散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

20061020最近読んだ本

2006年10月20日 12時37分32秒 | 読書
「私はおっかなババア」室井滋
この人の変な人・変な事件に会いっぷりは恐ろしいものがある。

「ZOKU」森博嗣
この人のユーモアセンスはあわない。

「森博嗣本」別冊宝島編集部
かなりSMシリーズ、Vシリーズ間のネタを解説してくれている本。シリーズ読破後に読むべし。

「動物園の島」坂木司
登場人物が成長を続ける、一応完結編となる第3作目。事件自体は特に大したこともなく。

「フェイク」楡周平
銀座のクラブの裏側を舞台にしたコンゲームもの。面白いが縁遠い。

以下、図書館の3冊。
「芸術立国論」平田オリザ
この先、演劇がどうあるべきかという本。美術全般に通じる部分もある。

「北海道の不思議事典」好川之範、赤間均編
永倉新八の晩年の逸話(ヤクザに絡まれた話)はカッコええなあ。

「写楽」田中譲
写楽=歌麿説を展開するのだが、説得力はいずこに?

会社を休んで2

2006年10月19日 23時48分30秒 | 飲み歩き・琴似界隈
会社を休んだ勢いのまま、二十四軒のビストロ「PE」で夕食。クレマン・ダルザス・ブランドノワール(スパークリングワイン)で口を切ると、アミューズに鮭とジャガイモのリエット・クレープ包み・ネギソースが登場した。緑のネギソースの風味がとてもよい。

私の注文した一品目は肉のパテである。皿にはピクルスと、「ちょっとお試し下さい」というホエー豚のハムが付いている。パテの肉っぽさを堪能しつつ、ホエー豚の脂身も融けるようで肉の部分とのからみが良い(ワインは白)。

続いて、またもやちょっと味見に出してもらった栗のニョッキ。栗が丸々2個にチーズ風味のソースがかかっていて、「ニョッキはどこ?」と思ったら、その栗に見えるものがニョッキなのであった。食べて、ちょっと驚き。

メインは「秋野菜とソイのアクアパッツア」。私は、父親が昔釣りをしていたせいで、ソイにはとてもうるさいのであるが、これまた驚いた。このソイ、根本的に違うんじゃないの??? 訊くと市場では普通のソイ(30cmくらい)らしいが、身の厚さ(焼いて、半身で3センチはある)、歯ごたえと身の味がただ者ではない。



また、底のソース(というか出し汁というか)が明らかに美味しそうなので、慌ててパンを注文。パンに吸わせてソースも全て食べる。野菜はインゲン、トマト、ゴボウ、青梗菜、エリンギ、エノキ、トマト、まいたけ、ナス。

赤ワインを飲んでいたのだが(赤白逆だって? …大きなお世話である)、最後にとても好きなグラッパ(60度)を注文。ディジェスティフをやりながら、もって来た本をのんびりと読む。

2軒目は近くのバーに行こうと思っていたところ、休みらしい。急遽、一人カラオケへ。一人だと歯止めがきかず、アニメ→懐かし曲→洋楽→八神純子→「他の人が歌っているのを聞いたことがない限定」サザン→ゴダイゴ→アニメという流れになった。

アニメ曲から。「ああ! 沖田艦長が死んでしまった(生き返るけど)」


私はもはや最近の曲を歌おうという気はあまりないのだが、出張に行く飛行機の中で聞いた曲を憶えて、あわよくばということもある。その中で、昨年末頃、曲を憶えたはいいが、タイトルを思い出せないためそのままになっていたものがある(全く、老人力がついて困ってしまう)。

今日は一人なので、しげしげと歌集を見ていたら思い出した。とても恥ずかしいけれども、ここで公表すると倖田來未の「you」という曲なのであった。早速、歌ってみようとすると、非常に難易度の高い曲で、歌いこなすのが難しいのであるが、それはさておき、歌詞とご本人の出ているビデオクリップに号泣(そこまで行かんか)なのである。なぜかとても私にとっては来る曲なのであった。


会社を休んで

2006年10月19日 16時06分36秒 | ART
先週末、いろいろとあったので、うっかり今日は休んでしまった(予定通りだが)。昼過ぎからぶらぶらと歩いて三岸好太郎美術館「モダン建築の夢」展へ。建築にあまり興味のない私には困ってしまう展覧会だったが、カンディンスキー、クレーの小品があった。それから三岸作品の「デザイン」「街」は初見のような気がする。



続いて、近代美術館「北海道立体表現展’06」へ。



普段より仕切りのない展示室は開放感がある。以下、感想を幾つか(書かなかったものも、興味がないわけではない。最近、個展で見たりしたせいもある)。

阿地信美智「使いものにならない領域(弐)」:(このタイトル)だからこそ楽しいと言いたいね。
伊藤隆弘「存在の考察2006」:巨大岩を鋭くカットした断面が気になる。
菅原尚俊「白い門」:岩に波紋のような模様。
野又圭司「貧者のメリーゴーランド」:回す取っ手が付いており、回してえ!
原田ミドー「粗野で考えなしな男達と…」:すいません、タイトル省略です。作者の意図とは違うと思うが、「Victory」という否定しがたいシンボルの前で、ひれ伏す人たち。
藤井忠行「流体2006」うねるようにえぐられた、真っ二つの木材。
渡辺行夫「織り成す御輿」:飴のように曲がって組まれた岩。

一個一個が存在感のある作品であった。

夕張市美術館

2006年10月19日 09時01分36秒 | ART
本日の新聞を見ると、夕張市美術館が閉館の方向だそうだ。以前、市立図書館との合体で存続しそうであったが、市の経費削減がすすまず、年間収入20万円(!)の美術館の存続はできないということらしい。

夕張市美術館の常設展入場料は100円だったので、年間2000人程度しか来場しないということか…。しかし、それって前から分かっていたはずだろうに。結局、血迷うとこういうところから経費を削りだすということか。

私の「夕張の旅」

試験明け

2006年10月16日 23時19分04秒 | 飲み歩き・琴似界隈
土曜日は仕事、日曜日は試験だったため、もやもや感あり。週の初めの月曜日から琴似の居酒屋、私の心のよりどころ「D」へ行った。日本酒はおまかせ3合(3杯目が醸し人九平次、それ以外は筆記用具がないため憶えていない)。

つまみはまず脂の乗ったいわし刺身。



続いて、イカつくね温卵添え。これはイカゲソをボイルしてからつないでハンバーグ状にしたものだ。写真はまさしくつくねに見えると思うが、味はものすごく「イカ味」である。

(ちょっと食べかけ。失礼)


次は店主のお勧めで小カスベバター焼き。私はカスベの太い軟骨が少々苦手だが、これは小さいカスベだけあって食べ易い。バターの香と表面がこんがり焼けた白身魚の味はたまらないものがある。

最後にサンマ冷製玉ねぎドレッシング。サンマの身を崩してドレッシングと混ぜ合わせて食べる。洋風だが日本酒のつまみとしても悪くない。久々に来たので、ここでも松本旅行の話をして、機嫌を良くして帰宅。

20061016最近読んだ本

2006年10月16日 12時42分50秒 | 読書
「駆けてきた少女」東直己
「ススキノ・ハーフボイルド」の裏サイドストーリー。但し、登場人物のせいでこちらの方が気持ちよい。

「地球SOS2」東野司
「敵の来襲だ!」「こんなこともあろうかと思って、○○を作っておいた」という話。

「スイス時計の謎」有栖川有栖
高校時代の同級生と再会する表題作の懐かしさ、精密なロジック(再読)。

「地球最後の奇術師 ペリーローダン328」フォルツ&ダールトン
アトラン死す! なんちゃって! という作品。

「札幌深夜プラス1」東直己
すすきのへの愛があふれるエッセイ集。

「帰ってきたアルバイト探偵」大沢在昌
良い意味でライトなハードボイルド。各国入り乱れ、小型核が新宿で発見され、さあ大変。

以下、図書館の3冊。
「利き酒入門」重金敦之
もっと頭で考えずに楽しんではどうかという作者からのメッセージだが、作者がかなり年季の入ったグルメなので、素人から見ると十分難しいのだ。

「常識の世界地図」21世紀研究会
しぐさ、社会、食習慣などなど各国の風習の違いを取り上げて紹介。どこの国に行っても、そこの人たちを怒らせそうで、外国には行きたくなくなる。

「江戸っ子は何を食べていたか」大久保洋子
川柳で食べ物に関する感じ方が分かるのはとても楽しい事である。

滅び行くもの-カレースタンド-

2006年10月15日 12時36分26秒 | 食べ歩き
札幌在住以外の方にはピンとこないかもしれないが,札幌ではスープカレーブームが来て,しばらく経つ。今でも,どんどん新店ができては淘汰されているようである。また,別の流れとして,チェーンのカレーショップが相当な店舗数になっているが、ここでもスープカレーを出しているようだ。

