このまえゴマヒレキントキをアップしたので。今日もキントキダイ科の魚をご紹介。2013年に我が家にやってきたものなので、ちょっと、古いものなのであるが。
キントキダイ科キントキダイ属のキビレキントキ。キビレキントキはキントキダイ属の魚類では比較的珍しいもののように思われる。私も和歌山県沖で漁獲されたこの1個体しか見ていない。
キビレキントキの「キビレ」とは胸鰭が黄色であることにちなむ。実際に黄色がきれいなのだが、写真では残念ながらうまく写っていない。また腹鰭の付け根にはアカネキントキやミナミキントキにある黒色点がない。キントキダイやゴマヒレキントキとは、鰭に明瞭な斑点がないことで見分けられ、ホウセキキントキは尾鰭の形で見分けることができる。ホウセキキントキの尾鰭は三日月のように湾入する、またはすこし湾入するが、この種はそうならない。分布は伊豆諸島、紀伊半島、四国沿岸、奄美、沖縄近海、尖閣、東シナ海にまで及ぶが、インターネットで検索してもあまり情報が出てこない種類である。海外ではフィリピン近海にまでいるようだ。Fishbaseでは台湾産個体のサムネイルがアップされているが、あれは別種のように思われる。FishbaseのコモンネームではMiyake bigeyeという。Miyakeは三宅島のことかと思ったが、やはり三宅島らしい。タイプ標本が三宅島で採集されているようだ。
なお、この個体はカワリハナダイと一緒に我が家にやってきたものであるが、カワリハナダイと同じくらいの深さにいるのだろうか。そうなると生息水深がやや深いということになり、それゆえあまりお目に罹れないということもあるのかもしれない。和歌山県串本「潮崎商店」さんより。ありがとうございます。
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