ダルマガレイ科、ニセダルマガレイEngyprosopon xystrias Hubbs, 1915です。ダルマガレイ科の魚はカレイ目の仲間では比較的大きなグループで、種類は150種を超えます。ヒラメ科の魚と同様に眼が体の左側に位置しているのが特徴です。サンゴ礁域のタイドプールから水深600mを超える深海に広く分布し、日本でも各種底曳網漁業ではある程度の量が漁獲され、おなじみの仲間です。ただし、小型種が多く一般的に食用にされるものは少ないです。ダルマガレイ属魚類は、浅い海から水深200mほどに生息し、世界で約30種、日本からは8種が知られています。
ニセダルマガレイは、ダルマガレイなどに酷似しています。写真からの同定は困難と言わざるを得ないのですが、以下に述べる形質により、他の種と区別することができます。
最も確実なのが、鰓蓋をめくって、第1鰓弓、下枝の鰓耙数を数えてみることです。
この写真からは少なくとも12あるように見えます。実際には13ありました。この数はダルマガレイや、チカメダルマガレイなどと比較して明らかに多いです。このほかのダルマガレイ属の種類とは、尾鰭にある黒色斑の有無で見分けられます。
ダルマガレイ属の種類では、吻に棘があるものがいます。この棘はダルマガレイでは雄にのみありますが、ニセダルマガレイでは雌雄問わずあるようです。ただしこの棘はたまにない個体もいるようで、注意しなければなりません。また眼の間にある骨は縁辺が少し隆起していおり、眼に少しかぶさるのも特徴です。
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