先週一色漁港をぶらぶら。
その中で特に鮮やかだったのがこのテンスXyrichtys dea Temminck and Schlegelでした。桃色が綺麗で、頭がやや角ばっている魚で、1ケースしかなくとも、目立ついでたち。一見、アマダイやそのあたりの魚のように見えますが、このテンスはベラ科の魚です。
背鰭の形状がほかのベラとくらべて変わっています。背鰭の棘部が長く伸びます。とくに幼魚では非常に長く伸長します。
頭部。青色線があったり、眼に模様があったりとかなり綺麗な魚です。ホシテンスというのは本種によく似ていますが、口から後方に伸びる溝があることなどで見分けることができます。同じベラ科のイラというのがいますが、イラとは背鰭の形状がことなり容易に区別できます。
テンスの分布は南日本から東インドとなっており、日本海や九州西部でも見られます。本種は夜間に砂の中に潜って寝るタイプのベラです。沿岸域の砂底でキス釣りの外道として釣れます。肉は白身で、やはりベラ科の魚ということで煮つけにして食べるととても美味でした。