一色漁港で採集されたマトウダイZeus faber Linnaeusの幼魚です。
マトウダイは2008年3月以来久々の登場となります。この魚は沿岸から沖合のやや深場に生息する肉食魚で、水深100m位の場所から底曳網で大量に漁獲されます。幼魚や、あまり大きくない個体はダイバーにより浅い場所でも撮影されています。この幼魚も沿岸の比較的浅所をひく小型底曳網漁業で漁獲されました。
肉食性の魚で、伸縮自在な口を使い海底の小魚を捕食しました。このときはこの魚は2個体漁獲され、もう一方の個体はコウライトラギスを丸のみしていました。大型個体の口の中からは、ホタルジャコなど鱗がはがれやすい魚も、鱗が綺麗な状態で出てきたりしました。
マトウダイの成魚。宇和海産。宇和海地方では体側の白く縁取られた暗色斑から「モンダイ」と呼ばれています。和名のマトウダイは、この模様にちなむという説と、頭部の形状にちなむという説がありますが、かつて和名は「マトダイ」とされていたこともあり、前者の方が説得力があるかもしれませんね。
紀伊大島では水温が低くなってくると成魚は-5m付近まで上がってきて、幼魚は-25m付近の物陰に隠れています。
体色を頻繁に変えますね。
5mまであがってきますか!