ソチ五輪の競技が本格的に始まり、関連の番組、ニュースが日々あふれんばかりに流れている。中には、普段冬季オリンピックの競技なんか見てないし取材してない人も、駆り出されて記事を書いたり、番組で取り上げたりしていると思われ、、、
フィギュアスケートファンとしては残念な伝え方がいろいろ。
・秘策?
団体男子ショートプログラムに登場した羽生結弦選手のジャンプについて、「基礎点が高くなる後半にジャンプを2本跳ぶ“秘策”も成功」。昨シーズン、歴代世界最高得点を出したときから、みんな知ってます
・とどまった、というより
団体のSP/SDで「ペアとアイスダンスが8位にとどまり」。今シーズンのベストスコアや世界ランキングを比較したとき、結成1年のペアは明らかに最下位で、僅差とはいえ8位は大健闘。アイスダンスも、9位と10位になったカップルとの差はほとんどなく、確実に8位を取ったのは偉かった。そのあたり、オリンピックでしかフィギュアスケートを見ない人にちゃんと伝えてほしい。
・スケジュールに入ってます
今朝の情報番組をザッピングしたら、どこもフィギュアスケート団体戦の話題。5位だったのでどの局も、「個人戦に向けて一度滑れたのはよかった」的な調子で伝えている。ある局で、このあとの個人戦の予定をカレンダー表示のフリップに出して「男子は13日、女子は16日」。男子女子6人は顔写真も貼られているが、ペアとアイスダンスは文字すら書いてない
メダルや入賞が期待できないからといって、無視しないでほしい。メディアのそういう扱いも、一般に知られない→人気が出ない→カップル競技がなかなか強化できない、という原因の一つなのでは?
スノーボードとかスキーフリースタイルとか、バイアスロンとかショートトラックとか、私もオリンピックでしか見ない競技がたくさんある。オリンピックのときに記事や放送で得た知識しかないから、その内容が十分じゃなかったら、ずっと間違ったり偏った知識でいることになる。
“にわか”ファンが出没するときだからこそ、伝え方は超!重要
第22回冬季オリンピック・2014年ソチ大会、フィギュアスケート・団体アイスダンス・フリーダンス(ISUリザルト/ジャッジスコア)。
#1 <日本> キャシー・リード/クリス・リード
「Shogun」♪ ひとつひとつ、大きな動きで演じ切った。76.34。リフトで時間(6秒)オーバーの減点1。
#2 <イタリア> シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ
「ロミオとジュリエット」♪ 映画の雰囲気そのままの衣装と髪型で素敵。低い姿勢のリフト、スケート靴に乗るリフト、ストレートラインとローテーショナルを組み合わせたリフトなど、見せどころがたくさんあった。よく知られている曲なので自然と手拍子も。81.25。
#3 <ロシア> エレーナ・イリニフ/ニキータ・カツァラポフ
「白鳥の湖」♪ このカップルは黒い衣装で黒鳥を演じる。ノーミスでバレエそのもののプログラムを演じ切り、103.48、衣装の羽が落ちて1点減点。
#4 <カナダ> テッサ・ヴァーチュー/スコット・モイヤー
「Petit Adagio」「Waltz in Concerto No. 2」♪ オレンジにゴールドをあしらったヴァーチューの衣装が美しい。リフトは姿勢もスケートの軌跡もきれいで、二人の息の合い方がすごくいい。このプログラムは好きだ。107.56。
#5 <アメリカ> メリル・デービス/チャーリー・ホワイト
「シェヘラザード」♪ 相変わらずのスピード感がすごい。「アイスダンスをスポーツにした」と言われるだけのことはある。ヴァーチュー/モイヤー組と同じコーチ・振付師なので、ところどころ似た動きもあるのが面白い。114.34、自己ベスト更新。
結果、1位アメリカ、2位カナダ、3位ロシア、4位イタリア、5位日本。
総合結果、1位ロシア(75)、2位カナダ(65)、3位アメリカ(60)、4位イタリア(52)、5位日本(51)。オリンピック団体戦最初の金メダルはロシアだった。
全体の感想はまたあとで。
第22回冬季オリンピック・2014年ソチ大会、フィギュアスケート・団体女子フリー(ISUリザルト/ジャッジスコア)。あっこちゃん、がんばれ~~~
#1 <カナダ> ケイトリン・オズモンド
「クレオパトラ」♪ 今季は怪我があって、国際大会でフリーを滑るのはこれが初めて。背中一面と手首にカラフルなストーンがちりばめられた衣装がゴージャス。ジャンプで転倒が1回あったが、元気よく滑り切った。110.73。
#2 <アメリカ> グレイシー・ゴールド
「眠れる森の美女」♪ 冒頭から3回転ルッツ+3回転トウループ、ダブルアクセル+3回転トウループと決まって、ぐいぐい乗っていった。素敵なお姫様の雰囲気をきれいなスケーティングで醸し出していく。途中で背中のホックが一つはずれて、ジャンプするとパフパフするのが気になったけど^^; 129.38、自己ベスト更新。
#3 <日本> 鈴木明子
「オペラ座の怪人」♪ オルゴールの調べに眼を覚ますクリスチーヌ。3連続コンビネーションが最初に決まる。ダブルアクセルからのコンビネーションはセカンドを2回転にとどめた。こらえたジャンプや、キャメルスピンで少しトラベリングする場面もあったが、最後まで“very Akiko”なプログラムを貫く。112.33。回転不足2つとダウングレード1つ、、、厳しい、、、
#4 <イタリア> ヴァレンティナ・マルケイ
映画「ミッション・インポシブル2」より「Nyah」♪ 最初のダブルアクセルのコンビネーションが+2回転になった以外は、全部予定通りに跳べた いつもながら眼力ばっちりの色気。112.51。僅差で日本をかわしてきた。
#5 <ロシア> ユリア・リプニツカヤ
「シンドラーのリスト」♪ ソトニコワ選手ではなく、フリーもリプニツカヤ選手が起用された。大歓声の中、冒頭の3回転ルッツ+3回転トウループ、ダブルアクセル+3回転トウループ+2回転トウループと軽々と決める。“私、失敗しないので”と言いたげに、一つのミスもなかった。顔の表情は少し固かったけど、15歳でチームの金メダルがかかる演技なんだから、それも当然だろう。終わって投げ込まれたキャップを被ってにっこり。141.51、また自己ベスト更新。
結果、1位ロシア、2位アメリカ、3位イタリア、4位日本、5位カナダ。
チーム暫定順位は、1位ロシア(67)、2位カナダ(56)、3位アメリカ(50)、4位イタリア(45)、5位日本(45)。イタリアと日本はポイントで並んだが、フリー上位2種目の合計ポイントでイタリアが上になった(イタリア:ペア3位8ポイント+女子3位8ポイント/日本:男子3位8ポイント+女子4位7ポイント)。
1位ロシアと2位カナダのポイント差が11となり、ロシアが仮にアイスダンス棄権してもカナダが追いつけないので、この時点でロシアの金メダル確定。同時に、カナダとアメリカの差が6ポイントとなったので、カナダはアイスダンスで棄権しない限り銀メダル。アメリカとイタリア・日本の差は5ポイント、やはり棄権がない限りアメリカの銅メダルもほぼ手中に入った。
あとはアイスダンス。ただ演技を楽しもう
第22回冬季オリンピック・2014年ソチ大会、フィギュアスケート・団体男子フリー(ISUリザルト/ジャッジスコア)。町田樹選手、頑張って
#1 <イタリア> ポール・ボニファチオ・パーキンソン
「Adagio Allegro Andante(クイーン・シンフォニー)」♪ 4回転サルコウ、今日も転倒してしまった。トリプルアクセル1本目はコンビネーションできれいに入ったが、2本目でほぼ下りてから転倒がもったいない。3回転予定で2回転になったのが2つ。精一杯やった、という顔。この人は多少失敗しても笑顔で滑るのがいい。121.23。ISU自己ベスト更新。
#2 <アメリカ> ジェイソン・ブラウン
「Reel Around the Sun」♪ おなじみのリバーダンス、前半に2本のトリプルアクセルを決めたら一安心、のびのびとステップは手拍子にのる。1回転ループをはさむ3連続コンビネーション、サードジャンプのサルコウで転倒したが動揺はなく、片手上げルッツも決まった。153.67。
#3 <カナダ> ケヴィン・レイノルズ
「Excelsius」♪ 今季ほとんど初めての国際大会がオリンピック。ブルーに片袖だけ白の衣装。冒頭から4回転サルコウ、4回転トウループ+3回転トウループを決めた! トリプルアクセルはステップアウトしたが、後半にも4回転トウループ。終盤のドラムが響く部分では自然と手拍子が起こった。167.92。
#4 <ロシア> エフゲニー・プルシェンコ
