海底の癒し系、アシロ科のアシロOphidion asiro (Jordan and Fowler, 1902)です。
「科」や「目」の名前にもなっている「アシロ」ですが、この種類はなかなかお目にかかるチャンスがなかった種類です。水深100~200mの海底にすみ、決して珍しいものではないようですが、なぜか出会う機会がなかったものです。アシロ科の仲間はトロールの入らない水深400~数1000mの海底にすむものも多く、この科に含まれるヨミノアシロは8300mの海底から得られており、これは魚類中最も深くから採集されたともいわれています。
浅海の代表が、以前ご紹介したイタチウオ、トロール漁業で漁獲されていたのは、(私が見た限りではあるのですが) 本種のほか、シオイタチウオ、ヨロイイタチウオ、ウミドジョウなど少数ですが、探せばもっと見つかると思います。シロチョウマンの仲間や、ヒメイタチウオの仲間、あるいはシオイタチウオに近縁な種類も200m前後の場所から漁獲されることがあるからです。
アシロは眼が大きくてかわいらしいです。アシロの仲間は眼の大きいものから小さいものまでいろいろあり、超深海性のヨミノアシロや、頭部がゼラチン質のバケアシロなどのように眼が痕跡的で皮膚に覆われるものもあります。
下顎にあるのはひげではなく腹鰭です。イタチウオと違い口の周りには髭がありません。
アシロの鱗は斜めに並び、ちょっと変わった配列になっています。他の多くのアシロの仲間ではこのような配列ではないです。これにより同定することができますがアシロの仲間は鱗がはがれやすいようですので取扱いには注意が必要です。普通市場で並ぶことはないようですが練製品の原材料になることがあるようです。
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