私,年を取って旧弊になってきたせいか,今ひとつこの状況が面白くない。カレーと言ったらルータイプだろうと!
と言いつつ”ルー”ってわざわざ付けるのも気に入らない。スープカレーは別タイプの料理としては,存在しても良いとは思っているのだが。また,チェーン店の利点は認めるとしても,それによって個性的な店が全てなくなってしまうのもあんまりである。

ということで,以下は私の行ったカレー屋さん、特に懐かしい「カレースタンド」とでも言う形態の店のことを書いてみた。

***
北2西3「カレーショップI」
昔,サラリーマンはこういう店で昼食を素早く済ませたのであろうという感じのカレースタンド。私が行った時は,40歳以上と思われる男性がほとんど。カレーは塩気が少々きついが,量は多目。お店の人のそっけなさも,カレーの味も,「いいんじゃない,たまには」と思わせる。

南1西19「Y食堂」
いわゆる蕎麦屋のカレーである。この店では蕎麦+カレーといった組み合わせで頼む人も多いので,普通盛りがやや少なめ,大盛りでも量はそれほどではない。見た目はかなり黄色,玉ねぎ多目・肉ほどほど。口に入れると甘さが何よりも先に来るが,しばらく食べていると辛くなってくるので,それなりにカレー粉も入っているのだろう。予想では蕎麦用の”かえし”が入っているのではないかと思っていたが,甘くて良く分からん…。

北1西3「キッチンM」
洋食堂といった感じのこの店では,自家製コロッケが売りなので,コロッケカレーをオーダー。やはり甘口だが,少しスパイス(カレー粉だけでなく)の感じがするかな? 店はもう少しキレイだと良いのだけれども。

ポールタウン「カレーショップV」
札幌人ならば一度くらいは見たことがあるのではなかろうか。大通地下街唯一のカレースタンド。かく言う私も,在札20年目にして始めて訪れたのである。店内は馬蹄形のカウンターに約10席。その真ん中に立つおばちゃんに「チキンカレー」を注文すると,奥のおばちゃんにオーダーが渡った。時間1分で出てきたそのカレーは,肉肉しさに欠けるものの,かなり辛目の味つけだ(普通に言う「辛口」だろう)。薬味4種(福神漬け,紅しょうが,ラッキョウ,シソの実)もあり,楽しく食べられた。実はこの店では,揚げたてをトッピングしたカツカレー・エビフライカレーが名物らしいのだが,私にはカロリーオーバーだ。食べに来ている面子には60代の男性も見受けられ,店の歴史を感じた。

北4西4「C」
ビルの地下にある約15席の店。ポークカレーを注文。かなりご飯の盛りは多く,その横にとろみ少なめのカレーが掛かっている。ご飯をカレーの中に崩すと程よい具合に混じりあい,かなり辛味があり,肉たっぷりだ(薬味は福神漬けとしょうがの甘酢漬け)。元気の出てくる味と言う感じで,結構うまい。他店の1.5倍の値段なので,同列に評価するわけにはいかないのだけれども。ここも常連さんが多いようだ。結構な頻度でくるのであろうか,日替わりカレーを注文する人が多い。本日はハンバーグ&タマゴカレーで,なかなか旨そうであった。

北5西5「カレーショップI」
日替わりはカツカレーなのだが,チキンカレーを注文。お店の人は別支店より愛想が良い。カレーは甘く・辛く・塩気がキツイ。よく煮込んであるのだが,塩分の強さは「I」の特徴だろうか。

札幌駅地下「T」
APIAにあったカレー屋さん。店名が名前に付く「Tカレー」を頼むと,これがなんとも寂しい。390円とはいえ「ミニカレー」とでも言うしかない皿の小ささだ。バイトの兄ちゃんもけだるいしなあ。結構,カレーの味は悪くなかっただけに,惜しい店だ。→閉店。

