第93回全日本フィギュアスケート選手権(2024)、アイスダンス・フリーダンス(ジャッジスコア)。
久根下未暁/ルーシェ聖夜アレック RD:36.62(4) FD:63.57(4) Total:100.19(4)
「Planetarium」「Someone in the Crowd」「Another Day of Sun」♪ 緑、白Yシャツ。「ラ·ラ·ランド」の曲で、楽しい雰囲気。リフトの入りが華やか。何しろ美男美女なので、目の保養 予選会よりコンビネーションが良くなり、手拍子にのって軽快にステップを見せた。
佐々木彩乃/池田喜充 RD:55.53(3) FD:85.56(3) Total:141.09(3)
「夜明け / Give me everything / Flow like water / 有頂天のエリザベス / 冷たい手」♪ ピンク、白シャツ。クラウドファンディングの返礼品と思われるバナータオルがはためく。ワンフットから入り、アシステッドジャンプ。ツイズルで男性が少しミスが出た。スピンでは男性キャメル女性シットの組み合わせ。おそらく映画音楽だと思うがじわじわと盛り上げて、ラストのコレオスピンが良かった。
田中梓沙/西山真瑚 RD:66.03(2) FD:102.89(2) Total:168.92(2 )
「エリーゼのために」♪ あずき色、ピンクベージュ。衣装はトーンを揃えた感じ。ゆったりしたワンフットから、きれいなカーブリフトの連続で見せる。一つ一つの出に余韻を持たせる素敵なツイズル。ファンキーなアレンジに曲が変わると、元気なステップや回転の速いローテーショナルリフトで魅了した。
ノーミスの演技に、終わって梓沙ちゃんが真っ先にガッツポーズ
吉田唄菜/森田真沙也 RD:71.84(1) FD:104.37(1) Total:176.21(1)
プロコフィエフ「ロミオとジュリエット」♪ ピンク、ブルー。肩から前へ回して抱えるステーショナリーリフトから、そのままローテーショナルリフトへ続ける。ワンフットはスピード感を出し、ツイズルはややずれたがまとめる。大きく羽ばたくようなカーブリフト、ストーリーを描き出すコレオステップ。ラストはドラマチックなスライディング。
大きなミスなく力を出しきって、ほっとした笑顔
結果、吉田/森田が初優勝、田中/西山が2位、佐々木/池田が3位。4位の久根下/ルーシェもぜひ来年この大会に戻ってきてほしい。
世界選手権は吉田/森田、四大陸選手権は吉田/森田と田中/西山が代表に選出された。
現地観戦メモからまとめ。(女子も見ているんだけど、後回し)
第93回全日本フィギュアスケート選手権(2024)、男子フリー(ジャッジスコア)。
<G1>
山田琉伸(東日本4位) SP:60.20(24) FS:86.29(24) Total:146.49(24)
「Cinema Paradiso (Se)」♪ ピンク。大学の仲間が大声で声援を送る。ジャンプのミスが続いたが頑張った。イナバウアー、イーグルと美しいスケーティングムーブメントを見せてくれた。
植村駿(ジュニア4位) SP:62.47(23) FS:123.50(20) Total:185.97(21)
「The Mask of Zoro」♪ 紺色。3アクセルに挑み転倒。後半3トウ+2アクセル+2アクセルを入れる。終盤に3サルコウも入った。闘いの雰囲気を出すステップが良し。
菊池竜生(東日本5位) SP:62.77(22) FS:106.52(23) Total:169.29(23)
「もののけ姫」♪ 青に赤や黄を組み合わせて“アシタカ”をイメージした衣装。冒頭に3アクセル+3トウ決めた!が、その後は転倒や小さいミスが続き💦 イナバウアーしながら弓を引くポーズのコレオ、物語を思い出させる。
吉岡希(免除)W SP:63.76(21) FS:117.53(22) Total:181.29(22)
「Mi Mancherai」♪ 黒に赤ストーン。4トウ転倒、次の4トウはオーバーターン後に2トウをつける。3アクセル、3アクセル+オイラー+3サルコウ着氷。ステップやスピンはテレビで見るより情感が伝わってきて、滑り自体は前より良くなっていると感じた。
蛯原大弥(ジュニア8位)J SP:64.66(20) FS:128.15(19) Total:192.81(19)
「Avatar: The Way of Waterより」♪ ライトブルー。3アクセル2本、4トウと挑戦のプログラム(回転不足がついたけど)。後半3ルッツ+3トウ、3ルッツ+2アクセル+2アクセル。着氷がきれいに伸びると、アクセルを繋げるシークエンスが映える。伸びやかなコレオ、終盤頑張ったステップ。キャメルスピンでちょっと危ないところが
