フィギュアスケート・GPシリーズ2013第3戦中国杯、あっという間に最終種目のペア・フリー(ジャッジスコア)。
フェリシア・ザン/ネイサン・バートロメイ(米)…スローで転倒があったが、きれいな姿勢のスターリフトなどで実力は発揮した。105.19、合計155.52。
ダリア・ポポワ/ブルーノ・マソ(フランス)…コンビネーションジャンプで女性が転倒、スローでも転倒があったり、上げきれずに下ろしたリフトがあったりして、ベストには遠い出来になってしまった。89.51、合計141.33。
アナスタシア・マルティウシェワ/アレクセイ・ロゴノフ(ロシア)…「枯葉」でムードたっぷりに始まる。ソロジャンプは単独もシークエンスも、女性がなんとか下りて頑張った。上がり切らなかったリフトを下りたところで女性が転倒してしまい クリーンなプログラムとはいかず。94.17、合計147.19。
王雪涵/王磊(Xuehan WANG/Lei WANG)(中国)…「雨に唄えば」で滑りだすとさっそく観客から手拍子が起こる。トウループの3回転+3回転、3回転サルコウとソロジャンプをきれいに決め、ツイストもスローも完璧。なかなかきれいなスプリットポジションのリフトもばっちりで、本人たちも大喜び。115.19、合計172.35と高得点。
アレクサ・シメカ/クリス・クニエリム(米)…ソロジャンプでの回転抜けやスローの転倒はあったが、終盤の盛り上がりは悪くなかった。103.73、合計161.72。
彭程/張昊(Cheng PENG/Hao ZHANG)(中国)…大声援に後押しされて、凄い高さのツイストやぽーんと遠くまで飛んで行くスロー、迫力のリフト。唯一のミスはソロジャンプのコンビネーションで女性だけセカンドが1回転になったくらい。122.95、合計187.19は自己ベスト更新。
アリオナ・サフチェンコ/ロビン・ゾルコビー(ドイツ)…「くるみ割り人形」♪ 淡いピンクの衣装のサフチェンコが可憐に見える ソロジャンプのシークエンスは決まったが単独のアクセルは少しミス。ほかのエレメンツはいつもながら安定して、完璧なユニゾンのサイドバイサイドスピンや、ゾルコビーが片足のエッジを持ってY字バランスの姿勢を保ちながらデス・スパイラルに入るところでは、ペアをよく知っている中国の観客から大きな拍手が起こった。“公約”のスロートリプルアクセルは、惜しいところで転倒したが、ナイストライ。132.14、合計201.21。
龐清/佟健(Qing PANG/Jian TONG)(中国)…「夢破れて」♪ 相変わらず息ぴったりな二人。ジャンプシークエンスのアクセルがシングルになったり、単独が2回転になったのしかミスがないように見えたが、それが実はかなり響いたのか、得点は思ったほど伸びずに124.00、合計194.38。
結果、優勝はサフチェンコ/ゾルコビー、2位に龐清/佟健、3位に彭程/張昊、4位も中国の王雪涵/王磊。隋/韓もいるし、中国のペアは今後も安泰?!
グランプリシリーズも半分終わったので、ぼちぼちファイナルの予想を立てようかな・・・
フィギュアスケート・GPシリーズ2013第3戦中国杯、男子フリー(ジャッジスコア)。
王一(Yi WANG)(中国)…冒頭の4回転は“回り過ぎて(by解説:佐野稔氏)”コンビネーションにならず、2本目も3回転に。でも崩れずに頑張った。121.95、合計185.22。
宋楠(Nan SONG)(中国)…曲は「ミッション」。冒頭4回転予定は3回転に。スローパートの中でトリプルアクセルや3連続コンビネーションが決まって盛り上がった。表現力という点では閻涵より正統派だと思う。4回転が3回転になった関係で3回転がトウループ2回、アクセル2回、ルッツ2回となってしまい、最後に跳んだ3回転ルッツ+2回転トウループ+2回転ループが無効 128.18、合計196.80。
ペーター・リーベルス(ドイツ)…背中の蛍光色ブルーがアクセントのスーツ。4回転1本下りて、全体にまとめてきた。両手を直線的に伸ばした姿勢が多いのは癖? 131.46、200.80。
リチャード・ドーンブッシュ(米)…ビートルズメドレーで、4回転サルコウは転倒したが、全体にはいい動き。コレオシークエンスのバレージャンプの高さに会場が沸く。145.99、合計218.57。
フローラン・アモディオ(フランス)…面白いアレンジのジャズ系ナンバーメドレー。例によって軽快なステップで魅了する。4回転は1本なんとか立ったが1本は1回転に。後半、トリプルアクセルやルッツで2回目なのに単独で終わったジャンプがもったいないかも(シークエンス扱いで基礎点が下がる)。136.64、合計213.39。
デニス・テン(カザフスタン)…4回転が2回転になってしまい、後半ルッツが1回転に。それでもほかはまとめてきた。怪我を抱えているらしいが、バランスのいいスケーティングは健在。147.75、合計224.80。
