全日本フィギュアスケート選手権が終了して、四大陸選手権・世界ジュニア・世界選手権に派遣される代表選手が発表された。選考方法はこちら。
世界選手権には、男女とも表彰台の3人が、条件①②③の全てを満たして文句なしの決定。
トップ3以外で四大陸の条件を満たしていたのは:
①グランプリシリーズランキング上位6名 村上大介・町田樹/今井遥・石川翔子
②全日本選手権6位以内 町田樹・無良崇人・村上大介/今井遥・佐藤未生・宮原知子
③ワールドスタンディング上位6名 町田樹・村上大介・田中刑事/今井遥・庄司理紗・西野友毬
このうち佐藤未生・宮原知子・庄司理紗は年齢制限で出場資格がない。四大陸は「できるだけ各国のトップ選手を派遣するように」とISUが希望しているらしく、全日本チャンピオンは原則出場となるようだ。男子4位の町田と女子4位の今井は条件全てに当てはまる。あと1人、男子はフリーの出来がよかった無良にチャンスが与えられた感じ。女子はファイナルに出られず試合数が少ない村上佳菜子に回したのかな。
試合数が少なかったという点では小塚崇彦も同じだが、世界選手権メダリストなので、「自分で調整しなさい」というところか^^;
世界ジュニアの代表、男子はなんだか予想通りになった。
ジュニア女子で条件を満たしていたのは:
①全日本ジュニア3位以内 宮原知子・友滝佳子・庄司理紗
②ジュニアグランプリファイナル&シリーズランキング上位3名 庄司理紗・宮原知子・佐藤未生
③全日本で(世界ジュニア派遣希望がある)上位3名 佐藤未生・宮原知子・庄司理紗
④ワールドスタンディングで(世界ジュニア派遣希望がある)上位3名 庄司理紗・西野友毬・藤澤亮子
4つ全部に当てはまったのは、庄司理紗のみ。宮原知子は今年がデビューなので④がないのは当然で、それ以外を満たすのでこれも文句なし。佐藤未生が2つクリアしていて、全日本のSPフリーともに安定した出来で、やはり順当な感じ。
西野友毬は、四大陸・世界ジュニア・世界選手権の全部で補欠ということになった。全日本であと0.03点高かったら、庄司理紗を逆転して③も満たすのでもしかしたら?というところだったかもしれないが・・・フリーで少し崩れてしまったので印象がよくなかったかな。
友滝佳子は、昨年に続いて全日本ジュニアで3位以内に入りながら全日本で上位3名に入れず、口惜しい結果になってしまった。村元哉中は、年齢的にはジュニアに出られる最終年だけど、派遣希望していただろうか。あと2.37点で③をクリアというところだったが。
国際大会に行けなくても、シーズンは続く。インカレ、インターハイ、全中に国体と、試合はいろいろある。全日本に出た人も出られなかった人も、それぞれの場所で頑張ってほしい
あらためて、全日本フィギュアスケート選手権、女子。フリーの結果だけ見ると、いろいろ意外な感じが
ジャンプに失敗があって、ベストの演技にならなかった鈴木明子だが、フリーは1位。きっかり1点、浅田真央を上回った。ジャッジスコアを見ると、二人とも後半のコンビネーションでは回転不足を取られたりして、決まったように見えたジャンプでもマイナスがついていたりするが、基礎点が1.1倍になる後半に2つ2回転になってしまった分、真央ちゃんはジャンプで稼ぐ点が少なくなってしまったようだ。
フリー3位で、技術点は断トツ65.59だったのが宮原知子。SP15位だったため、フリーは第2グループ。地上波では放送されなかったが、BSでは放送されるかな? 第2グループまでだと、そもそもカメラが回ってないことがあるらしいが…。
3回転ルッツ+3回転トウループ、ループ・フリップ・サルコウと全部3回転、後半にダブルアクセル+3回転トウループ、3回転ルッツ+2回転トウループ+2回転トウループ。スピンも全部レベル4、ジャンプが軽く跳べる年齢とはいえ、見事だ。