***
今回それなりに探してみたのだが,札幌市の中心部では,カレースタンドは5件しか見つけることができなかった(食堂はあると思うが)。寂しい事だが,滅びゆく道筋にあるのだと言うしか無いのだろう。

20061014日記調で

2006年10月14日 21時01分58秒 | Weblog
今日はまとめて日記調で。

前日はプロジェクトの立ち上げで、某社社員食堂で飲み会。向かいに座った人がワイン好きでワインの話など(私は特に詳しくは無い)。2次会はすすきののバー「N」へ。今の上司を連れて行ったところすっかりこの店を気に入ってしまったのだが、さらに上の上司を連れて行ったところ、これまた気に入ってしまったようだ。私としては酒好きな人を選んで連れて行っているつもりなので、仕事の延長で飲みに行きたくはないのだが。…難しいものだ。

今日はやや二日酔い気味ながら、ちょっと仕事へ。昼は息抜きに札幌ファクトリーの中華料理屋さんで高菜チャーハンセット。少々味付けが濃いが、充実したセットであった。

それからギャラリー巡り。札幌市写真ライブラリー→時計台→道新→STV北2条ビル→たぴお→大同→富士フォトサロン→紀伊国屋の8箇所。紀伊国屋で5000円ほど本を買う。疲れているせいもあり、ややストレス買いか。

すすきのに移動し、バー「C」へ。
ウィスキーソーダ、マティーニ、赤ワインを飲みながらマスターと馬鹿話。ちょっと気分良くなる。最近、情報処理試験に関する話は別のSNSに書くようにしたのだが、明日はいよいよ試験日。札大に行かなければならない。正直憂鬱である。

来週どこかで休もうかなあと思うのであった。

20061013最近読んだ本

2006年10月13日 12時38分55秒 | 読書
「脳天観光」久住昌之、加藤総夫
脳に関する話を集めたもの。私は小学生の頃にいろいろな自然科学に関する本を読んだため、結構その頃の定説を記憶してしまっていて困る。かなり間違った知識なんだろうな。

「枯葉色グッドバイ」樋口有介
相当に悲惨な話なのだが、この人の作品には独特の優しさと明るさ、救いがある。エンディングで何とか救われるか。

以下、図書館の6冊
「ラーメンを味わいつくす」佐々木晶
私のラーメンに関する好みは非常に保守的になった。

「日本・食の歴史地図」吉川誠次、大堀恭良
アイヌ料理のチポロシトなんていうものが取り上げられている。知らないなあ。

「悠悠おもちゃライフ」森博嗣
作者の推理小説・エッセイまではもれなく購入しているが、模型好きの彼の趣味本までは買わないであろうと図書館で借りた。真剣に遊ぶ事は大事だね。

「京都おもしろウォッチング」赤瀬川原平、藤森照信、他
トマソン探し系統の本。京都は宝庫だね。

「火星の驚異」小森長生
火星の成り立ちすら明確には分かっていないのが天文学の現状だ。それを言うなら、月の生成についても確定した説はないのだが。生物・宇宙より作者の専門の地質寄りであった。

「「大人」がいない」清水義範
私も全く持って大人としてのバランス感を兼ね備えていない人間なのだが、昔の人はいつ大人になったのだろう。15歳とか20歳という年齢をもって? 職業に就いたり、子供ができたという役割を担った時?

出張中に読んだ4冊。
「だれが「本」を殺すのか 上下」佐野眞一
書店、流通、出版社、図書館、古書店・・・。複雑な利権が絡み簡単ではない事が伺える。まあ、全然知らないわけでもないんだけど。

「手紙」東野圭吾
またまた自分に降りかかってきたらどうなるのストーリーである。

「快楽の都 グインサーガ110」栗本薫
ひさびさに異国情緒あふれる力の抜けた作品。そろそろメインストーリーに本腰を入れて欲しい。

東京紀行(またかよ) 10日

2006年10月10日 22時49分43秒 | 飲み歩き・東京
朝はさほど具合悪くなく起床。昼飯は社員食堂でご飯、味噌汁、納豆、サラダ(350円)。安い。仕事は少々早めに終わり、東京駅までタクシーで送ってもらい有楽町へ。まずは飯を食おうと、これまた以前来た「牛かつM」へ。

まずビール、串かつサービスセット(とっくり、うずら、アスパラ、カルビ、玉ねぎ、しし唐)。この店は店名の通り松坂牛を使った料理を出してくれるのだ。肉も旨いが野菜がまたいい揚げ具合だ。



さらに牛タン、ナスとメンチカツを追加。ナスはやはり油との相性が良い。熱が加わってトロトロの味わいである。250円とお得なメンチカツも上々だ。一口目は塩味で肉の味を楽しみ、以降はソースで食べる。追加したライムサワーを飲み干して終了。