小塚崇彦…冒頭の4回転で転倒、回転は足りてるように見えたけど、、、。トリプルアクセルがシングルになったり、別のジャンプで転倒したり、、、。いつもより、ジャンプの助走ですごく慎重になっている感じがした。最後のスピンで軸足が伸びきらないので、どこか痛いのかと心配になる。145.30、合計226.92。ここでトップに立つ。
マクシム・コフトゥン(ロシア)…チャイコフスキー「ピアノ協奏曲」で、堂々と滑る。4回転3本を予定していて、2本は見事に決めたが3本目のトウループは2回転になってしまった。それ以外はほぼ完璧だったけど、SPフリー合わせて4回転5本は成功したら史上初だったらしく、本人はとても口惜しそう。156.81、合計238.65は自己ベスト更新。
閻涵(Han YAN)(中国)…ウィンナーワルツ系の曲。冒頭のトリプルアクセルは回り過ぎてステップアウト、でも4回転+3回転のコンビネーションは決めた。後半2回転になったり転倒したりで、完璧とはいかなかったが、155.48、合計245.62。中国男子として史上初のグランプリシリーズ優勝となった。
結果、優勝が閻涵、2位にコフトゥン、3位に小塚崇彦が入った。小塚選手はスケートアメリカで6位、今大会3位でファイナル進出ポイントは16。進出はおそらく無理だが、全日本までの間にコンディションを整えて頑張ってほしい。
フィギュアスケート・GPシリーズ2013第3戦中国杯、女子フリー(ジャッジスコア)。
郭小雯(Xiaowen GUO)(中国)…いくつかジャンプでこらえて立つところがあったが、とにかくコケずに最後まで頑張った。手足がすらっと長くていいプロポーション、これから伸びそう。94.18、合計139.50。
張可欣(Kexin ZHANG)(中国)…「ポル・ウナ・カベッサ」「ラ・クンパルシータ」のタンゴメドレー。合わせてちょっと派手なメイク^^; 決まるジャンプは豪快だけど、転倒や2回転になったものもあって完璧ではなかった。曲と振付がぴったり合ってない感じを修正できるといいんだけど。91.56、合計144.88。
李子君(Zijun LI)(中国)…ローリー・ニコル振付の「コッペリア」、淡いピンクの衣装はこの子によく似合う。3回転+3回転はセカンドを2回転に、ダブルアクセルからのコンビネーションは単独に。後半疲れてしまってスピードが落ち、最後のジャンプは1回転に。ステップもコレオシークエンスもやっとの思いでこなした感じ。85.40、合計138.98。
アグネス・ザワツキ(米)…黒の衣装でタンゴメドレー。決めたかった3回転+3回転は3回転+2回転に、つまりながらこらえて立つジャンプがいくつか、転倒もあってねらった通りにはいかなかった。振付は洗練されてると思うので、次のロシア大会ではジャンプも決めてほしい。93.91、合計147.64。
ニコル・ゴスヴィアニ(ロシア)…ラフマニノフの前奏曲で、白地に黒の透ける生地を重ねた衣装がお洒落。3回転+3回転のセカンドで転倒、ほかにも2回転になったジャンプがあった。「手の使い方がきれいですね」と解説の荒川静香。98.28、合計152.04。
今井遥…ピアノ協奏曲で柔らかに滑る。最初はわりとスピードもあったが、珍しく3回転サルコウで転倒。コンビネーションが3連続にできなかったり、ダブルアクセルでつまってしまったり。表現力は順調に伸びてきてるだけに惜しい。95.51、合計150.30。
村上佳菜子…曲は映画「愛のイエントル」から。ジャンプやスピンが表現に溶け込み、音楽と一体になる素敵なプログラム。後半フリップとアクセルが1回転になるミスがあったが、108.62、合計165.95と一応まとめられたのはよかったかな。
アンナ・ポゴリラヤ(ロシア)…ターコイズブルーの衣装で、細長い手足がよく動く。冒頭から3回転+3回転、3回転ループ+1回転ループ+3回転サルコウなど、次々決めていく。アクセル2本だけミスが出たが、この選手もまた大きく伸びそう。118.38、合計178.62。
カロリナ・コストナー(イタリア)…今季は名曲「シェヘラザード」。ピンクのレオタードに透けるブルーのスカートをあしらった衣装。2回転になってしまったジャンプや転倒もあったが、後ろ向きのスパイラルでは会場が沸いた。完成したら魅力的なプログラムになるだろう。110.65、合計173.40。
アデリナ・ソトニコワ(ロシア)…曲は小塚孝彦も使っている「ロンド・カプリチオーソ」。金ラメで網状の模様の下地の上にブラウンで透ける生地がパレオのようについている、けっこうセクシーな衣装。今日は3回転ルッツからのコンビネーションを3回転ループから2回転トウループに。フリップジャンプ2つで転倒、終盤は少しスピードが落ちてしまった。108.67、合計174.70。SPのリードを守れず。
結果、ポゴリラヤが初優勝、2位にソトニコワ、3位にコストナー。村上佳菜子が4位、今井遥は6位となった。これはファイナル進出メンバーに影響しそう。