フリーで100点以上出した選手は8人。そのうち4人がジュニア勢で中学生、、、女子はジュニア勢が強い
年齢的にはジュニアに出られる村上佳菜子、フリーが終わった瞬間は「どうしよう、山田先生に怒られる」みたいな顔 そんな表情を見ると、まだ子どもと思ってしまう。あれだけジャンプに失敗があっても、そこそこの点数は出るので、四大陸で頑張って、自信を取り戻しておいで
「緊張でガタガタ震えてた」という今井遥、しっかり踊れてたし、3回転+3回転も跳べたし、上々。こちらも四大陸でさらにいい演技を期待しよう。
佐藤未生の全体に安定したジャンプと、鈴木春奈のきれいなスケーティングは、フリーをノーミスで滑り切った庄司理紗とともに、来季以降がすごく楽しみ。佐藤はジュニアグランプリシリーズ2大会で4位になってるし、鈴木春奈はゴールデンスピンのSPでアデリナ・ソトニコワをおさえて首位に立ち、総合2位だった。来季のジュニアグランプリファイナルは日本勢女子が複数進出かな
最終グループ初めての村元哉中、かなり頑張った 姉の小月と衣装の袖のひらひらが似てる(笑)
村元小月はいい演技のわりに点が出てなかったが、スピン1つとコレオスパイラルが0点になってしまっていた。スピンは同じもの2つ目判定? コレオスパイラルは時間が足りなかったのかな・・・
西野友毬はSPがよかっただけに、フリーはちょっと残念。世界ジュニア出場を目指した友滝佳子、昨季より下半身が強くなってジャンプは安定したように見えたが、全体にちょっと重かったか。
高山睦美の演技は、今回の放送で初めて見たかも。大学3年(真央ちゃんと同学年)でSPもフリーも大人っぽい雰囲気だが、八木沼純子の解説で「もう少しスピードがあれば…」とステップで言われていた。前回はフリーに進んでいないので、今回は頑張ったほうかもしれない。
真央ちゃんを除くと、大学生年代の選手たちは村元小月の12位が最高。130点台の選手がほとんど、、、女子は厳しい
アイスダンス優勝の水谷太洋/ブリナ・オイ組と、ペアの高橋成美/マーヴィン・トラン組のフリー演技が放送されてよかった。成美ちゃんとマーヴィン、ソロジャンプを決められるようにしないと そしてオイ選手や、平井絵己選手の新パートナー、マリオン・デ・ラ・アソンション選手について、詳しいことが知りたい
男子シングルとアイスダンスかけもちの玉田裕也選手、ショートとフリー計4本の演技、お疲れ様
長くなったので、選手権代表については次に。
マラソンでも駅伝でもないけれど。
浅田真央選手の、今回の全日本フィギュアは、“完走”することが一番の目標だったように思う。
フリーの演技、音楽が鳴った瞬間に、ぱっと笑顔になった。それは振付の一部のように自然で、体全体にスイッチが入る動作。彼女のいう“いつもどおり”の滑らかな動きが始まった。
後半にジャンプが2回転になってしまう失敗があったが、もう大きく崩れることはない。多くの選手がプログラム中盤でスピード感で見せるコレオスパイラルを、プログラムの最後にしっとりと見せる。終了の瞬間まで、いつもどおりの真央ちゃんだった。
天を仰いだ表情は、「いつもどおり、できたよ」とお母さんに報告しているような顔に見えた。コーチの佐藤夫妻がとにかくほっとした表情。会場全体が、ほっとしたんじゃないかな。
キス&クライで「ループが口惜しかった」等、技術的な話を交わす。頭にあるのは、次の試合のことなんだろう。
今は、「氷の上にいるほうが気が紛れる」という真央ちゃん。上手に休みを取って、疲れをためないようにしながら、シーズン後半を自分らしく進んでいけますように。