魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

オニアジ

2024年04月01日 23時28分40秒 | 魚紹介

今日から新年度である。しかしながらこの年度はぶろぐをあまり更新できないかもしれない。今回も「以前紹介していたと思ったが、実は紹介していなかった」、そんな魚のご紹介。アジ科・オニアジ属のオニアジ。オニアジ属の魚はこのオニアジのみの1属1種のみからなる。

オニアジの特徴はいくつかあるが、最大の特徴はその小離鰭(しょうりき)である。この鰭は背鰭および臀鰭の後方にある小さな鰭のことで、サバ類では顕著であるが、アジの仲間ではムロアジ属が背鰭と臀鰭後方にそれぞれひとつもっているくらいで、あまりこの鰭を有する種は多くない。複数個有しているのはオニアジくらいのものである。この特徴によって、ほかのアジ科魚類とは容易に識別可能である。

このほか稜鱗(ぜんご、ぜいご)の形状もほかのアジ科魚類とは大きく異なっている。マアジやムロアジの仲間と比べると明らかに幅の広い稜鱗があり、この形質でも容易に見分けることができるだろう。写真などから同定するしかない場合は、小離鰭が広がっていないことがあるため、この形状をもとに同定するのが早いだろう。

顔つきはマアジよりもどこかシャープで「捕食者」的であるが、実際に肉食性が強いようである。眼は脂瞼に覆われているように見える。

オニアジは熱帯性のアジ科魚類であるが、日本においても主に宮崎や鹿児島県などで水揚げされている。この個体も鹿児島県で水揚げされたもので、当地ではそこそこ水揚げがあるようだが、「大隅市場魚類図鑑」によれば、鹿児島県内之浦湾においては成魚の漁獲はまれであるという。ただし幼魚は夏~秋にかけてまとまった数が漁獲されているという。日本における分布域は津軽海峡以南の日本海岸、相模湾以南の太平洋岸、瀬戸内海、琉球列島となり、海外ではインドー西太平洋の広域に分布している。身は赤みをおびてかなり美味、熱帯では重要な食用魚とされている。この個体は鹿児島県産で田中水産社長の田中積さんより。いつも、ありがとうございます^^


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