千波展 おまつりの夜に」。非常に気になる作家なので、初めてのトオンカフェに行ってみた。ちょっと謎めいた「おまつりの夜」を描いた作品と、動物がさまざまに変化する作品(時計台ギャラリーで展示していたか)が展示されていた。ご本人がいらっしゃったので、ご挨拶。
今日は早く寝たいと思う。