異体類シリーズ第3弾!ササウシノシタ科のオビウシノシタ。
オビウシノシタはササウシノシタの仲間なので、眼は右側。しかしこの前のササウシノシタと違い、やや小さめであるが明瞭な胸鰭を持っていることが特徴。口はササウシノシタのように強く曲がるなんてことはない。
体側には暗色と薄い褐色の、シマウマのような縞模様がある。体にシマウマ模様があるササウシノシタ科の魚類は日本に5種類が分布しているが、サザナミウシノシタやセトウシノシタの尾鰭は背鰭や臀鰭とはほとんどつながっておらず、ツノウシノシタは背鰭第1軟条が伸びることにより本種と区別できる。オビウシノシタの背鰭や臀鰭は尾鰭とつながり、背鰭第1軟条が伸びるようなことはない。
オビウシノシタの「そっくりさん」にシマウシノシタがおり、津軽海峡以西の本州から九州の沿岸ではよく見られる魚である。この2種を見分けるのはやや難しく、背鰭および臀鰭の軟条を数える必要がある。オビウシノシタの背鰭・臀鰭軟条数はそれぞれ78-90軟条、70-78軟条でありシマウシノシタ(それぞれ68-82軟条、56-70軟条)よりも多いが数字がかぶるところもあり、違いが微妙なところである。
このオビウシノシタの分布は魚類検索に従えば山口県日本海岸、福岡県津屋崎、長崎県沿岸、有明海で、海外では黄海、渤海、東シナ海に産する。つまり東シナ海に多い魚だ。この個体も東シナ海の以西底曳網漁業で漁獲されたもの。多くは水深100mよりも浅い海底に生息している。底曳網で漁獲されるもののあまり利用されないようだ。しかし近縁種のシマウシノシタのほうは、底曳網が盛んな地域では市場にもでる。
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