2軒目はいつもの「F」へ。先月、松本に行く際にバーを紹介してもらったのだが、そのお礼をしなくてはならない。開店すぐに入り、まずは「ジンベースでちょっとひねりの効いたカクテル」を注文する。ウイキョウのリキュール、キュンメルを使ったかすかに風変わりな味のするシルバーブリットが出て、それを飲みながらお礼と松本の思い出話をする。ここでも「虫は旨い」と力説。

2杯目はウィスキーベースのハンター。3杯目は「ブランデーベースでサイドカーに匹敵する完成度のカクテル」と難しい注文(そうでもないのかな?)をしてみた所、オレンジジュースの香の良いオリンピックというカクテルが登場した。今回の東京出張は殊の外、楽しかったなあという思いを持ちつつ、帰宅。

これから4時間以上かかるのだけが辛いのだなあ。

東京紀行(またかよ) 9日夜

2006年10月09日 22時48分04秒 | 飲み歩き・東京
勝どきのホテルに荷物を置いてから、ぶらぶらと月島方面へ。今日は祝日のため開いている店が少ない。事前に調査しておいた「U」へと向かう。この店は何度か前を通ったことがあるのだが、開放感のある東南アジアの屋台の風情を持つ店である。

店内テーブルの一角に座り、ビール・ポテトサラダ・焼き穴子(タレ味)を注文。





すぐさま出てきたポテトサラダは、一人には十分すぎるボリュームだ。しばらくして穴子が到着。こちらは程よい分量であるが、500円という値段から考えると非常にお徳だと思う。カリッと焼けたところと、タレの味を満喫。寿司でも穴子が大好きな私であるが、思う存分に食べられるのが嬉しい。

何かもう一品だよなと、緑茶ハイとマグロホッペ焼きを注文。いやな予感は多少していたのであるが、到着した品を見てやっぱりと覚悟を決めた。



一人客にはちょっとボリュームありすぎだろう。頼んだ以上残さないのが私の基本スタンスであるが、いけるだろうか。マグロ自体は赤身の肉っぽいところと、脂の入ったトロケ加減のところが混じっており、味つけもとても美味しい。段々、箸のスピードが落ちる所をネギの力を借りてほぼ完食まで持っていった。

この店は大勢で「今日は魚食うか!」というときにはもってこいだろうな。私のような一人客と隣にいたカップルにはちょっと辛かったかもしれない。そのカップルは女性の方から「どうしてこんな店に連れてくるのよ!」オーラがちょっとだけ出ていたのであった。

とにかく苦しく、店を出た私は佃のほうまでぶらぶら散歩をしてから、ぐるっと回って再び月島に戻った。次は前回行ってみた「AT」へ。先客が5~6名いる中に入り、消化促進の意味でジン+ライム+ビタース多目のカクテルをお願いした。かなりたっぷり入れてもらったビタースが効く。



先客はどこかの青少年委員会の人たちらしい。しばらく様子を見ていたところ、ぐでんぐでんになった1名を送るために何人かが帰り、河岸勤めの人と、ダンディな男性が残り、私も会話に混ぜてもらうことになった。ダンディ氏は昔の並木通り界隈のバーの様子を教えてくれた。バーテンダーに任せると持っていた金額なりに飲ませてくれたそうだが、金のあるときは3000円くらい払っていたそうで、30年も前の話であれば結構な金額だっただろうと思う。

河岸氏は昭和43年頃に「初任給が10万いくらだったかなあ」という話をしてくれたが、やっぱりサラリーマンより相当良い金額なのだなあと思った。本人曰く「人の寝ている間に働いているからね」とのこと。私の2杯目はスペインのオルホ(粕取りブランデー)。マティーニを「マスターこれはキツイね」と飲んでいる河岸氏にちょっとだけ飲ませると「うわー、臭い」という感想だった。3杯目はストラスアイラ12年。

さて、次に入ってきたのは二人連れの男女(付き合ってはいないらしい)である。話を聞いていると高知出身で、男性は数年前、女性は4ヶ月前に東京に来たらしい。で、何故かこの女性が積極的に私に話しかけてくるのである。ちょっとアネゴっぽい彼女だが(年齢は私より下)、これが高知の「はちきん」という気質なのだろうか? 