朝賀俊太朗(ジュニア5位) SP:67.58(19) FS:131.75(18) Total:199.33(18)
「ブエノスアイレスの冬」♪ 黒にカラーストーン。3アクセル下りて2アクセルを続ける。フリップが2回転になったが、最後のジャンプを3フリップにして成功させた。ジャンプの助走に入ると助走しかしてない(ちょっとステップとか腕や手で表現するとかがない)が、ステップやコレオでの表現意欲は強い。
ご挨拶で食い倒れ人形の真似をしていた。
<G2>
木科雄登(西日本5位) SP:68.84(18) FS:122.21(21) Total:191.05(20)
「序奏とロンド・カプリチオーソ」♪ 青。しっかりした3アクセル+2トウから。パンクなどがあったが、滑りが自然体で好感が持てる。スピンがしみじみ巧い。
垣内珀琉(ジュニア6位)J SP:70.52(17) FS:132.75(15) Total:203.27(17)
「I giorni: Andante」♪ 青。4トウに挑んで転倒。3ルッツ+3トウ、2アクセル+3トウ+2トウなど。立ち姿や所作がきれいでしなやかな滑り。少々ミスがあってもずっと見ていたくなる。
杉山匠海(西日本4位) SP:72.93(16) FS:135.82(13) Total:208.75(15)
「G線上のアリア」「Mechanisms」♪ 登場しただけで大きな声援。柔らかく、美しい軌跡で滑っていく。3アクセル+2トウ入り、単独3アクセルは片手をつく。両手上げでシュッと跳ぶジャンプは実に見栄えがする(qは付きやすいが)。曲が変わったところから芸術性の高いステップで盛り上げ、Y字スピンでクライマックス。
島田高志郎(免除)W SP:73.20(15) FS:150.84(5) Total:224.04(9)
サン‐サーンス「死の舞踏」♪ 黒。4ルッツに挑戦して転倒。4回転予定が2トウになったが、3アクセル+3トウ、後半3アクセル+オイラー+3サルコウが決まった。独特な振付で見せる世界観はどこか異次元。
大きく順位を上げた
壷井達也(免除)W SP:73.94(14) FS:173.37(3) Total:247.31(3)
「道化師」♪ 黒に赤や緑のダイヤ模様。4サルコウ+3トウ、単独4サルコウ、3アクセル、3アクセル+オイラー+3サルコウ、とにかく全部下りた ジャンプが軽やかに上がって十分な滞空時間があるので、安心して見ていられる。ステップには説得力を感じる。イナバウアーやスライディングのコレオはドラマチックに。
やりきった!ガッツポーズ
中村俊介(西日本3位)J SP:73.96(13) FS:140.29(10) Total:214.25(11)
「Io Ci Saro」♪ 4トウはステップアウト、3アクセルはなんとか。こらえるジャンプが続いたが、諦めず踏みとどまる。ピアノパートで展開したステップが良い。スライディングのコレオで盛り上げ、高速スピンでクライマックス。
世界ジュニア代表を争うジュニア勢は、この得点が目標となるが・・・
<G3>
大島光翔(東日本1位) SP:74.37(12) FS:132.62(16) Total:206.99(16)
「Desperado」♪ 紫。安定した3ルッツから、3アクセル、3アクセル+2トウなど。こらえるジャンプもあったが、思い入れたっぷりに滑っていく。リンクを横切るイナバウアーやハイドロのコレオ。「この時間が終わらないでほしい」という気持ちが伝わってくる。終わって涙
三宅星南(西日本6位) SP:75.16(11) FS:158.33(4) Total:233.49(6)
「タイタニック」♪ 白フリルシャツにベージュパンツ、サスペンダー。4サルコウ+2トウ、3アクセル+オイラー+3サルコウ、3ルッツ+3トウなど。きれいに決まるジャンプはきちっとしていて力強い。ドラマチックなステップを全身で表現した。会心の出来
片伊勢武アミン(西日本2位)W SP:75.62(10) FS:137.16(11) Total:212.78(13)
「Tree of Life Suite」♪ 白からライトブルー。冒頭の3アクセルはステップアウト。3ルッツ+2トウ+2ループ、2アクセル+3トウなど。流れの中で跳ぶジャンプが美しく、体をしなやかに使って動いていくのも見るだけで心地よい。
西野太翔(ジュニア3位)J SP:77.58(9) FS:135.49(14) Total:213.07(12)
「Rock Me Amadeus」♪ 4サルコウに挑んで転倒。3フリップ+3トウ、3アクセル+2トウなど。後半3フリップ+2アクセル+2アクセルも頑張った。果敢に挑み続ける心意気は良い
高橋星名(ジュニア2位)J SP:77.87(8) FS:131.92(17) Total:209.79(14)
ヴィヴァルディ「四季」より「夏」「冬」♪ ブルー系。3ルッツ+3トウがきれいに入ったが、アクセルは2本ともパンク イナバウアーからスライディングが良かった。ジュニアのフリーにないステップ、なんとか頑張った。
山本草太(シード)W SP:80.10(7) FS:136.99(12) Total:217.09(10)
「メルティング」♪ 白。まず3ループから入る。4サルコウ、4トウと転倒 3アクセルは手をつき、後半2本目は転倒して+REPになってしまう。それでも4トウ+3トウを下りて意地を見せた。
リンクを縦断する得意のイーグル連続など、最後までやりきる精神力。
<G4>
佐藤駿(免除) SP:81.90(6) FS:148.90(7) Total:230.80(7)
「Nostos」♪ 青。6分間練習で苦労していた4ルッツ、かなり痛そうな転倒 4フリップ、4トウと着氷が乱れる。3アクセル+オイラー+3サルコウが決まったかと思ったらまさかの転倒。スケーティングにいつもの伸びがなかったような…
終わって呆然とした表情。怪我してないか心配になる。
織田信成(西日本1位) SP:84.53(5) FS:150.15(6) Total:234.68(4)
「Angels」♪ 4トウは転倒したが、3アクセル+オイラー+3サルコウ、両手上げ3ループなど、いいジャンプは高さもあって着氷も柔らかくて、若い選手たちにお手本にしてほしい。ステップはこんなに上手だったか?
得点順位に関わらず、あなたは勝利者だ!と言いたい。彼の挑戦はみんなに勇気を与えた。終わって「ありがとう」の声が観客から飛んだ
三浦佳生(免除)W SP:88.87(4) FS:141.22(9) Total:230.09(8)
「シェルブールの雨傘」♪ ブルーグレーのシャツにグレーのベスト。3アクセルでステップアウト、トウが3回転、サルコウが2回転になる。後半4トウ+3トウが決まったが、次の4トウが3種類目の3回転以上のジャンプ繰り返しとなり無効に。
ジャンプは整わなかったが、ストーリーを語るコレオはずっと見ていたいプログラム。
友野一希(免除)W SP:89.72(3) FS:144.23(8) Total:233.95(5)
「Butterfly」「MOVEMENT11’」「NEED YOU」♪ 4トウでステップアウト、次の4トウ転倒で+REP扱い。4サルコウもダウングレードで転倒と、得点の伸びないパターンになってしまった。それでも後半は3アクセル+オイラー+3サルコウや単独3アクセルで巻き返す。
前半の生真面目な雰囲気から、後半はがらりと変わって弾ける。何があってもエンターテイナー・友野は変わらない。
中田璃士(ジュニア1位)J SP:90.31(2) FS:173.68(2) Total:263.99(2)
「パイレーツ・オブ・カリビアン」♪ ブルーと茶、白襟。いきなり4ループ決めた 4トウ、3アクセル+オイラー+3サルコウ、見事! 中盤でゆったり見せるコレオを入れ、その後のジャンプも3アクセル初め全て決める。ジュニアのフリーではコレオにしている闘いのパートをステップにしてきた。
ジャンプを決めるたびにガッツポーズが出る 強かった! 終わって氷に大の字に(宇野昌磨の真似だそうで)
得点には目を丸くして驚く。
早くシニアの大会に出してやりたいが、、、来季もまだジュニアです、、、
鍵山優真(シード)W SP:92.05(1) FS:205.68(1) Total:297.73(1)
「アメクサ」♪ 黒。ついに4フリップを完璧に決めた。4サルコウ、4トウ+3トウ、3アクセル+オイラー+3サルコウと隙がない。後半4トウ、3フリップ+2アクセルで少し乱れたが大きく崩れることはない。
フラメンコの所作がぞくぞくさせるステップ、たまらない きっと彼はスケートでできることの全てを追求していくのだろう。
終わって中田璃士くんと同様、氷に大の字に(宇野昌磨リスペクトで)。得点を見ておっ!と声が出た。コーチの父はうれし泣き。
結果、鍵山優真が初優勝、2位中田璃士、3位壷井達也はショートプログラム14位からのジャンプアップ。37歳織田信成が4位、5位友野一希、6位三宅星南。シードや予選免除組がかなり苦戦した大会になった。
選手権代表選考が揉めそうだが、明日夜の発表を待とう。