一昨日は「フタスジ」、昨日は「ミスジ」ときたら、今日は「ヨスジ」。ということでヨスジリュウキュウスズメダイ、にしようかと思ったのだが、なぜかなぜかのヨスジフエダイ。スズメダイ科の魚ではなく、フエダイ科の肉食魚で、スズメダイなどを捕食することもある。2019年に購入したものなのだが、ようやく紹介することができた。無事ご紹介できて何より。
ヨスジフエダイは黄色い体で、腹部が白っぽいが、陸にあげてしばらくすると赤みを帯びることが多い。この赤い部分に細かい線が入る。この特徴により、近縁種ベンガルフエダイと見分けることができる。ただしヨスジフエダイであってもこの線が入らないことがあるというので注意が必要。また眼の下の線の様子などでも見分けることができるが、これについてはYoutube動画などを見て頂ければと思う。今年の5月にかごしま水族館で撮影したベンガルフエダイ、画像では残せていなかったが、動画では見られるはず。ちなみに海外で撮影された「ヨスジフエダイの群れの写真」はベンガルフエダイであることも多い。Wikipediaのヨスジフエダイのページの写真もベンガルフエダイの写真が多数使われているので注意が必要である。一応Wikipediaのヨスジフエダイのページにあるベンガルフエダイの写真にはちゃんとベンガルフエダイとわかるようキャプションを編集しておいた。
本種の分布は広域に及び、東・南アフリカ~ハワイ諸島、マルケサス(マルキース)諸島にまで及ぶ。ただしハワイのものはマルケサス諸島から移入されたものともされる。縦帯のようすがほかの地域のものと異なるようにも見え、この地域の種は別種とされるかもしれない。マルケサス諸島は固有の種が多いのだ。東太平洋には見られないが、本種によくにた種Lutjanus viridisが知られている。体側の青白い明瞭な縦線が5本あるのが特徴のよう。この種も浅い岩礁に生息し、ときに群れをつくるなどヨスジフエダイと生態は似ているようだ。なおこのグループはインドー汎太平洋に見られるが、大西洋には見られない。
日本においては千葉県以南の太平洋岸のほか、日本海岸でも見られるとされるが、本当だろうか?基本的にはほかのサンゴ礁の魚同様に琉球列島や奄美諸島、小笠原諸島に多く見られる種である。サンゴ礁域や岩礁域のほか、河川の河口でも数は多くないが見られる。釣りや刺網、突き漁などで漁獲され、市場にも出て食用になり、刺身などでかなり美味しい。この個体は鹿児島魚市場に水揚げされたものを購入。田中水産の田中積さんより。いつもありがとうございます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます