第22回冬季オリンピック・2014年ソチ大会、フィギュアスケート・女子ショートプログラム(ISUリザルト/ジャッジスコア)。とうとうこの日が来た・・・
浅田真央選手、鈴木明子選手、村上佳菜子選手。みんな最高の演技ができますように
<G1>
#1 エレーナ・グレボワ(エストニア)
「Love in Three Acts」♪ 3回目のオリンピック。3-3予定のトウループは3-2に。アクセルがシングルになってしまった。第1滑走を引いてしまったのが少しアンラッキーかも。46.19。
#2 パク・ソヨン(韓国)
サン-サーンス「白鳥」♪ 白鳥らしく白にクリスタルをあしらった衣装。最初のサルコウが1回転になったが、ルッツに2回転トウループをつけられた。滑り自体は安定して柔らかで好感が持てる。49.14。
#3 ガブリエル・デールマン(カナダ)
「Cancion Triste」「Angelina」♪ 情熱的な赤の衣装でラテンの曲。最初のルッツで片手をつき、間にターンが入ったが根性で3回転トウループをつけた(ダウングレード)。3回転フリップは入ったが「エッジがインじゃなかったかも」(解説:八木沼純子さん)。スピンの姿勢が一つ一つ、びしっと決まる。全体に力強い。52.61、自己ベスト更新。
#4 ナタリア・ポポワ(ウクライナ)
「アランフェス協奏曲」♪ 団体戦に登場していた選手。冒頭のコンビネーションが3-1になってしまった。単独の3回転トウループとダブルアクセルはOK。全体では悪くなかっただけに最初のミスが惜しい。47.42。
#5 ジェナ・マコーケル(イギリス)
「Imagined Oceans」♪ 今日はジャンプが全部予定通り(3回転フリップ+2回転トウループ、3回転トウループ、ダブルアクセル)決まったので、気持ちよくステップを踊っていた。48.34。
#6 カースティン・フランク(オーストリア)
「ボヘミアン・ラプソディ」♪ 彼氏のクリス・リードが客席から応援。最初に3回転ルッツ+2回転トウループが決まり、元気よく滑る。サルコウは片手をついたがこらえ、スパイラルからのダブルアクセルは高さがあった。終わった瞬間に跳びあがってガッツポーズ。48.00。
<G2>
#7 張可欣(Kexin ZHANG)(中国)
「Paint It Black」「Sympathy for the Devil」♪ 団体戦に出場していた選手。トウループの3-3、ルッツ、ダブルアクセルとどれも高さと余裕があるジャンプ。レイバックからビールマンスピンもきれい。緊張なく気持ちよく滑っていた感じ。55.80、団体戦よりいいスコアが出た。
#8 ケイトリン・オズモンド(カナダ)
「Big Spender」「Rich Man's Frug」♪ 黒の衣装に長手袋、高く結ったポニーテールを振りながらコケティッシュな笑顔を振りまく。トウループの3-3予定が3-2に。ダブルアクセルでステップアウト。コミカルな曲調では手拍子も。少し口惜しそうだったが笑顔は崩さない。56.18。
#9 ブルックリー・ハン(オーストラリア)
「Prayer for Taylor」「Titanic Symphony」♪ 前半は村上佳菜子選手が使っていた曲。冒頭はトウループのコンビネーション予定が単独になったが、次のループに2回転トウループをつけてリカバリー。「レイバック姿勢がきれいですね」(解説:八木沼さん)。ステップがスピード感があって体の動きがよかった。49.32。もう少し出てもいいのでは^^;
#10 イザドラ・ウィリアムズ(ブラジル)
「黒い瞳」♪ アメリカで生まれ育っているが、お母さんがブラジル出身でブラジル代表となった。曲がかかった瞬間から拍手、ロシアの曲は大歓迎される 冒頭のルッツが2回転に、サルコウもコンビネーションにできず。イーグルからのダブルアクセルはきれい。40.37、これはちょっと厳しい・・・
#11 キム・ヘジン(韓国)
「シェルブールの雨傘」♪ 群青色の衣装がきれいな色。最初にルッツ単独、後半にフリップ+2回転トウループ、ダブルアクセルが入った。キャメルからドーナツのスピン、レイバックからビールマンのスピンも安定している。ステップはいい感じで音楽にのっていた。54.37。
客席の町田樹選手が映る。近くにヨリク・ヘンドリクス選手もいた。
#12 ポリーナ・エドマンズ(アメリカ)
「Pink Cherries Cha Cha Cha」「Besame Mucho」♪ 鮮やかなレモンイエローの衣装。ラテンの曲がかかるとすぐ手拍子が起こる。いきなりルッツ+トウループの3-3を下り、フリップもばっちり。細く長い手足を存分に使って元気よく踊る。アメリカの選手たちがそろって声援を送っていた。61.04、自己ベスト更新。
<G3>
#13 ニコル・ライチョヴァ(スロヴァキア)
「Papa Can You Hear Me(愛のイエントル)」♪ 村上佳菜子選手がフリーで滑る曲。リラックスした表情で出て行った。ルッツ+2回転トウループ、サルコウ、ダブルアクセルと安定して着氷。柔らかい動きのステップ。終わった瞬間に顔を覆って笑顔。49.80、自己ベスト更新。
#14 エリザヴェタ・ウコロワ(チェコ)
「A Comme Amour」♪ ロシア生まれの15歳。ミントグリーンの衣装はスカート部分が二重なのがポイント。すごく基本に忠実な感じの滑りで、ジャンプはまっすぐ上にすっと跳び上がる。ループ、ルッツ+2回転トウループ、後半にスパイラルとターンから跳んだダブルアクセルなど、質がよかった。51.87。
#15 アンネ・リーネ・イェルセン(ノルウェー)
「Maria and the Violin's String」♪ ハイウェスト切り替えの水色の衣装で、薄手のスカートはキャメルスピンのとき体に巻きついてしまった(別にスコアに影響はないだろうけど^^;)。サルコウ+2回転トウループはこらえながら下りる。ループ、ダブルアクセルと確実に決めた。48.56、自己ベスト更新。
#16 エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(グルジア)
タンゴ・セレクション♪ トリノから3回目のオリンピック。練習ではジャンプに苦労していたという話だったが、ルッツ+2回転トウループ、サルコウ、ダブルアクセルと決めてにっこり タンゴらしいステップを踏んでいった。終わってほっとした笑顔。「スピンで必要回転数が足りなかったかも」(解説:八木沼さん)。54.70。
#17 キム・ヨナ(韓国)
「Send in the Clowns」♪ 「たくあん色」と揶揄されたりした衣装だが、山吹色といえばいいんじゃないかな 6分間練習のとき「表情が冴えませんね」と心配されていたが、ルッツ+トウループの3-3、フリップ、ダブルアクセルとジャンプは問題なし。レイバックスピンではヘアカッターでとどめ、ビールマン姿勢は取らなかった。ほっとした顔だが、「まだベストではないのかもしれませんね」(解説:八木沼さん)。でも74.92
#18 ナタリー・ヴァインツィエル(ドイツ)
「Fever」♪ 団体戦でこのリンクは経験済み。トウループの3-3、ルッツが決まって波に乗った。団体戦でミスしたダブルアクセルも今日は大丈夫。ステップも今日の方が良かった感じ。57.63、自己ベスト更新。
キム・ヨナのインタビュー(英語通訳を通して)が流れた。6分間練習で冴えない顔だったのは、緊張していたかららしい。無事に滑り切ってほっとしているようだった。
<G4>
#19 ヴィクトリア・ヘルゲション(スウェーデン)
「ミステリー・ワルツ」など♪ 25歳にして初めてのオリンピック。最初のトウループで転倒、次のループはコンビネーションにできず。ダブルアクセルでもステップアウトしてしまった。優雅な雰囲気はいつもどおりだったけど。「スピードがありすぎたのかも」(解説:八木沼さん)。47.84。これはフリーに進めないかも・・・
#20 村上佳菜子
「ヴァイオリン・ミューズ」♪ 「行ってきます!」と元気よく出て行った。3-3のトウループがばっちり決まって、ぐいぐいと滑っていたのに、フリップがシングルに たまに失敗するダブルアクセルは問題なく、よく伸びるようになったスケートでステップもよかったのに~。55.60。“同級生”の羽生結弦選手が客席にいた。
#21 ヴァレンティナ・マルケイ(イタリア)
「帰れソレントへ」♪ こちらも27歳にして初めてのオリンピック。しっとりした曲によく合う滑り。サルコウに3回転トウループをつけようとしたが、途中で下りてしまった。ルッツやダブルアクセルはきれいに入る。57.02。フライングシットスピンでレベル1がもったいない。
#22 グレイシー・ゴールド(アメリカ)
グリーグ「ピアノ協奏曲」♪ 深紅の衣装はローブデコルテのドレスのようなデザインで美しい。ルッツで少しバランスを崩しそうになったがこらえて3回転トウループをつけた。ループはOK、ダブルアクセルもちょっと頑張った感じ。スケートがよく伸びていた。68.63、納得の表情。
#23 李子君(Zijun LI)(中国)
「タンゴ」♪ スカート部分に鮮やかなピンクが使われている黒の衣装。片腕だけ透ける生地で長袖というのが面白い。フリップ+3回転トウループを下りたが「トウループは回転が?」と八木沼さん。ルッツとダブルアクセルはきれいだったし、タンゴの振付を楽しげに踊っていた。終わってガッツポーズ。57.55、やはり回転不足があった。
#24 鈴木明子
「愛の賛歌」♪ 新しい赤い衣装は、スカートの足の付け根あたりをちょっと絞って飾りがついて、素敵なデザイン。襟元から背中に続くクリスタルの輝きが眩しい。トウループの3-3は単独になってしまったが、フリップに2回転トウループをつけた。音にぴったりはまって決まるダブルアクセルはじーんとくる。レイバックスピンの最後は片手ビールマン。60.97。
観客席に、ロシア語でおそらく「スパシーバ」、日本語で「感謝」、「2011.3→4」と書いたバナーが下がっていた。東日本大震災の後、世界選手権の開催を急遽引き受けてくれたロシアに感謝を忘れない日本のファンたち。
<G5>
#25 ユリア・リプニツカヤ(ロシア)
「You Don't Give Up on Love(愛はまごころ)」♪ 最初のルッツ+トウループの3-3を決め、今日も失敗しそうにない勢いだったのに、なんと後半のフリップで転倒 「つま先のつき方がいつもと違った」(解説:八木沼さん)。これでもか、と詰め込んだステップをぐいぐい滑り、キャンドルスピンやI字スピンをいつもどおり頑張った。65.23、フリップがダウングレード。
#26 カロリーナ・コストナー(イタリア)
シューベルト「アヴェマリア」♪ 薄いブルーに重ねた透ける白のスカートは、天使のような印象 トウループの3-3、ループが流れの中で決まり、エッジにのってなめらかに滑っていくスケーティングは、これこそスケート! 終わって少し目元が潤んでいた。74.12。
#27 アシュリー・ワグナー(アメリカ)
ピンク・フロイド「Shine On You Crazy Diamond」♪ 絶対決めるぞ、という強い目つき。フリップ+3回転トウループを跳んだが、「回転が…」(八木沼さん)。ループとダブルアクセルはしっかり跳べた。ロックの曲を力強く演じきる。65.21。コンビネーションはダウングレードだった。
#28 マエ=ベレニス・メイテ(フランス)
プリンス「The Question of U」♪ おなじみのナンバーで手拍子に乗っていく。高さのあるトウループの3-3が決まった。ループで片手をついたがダブルアクセルはOK。スピンやステップも安定感がある。58.63、自己ベストにあと0.01^^;
#29 アデリナ・ソトニコワ(ロシア)
ビゼー「カルメン」より「ハバネラ」♪ ビビッドなオレンジの衣装、わりとシンプル。トウループの3-3、フリップ、ダブルアクセルと見事。リプニツカヤとはまた違う柔軟性を見せつけるキャメルスピン、勢いのあるステップ。終わった瞬間ジャンプして喜んだ。74.64。
#30 浅田真央
ショパン「ノクターン」♪ シンプルなラベンダー色の衣装に戻った。ソトニコワの演技に満足した観客、なんだか無関心・・・そんな雰囲気の中で始まった。トリプルアクセルが、回って下りた!と思った瞬間転倒。フリップは着氷。きれいな姿勢のスピンだけど、いつものような拍手はこない。ループのコンビネーションが2回転単独に 美しいステップとレイバックスピンだけでは埋めきれない、、、
55.51、トリプルアクセルと3回転フリップ、両方が回転不足だった。「今大会は少しでも回転不足があるとGOEもマイナスがつく」と八木沼さん。
結果、首位に立ったのはキム・ヨナ。2位にソトニコワ、3位にコストナー。グレイシー・ゴールドが4位、リプニツカヤが5位、ワグナーが6位。鈴木明子が8位、村上佳菜子が15位、浅田真央が16位。
インタビューで「何もわかりません」という浅田選手。鈴木明子選手も村上佳菜子選手も、明日、全てを注ぎ込んで滑れるか。滑ってほしい。ほかに何も要らないから。