非常に人見知りする私だが、ど真ん中から話しかけられて何だか波長が合い、楽しくなってきた。ジン+ライム+ソーダを追加して、もう少しお付き合いしてみることにした。男性の方も、連れてきた女性が周りの人とばかり話していたら面白くないのではないかと表情を伺って見たのだが、いい顔で笑っている。これはナイスガイだなあと話していると、私を含めた3人とも美術好きということが分かり、私は本日の美術館巡りの話をしてしまった。

さて、次に来たのがなんという偶然であろうか。私が前回この店に始めてきた時に話をした山本カントク氏(今日見たらそれほど似てなかった)ではないか。すっかり勢いのついた私は「大将、私のこと覚えてますか」と話しかけるわ、飲み物も追加するわとすっかり盛り上がってしまった。かろうじて翌日の仕事のことを思い出し、時間も覚えていないがホテルへ。
(20867歩)

東京紀行(またかよ) 9日午後

2006年10月09日 16時45分20秒 | ART
出張の前日から東京入り。3連休の最終日なので飛行機は見渡す限りほぼ満席。なぜ「ほぼ」かというと私の隣だけ空席なのである。楽で良いが、イジメにあっている人のようだ。



羽田から有楽町へ移動し、まずは出光美術館の「国宝 伴大納言絵巻展」へ。全く予想していなかったのだが、恐ろしいほどの込みようである。警備員の人に聞くと、展示ケースに沿って見るコースは2時間半くらいかかるらしい。ただし、そのコースのロープの後ろから見るなら、順番をまたずに入室してよいとのこと。先の予定がある私は、もちろん後ろから見ることにして入室した。

さて、絵巻であるが、以下の感想を持った。
・色彩が非常に豊か。オレンジ色なんて珍しく感じたな。しかも同じ色でも何種類もあるのが判る
・かな文字は源氏物語のような流麗可憐さはないが、キッチリしたウマさがある
・ストーリーが日本人好みだよね。「ああ無情」のよう
・前にTVか何かで聞いていたが、伴大納言は無罪という説があって、絵巻でも濡れ衣を着せたらしい男の背中の色が剥げているのだ。皆、「こいつが犯人なんだよね」と指をさしたせいらしい

かなり見ごたえのある展示であった。なお、常設展示のムンクの絵が入れ替わっており、「肘掛け椅子側の裸婦Ⅰ」が見られたので良かった。

続いて、竹橋へ移動し東京国立近代美術館「モダン・パラダイス展 大原美術館+東京国立近代美術館―東西名画の饗宴」へ。昼飯は途中のコンビニでいなり寿司とお茶。どうも時間が無いとなると手抜きになるな。



他の人のブログを読むと「パラダイス」をうまく表現できていない難解な展示だという意見が多いように思ったが、あまり私は気にならなかった。まず、面白かった作品は以下。

○徳岡神泉「蓮」:スーパーリアルともちょっと違うが、すごい描写力。
○ジャクソン・ポロック「カット・アウト」:ただのラクガキとはやっぱり違うなと。
○ゲルハルト・リヒター「抽象絵画(赤)」:緑と黒の背景に赤。面白い。
○関根正二「三星」「信仰の悲しみ」:「信仰の悲しみ」の方に意外と悲しみを感じない。「三星」の方が良い顔に見えるな。
○青木繁「男の顔」:傲慢さ漂う「オレ様」自画像。やっぱ青木はこうでないと。
○ギュスターブ・モロー「雅歌」:小品ながらも色彩の素晴らしい作品。
○古賀春江「深海の情景」:竜宮の使い、鮫、船、竜のおとしご、鰹、シャコ貝などのかかれた幻想的な画。
○イヴ・タンギー「聾者の耳」:ダリを思わせる形ながら、色彩が違う。
○マックス・エルンスト「つかの間の静寂」:赤・青・黄に照らされた石化した森の風情。
○藤田嗣治「血戦ガダルカナル」:遠くに雷光がきらめき、手前では人種すらも分かりにくい闇での殺し合い。作者が意図的であったかどうかは別として、この画を見て思うことは戦争肯定ではなく、「反戦」である。
○ワシリー・カンディンスキー「尖端」:実物の画を見ると只者ではないのが分かる。

