魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ナガタチカマス

2023年05月30日 19時22分02秒 | 魚紹介

先日、愛知県の鈴木さんからすごい魚を入手。クロタチカマス科のナガタチカマスである。

以前八幡浜「昭和水産」宮本さんの「海幸丸」に乗せて頂いたときには全長1mクラスのものが漁獲されていて格好良かった。今回の個体は残念ながらメーターにはわずかに届かなかったのだがそれでも全長90cmを超える大物であり格好いい。

口は大きく強い歯を備える。このことからもわかるように肉食性が強く、獰猛な深海のハンターなのである。今回の個体は底曳網で漁獲されたものだと思うのだが、胃の中には何も入っていなかった。一緒に漁獲された生物を考えると、本種が漁獲されたのは水深100mくらいであまり深い水深ではないように思う。

ナガタチカマスの腹鰭

クロシビカマスの腹鰭(痕跡的)

ナガタチカマスの特徴は大きな腹鰭である。この大きさの腹鰭で大きいというのはおかしい、と思う人がいるかもしれないのだが、よく似た種では腹鰭がないのもいる。たとえばクロシビカマスの腹鰭は非常に小さかったり、ほぼなかったりする。一方ナガタチカマスとか、近縁のバラクータなどは小さいが明瞭な腹鰭を持っているようだ。バラクータは英語でSnoekというが、このナガタチカマスはBlack snoekと呼ばれている。バラクータの分布域は南半球に限られるが、ナガタチカマスは日本近海からインドー西太平洋に広く生息している。バラクータは日本においては見られないが、かつては食用として輸入されていたことがある。「おきさわら」という名前で売っていたようだが、現在もこの名称での販売が可能かどうかは不明である。バラクータとよく似た種小名をもつオニカマスSphyraena barracudaは販売が禁止されているので注意。

ナガタチカマスなどクロタチカマス科魚類はどうしても小骨が多い。しかし身は脂がよく乗っていて食べると極めて美味。今回は刺身で食したが中骨は煮つけ。これも美味しかった。クロタチカマス科の魚を食べたのは昨年トウヨウカマスを食べたのが久しぶりでそれ以前はカゴカマスを食べたものの、大型種を食したのは2016年にクロシビカマスを食べて以来である。

今回のナガタチカマスは愛知県の項明水産 鈴木項太さんより。今年になってから魚類を購入させていただいているのだが、もう3回目になる。いつもありがとうございます、今後ともよろしくお願いいたします。


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