このでっかいワカサギみたいな魚はキュウリウオという。キュウリウオはサケ目・キュウリウオ科・キュウリウオ属の魚である。
キュウリウオ科と聞くとあまりなじみのないように思えるが、重要な食用魚であるワカサギやシシャモもこの科の魚である。日本には6種が分布し、そのうちシシャモは北海道の太平洋岸にのみ生息する日本固有種である。
本種はほかのキュウリウオの仲間と比べて口が大きく、上顎後端は眼後縁直下に達すること、臀鰭外縁があまり丸くないなどの点で見分けられる。口は大きく、鋭い歯を持っている。
しかし写真からは全くわからないにおいがある。それがこの魚の「におい」である。本種はキュウリウオという名前なだけあって、キュウリの匂いがする。ワカサギなどと比べてやや大きくなるが、フライや焼き物などで美味しく食べられる。坂口太一さん、ありがとうございました。
分布域は広く、朝鮮半島の元山~カナダのブリティッシュコロンビア、オホーツク海、ベーリング海をへて北極海にまで生息している。日本では北海道のオホーツク海岸、太平洋岸に分布しておりよく釣れるようである。産卵のために河川を遡上するため浅海性であると思われるが、水深290m以浅の海底に生息し、底曳網で漁獲されることもある。なお、この個体はカレイの刺網にかかったものと思われる。
学名については従来はOsmerus eperlanus dentex、つまりO.eperlanusの亜種とされていたが、現在はそれぞれ別種とみなされているようだ。北西大西洋にはOsmerus mordaxが分布し、O.eperlanusは北東大西洋(欧州北部沿岸)に分布している。後者は英語ではEuropean smeltと呼ばれている。Osmerus dentexは北太平洋と北極海に分布しており、日本のキュウリウオの学名にはこれが適用されている。
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