「ベスト・オブ・プルシェンコ」♪ かつて滑った曲をメドレーで。最初に4回転トウループで大歓声。次は4回転の予定を3回転ルッツに変えた。トリプルアクセルでもまた大歓声。後半にもトリプルアクセルを決めたが、3回転予定が2回転になった部分も。昔に比べるとステップなんかは上手くなった気がする^^; 168.20、僅差でカナダをかわす。
#5 <日本> 町田樹
「火の鳥」♪ 会場の興奮がさめやらぬ状況で出て行ったが、落ち着いた顔でスタートのポーズ。冒頭の4回転トウループをきれいに決める。2本目は3回転になってしまったが、ミスにはならなかった。トリプルアクセル2本も入り、ステップもコレオシークエンスも、生き生きと羽ばたいた これはいい得点!と期待したが、165.85。。。口惜しい 4回転予定が3回転になったために、コンビネーションのセカンドを2回転にとどめたり、3連続コンビネーション予定が2連続で止まったのが痛かったかも。(3回転トウループはもう1本跳べた)
しかし、ここで一度滑ったことは個人戦に生きると思う。最高の滑りを見せておくれ
結果、1位ロシア、2位カナダ、3位日本、4位アメリカ、5位イタリア。
チーム暫定順位は、1位ロシア(57)、2位カナダ(50)、3位アメリカ(41)、4位日本(38)、5位イタリア(37)。
次は女子フリー
第22回冬季オリンピック・2014年ソチ大会、フィギュアスケート・団体も最終日。今大会フィギュアスケート最初のメダルが決まる。
フリーのシーズンベスト一覧を予想(?!)の参考に。ISUは、グランプリシリーズとファイナル、四大陸およびヨーロッパ選手権。その他はB級国際大会。国内は国内選手権。左がSP得点、右が技術点。ISUシーズンベストよりいいスコアがあった場合のみ表示。
<男子>
ISU | その他 | 国内 | |||||||||
イタリア | ポール・ボニファチオ・パーキンソン | 120.70 | 64.92 | ネーベルホルン杯 |
139.73
|
||||||
アメリカ | ジェイソン・ブラウン | 158.32 | 78.20 | エリックボンパール杯 | 182.61 | 89.27 | |||||
カナダ | ケヴィン・レイノルズ | 164.16 | 82.38 | ||||||||
ロシア | エフゲニー・プルシェンコ | 180.91 | 88.71 | ヴォルヴォオープン | |||||||
日本 | 町田樹 | 174.20 | 90.84 | スケートアメリカ | 183.82 | 96.92 |
<女子>
ISU | その他 | 国内 | |||||||||
カナダ | ケイトリン・オズモンド | 136.94 | 68.54 | ||||||||
アメリカ | グレイシー・ゴールド | 117.20 | 56.09 | スケートカナダ | 139.57 | 71.27 | |||||
日本 | 鈴木明子 | 127.99 | 61.76 | スケートカナダ | 144.99 | 72.11 | |||||
イタリア | ヴァレンティナ・マルケイ | 107.87 | 47.32 | ヨーロッパ選手権 | 108.75 | 49.15 | ロンバルディア杯 | ||||
ロシア | ユリア・リプニツカヤ | 139.75 | 71.75 | ヨーロッパ選手権 | 140.49 | 70.02 |
<アイスダンス>
ISU | 国内 | ||||||
日本 | キャシー・リード/クリス・リード | 81.85 | 41.58 | スケートアメリカ | 87.36 | 45.74 | |
イタリア | シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ | 86.23 | 43.32 | ヨーロッパ選手権 |
94.60
|
||
ロシア | エレーナ・イリニフ/ニキータ・カツァラポフ | 102.82 | 50.51 | エリックボンパール杯 | |||
カナダ | テッサ・ヴァーチュー/スコット・モイヤー | 112.41 | 54.56 | グランプリファイナル | 117.87 | 57.92 | |
アメリカ | メリル・デービス/チャーリー・ホワイト | 113.69 | 55.29 | グランプリファイナル | 119.50 | 59.50 |
町田樹選手、キャプテン!鈴木明子選手、そしてキャシー&クリス、頑張って