また、類似テーマの作品を対決するかのように並べて配置しているのも面白かった。以下の勝敗は私の勝手な好みなので、真に受けないようにして欲しい。

○クロード・モネ「睡蓮」VS菱田春草「四季山水」:空気感VSシャープさでドロー。
○児島虎次郎「ベゴニアの畠」VSジョヴァンニ・セガンティーニ「アルプスの真昼」:洋画という相手のホームタウンに踏み込んだ児島が勝ちに近いドロー。
○ピエール・スーラージュ「絵画」VS横山操「塔」:立体感で横山の勝ち。
○岸田劉生「麗子肖像」VSアンリ・マティス「画家の娘」:リアル追及で岸田の勝ち。
○ピカソ「頭蓋骨のある静物」VS靉光「眼のある風景」:目力(めぢから)で靉光の勝ち。
○ジョアン・ミロ「夜のなかの女たち」VS棟方志巧「双仏」:北国魂に共感し、棟方の勝ち。
○ルノワール「泉による女」VS土田麦僊「湯女」:私がルノワール嫌いで土田の勝ち。
○ゴーギャン「かぐわしき大地」VS萬鉄五郎「裸体美人」:ゴーギャン作品の悲しみの表情が楽園に似合わない。何も考えていない裸体美人の勝ち。

何となく東洋圧勝の結果になってしまった。常設展も駆け足で眺めて、さあ、次は新宿の損保ジャパン東郷青児美術館だ。「ヨーロッパ絵画の400年 ウィーン美術アカデミー名品展」を見る。感想は以下。



○クラナハ工房「聖ドロテア」:微笑と女らしさが漂う作品。
○ルーベンス「三美神」:花びら・空・樹、描写力がすごい。思わず「パトラッシュ、僕なんだか眠くなってきたよ…」とフランダースの犬ごっこをしたくなったほどである(意味が分からん)。
○ムリーリョ「サイコロ遊びをする少年たち」:遊んでいるだけの少年達が何か神秘的にも見えてくる。
○ニッケレン「花瓶のある静物」:こういう精密な静物画、好きだなあ。
○ローベルト・ルス「ベンツィンガー・アウの早春」:樹木と水溜りの精密描写にビックリ。

あまり込んでいないところも良かった。午後3箇所で美術館巡りは終了。上野界隈でもっと興味深い展覧会をやっているのだが、今年中にもう一度東京に来る予定(マイレージが溜まったのだ)なので、それは次回ということで。

続く

本日も風雨強し

2006年10月08日 15時46分25秒 | Weblog
本日も風が強く、雨はおさまりつつあるものの床屋さんと図書館のみの外出。床屋さんの方は石趣味(化石含む)で、そんな話をしていると、順番を待っていたオジサンが、

オジサン「石だったらアメリカに行ったら、隕石集めて稼いでる奴がいるんだって」
床屋さん「私、隕石には興味ないんですよ。地球上のだけ」
オジサン「でもさ、金になるらしいんだよな。オレだったらやってらんないけど」

と無茶苦茶な会話になり、私は賛成も反対もしかねつつ笑いをこらえて帰宅。

20061008最近読んだ本

2006年10月08日 11時58分31秒 | 読書
「北海道田舎移住日記」はた万次郎
北海道下川町に移住した漫画家の話だが、私は車の運転をしないのと、本屋がなく無理だ。田舎だと車の運転は楽だというけどなあ。それから本屋もネット本屋に移行すれば良いではないかという話もあるが、それはまた別問題である(再読)。

「北海道青空日記」「ウッシーとの日々1~4」はた万次郎
上記のマンガバージョン(再読)。

「陰摩羅鬼の瑕」京極夏彦
花嫁5人連続殺人事件の謎。謎の周りを延々と周回するようなストーリーだが、最後になって、なるほどこれだけの説明が必要だったのかと感心させられる傑作。林羅山やハイデッガーもちょっと気になるなあ。

「はじまりの島」柳広司
「陰摩羅鬼の瑕」にも似た世界観の変転が感じられる作品。ダーウィンがなかなか魅力的なキャラクターで、読みやすさもありがたい。

「移動都市」フィリップ・リーヴ
冒険、ロマンあふれる気持ちの良い作品。少年期に読むべし。

「本朝幻想文学縁起」荒俣宏
再読。

「グランヴァカンス1」飛浩隆
うーむ、好みからすると非常に微妙だ。美しくリリカルなイメージを持ち、同時に残酷趣味が横溢。

「Otone」
札幌のオッサン向けの雑誌。初回の特集は寿司屋のカウンター。果たしてどうなるか。