このあとは男子フリー。
フィギュアスケート・GPシリーズ2013第3戦中国杯、2日目。アイスダンス・フリーダンス(ジャッジスコア)。
于小洋/王晨(Xiaoyang YU/Chen WANG)(中国)…ボーカル入り「アランフェス」♪ パープルの衣装でしっとりと。大きなミスはなく、今の力は発揮できた感じ。64.94、合計106.18。
張伊伊/呉楠(Yiyi ZHANG/Nan WU)(中国)…地元北京が拠点のカップル。ジャズっぽい曲のタンゴアレンジ。ツイズルの最初の部分で男性がフリーレッグをついてしまった。それ以外は特にミスはなかったので惜しい。63.19、合計104.98。
ペルネル・カロン/ロイド・ジョーンズ(フランス)…「白鳥の湖」を完璧に演じた!ツイストのレベルが前の2組とは全然違う。ステップの構成が曲によく合っているし、曲の盛り上がりと共に高難度のリフトが決まっていくのが快感。83.92、合計134.12。
アレクサンドラ・アルドリッジ/ダニエル・イートン(米)…インドの曲と衣装で、細かい手の動きまでインドらしくて個性的。悪くなかったけどあまり点は伸びず、79.14、合計132.06。
マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ(米)…「レ・ミゼラブル」、まずドラマチックなリフトで魅せる。「夢破れて」などよく知られた曲でストーリーを展開する振付は、内容を知らない人にも伝わる盛り上がり。93.76、合計150.53とシーズンベスト更新。
ナタリー・ペシャラ/ファビアン・ブルザ(フランス)…パステルカラーのピンクとグリーンの衣装が可愛い。肩の上で逆立ち!のリフト、「禁じられた遊び」のギターではしっとりと。終盤のアップテンポな曲では観客も手拍子。102.08、合計165.68。
エカテリーナ・ボブロワ/ドミトリ・ソロヴィエフ(ロシア)…黒の衣装で袖の下のひらひらが効果的。ヴィヴァルディ「四季」やモーツァルトとクラシックでオーソドックスな感じ。抱えたローテーショナルリフトからそのまま男性がひざまずいて終わるラストが印象的だ。97.72、合計163.42。
結果、ペシャラ/ブルザが優勝、2位にボブロワ/ソロヴィエフ、3位にチョック/ベイツが入った。
北京の観客はわりと品よく、いいところで拍手してくれてるようだ。フィギュアを見慣れて観客も洗練されてきたかな
フィギュアスケート・GPシリーズ2013第3戦中国杯。ペア・ショートプログラム(ジャッジスコア)。
王雪涵/王磊(Xuehan WANG/Lei WANG)(中国)…サン=サーンス「白鳥」でしっとりと。技術的に確かなところを見せた。57.16。
フェリシア・ザン/ネイサン・バーソロメイ(米)…ミュージカル風の楽しいプログラム。前の組と比べるとやや重たく見えてしまうかな^^; ソロジャンプで男性が転倒。回転不足もあったようで、50.33にとどまる。
彭程/張昊(Cheng PENG/Hao ZHANG)(中国)…「グリーンデスティニー」の曲。女性のグリーンの衣装がきれいな色。すごい高さのトリプルツイストを決めたが、ソロジャンプはちょっと失敗。男性の張昊選手の髪型が大きく変わっていて見違えた(笑) 64.24。
アナスタシア・マルティウシェワ/アレクサイ・ロゴノフ(ロシア)…ロシアの若手ペア。パープルの衣装がよく似合う。高いスロージャンプ、すごく複雑な下ろし方のリフトが見事。スピンではちょっとミスがあったようで、53.02。
アレクサ・シメカ/クリス・クニエリム(米)…柔らかなストリングスの曲にのって、高いツイストやスロージャンプ。ソロジャンプではそろって転倒してしまったが、57.99はそのわりに高い得点。成功したエレメンツのGOEがよかったようだ。
ダリア・ポポワ/ブルーノ・マソ(フランス)…ジャズとチャールストンのリズムで軽快に。ツイストを下ろした直後に男性が一瞬バランスを崩して片手をつき、女性の手をとってポーズを決めることができなかった。女性の方は一人でバランスをとって事なきを得たが、こういうのはあんまり見ないかも。51.82。
龐清/佟健(Qing PANG/Jian TONG)(中国)…黒い衣装でシックな印象。ソロジャンプ、スロー、ツイスト、どれも不足ない出来。二人の世界にうっとり。70.38とシーズン初めとしてはいいスコアが出た。
アリオナ・サフチェンコ/ロビン・ゾルコビー(ドイツ)…白地にブルーをぼかした衣装はどこか幻想的。ツイストはよかったがソロジャンプで男性が片手をついた。今季は挑戦すると宣言しているスロートリプルアクセル、あと少しで成功というところだったけど、ステップアウトだった。69.07。
1位龐/佟、2位サフチェンコ/ゾルコビー、3位彭/張。1位と2位の差はわずかなので、フリーでどうなるか。彭/張は確実に3位が取れそうな気配。