いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

地震で壊れたもの II; 硝子細工、あるいは、悪意なき"悪行"のもたらすものは...続、「御用」学者考

2011年06月09日 19時20分54秒 | 日本事情

―ガラス細工は君の仕事ではない― (出典⇒#1

3/11の地震で壊滅したおいらの部屋(愚記事; 筑波山麓で受けたM8.8の地の波の結果について、おいらの見たこと)で壊れたもの、インドから持って帰ってきた素焼きの器に続く、ふたつめ。桐山の職人さんに作ってもらったガラス細工(KIRIYAMAにしかできないことがあります⇒#2)。

数年前、科学機器の展示会に行った時、桐山製作所のブースがあった。職人さんが技を披露していて、作ったガラス細工を見に来てくれた人にあげていた。おいらは、元来いやしいので、真っ先に手を挙げて、職人さんからもらった。部屋に飾ってあったのに、3・11の地震で壊れた。

悪意なき"悪行"のもたらすものは...続、「御用」学者考

愚記事;"御用学者"考、あるいは、遊ぶ金欲しさ、そして、ぼくたちの"おもちゃ"は危なくないんだぞ!に続く、考察。

 

おいらは、考察をろくに進めていないのだが、的を得た情報(データ)提供と考察を書いたweb siteがあった。有名らしい。

牧野淳一郎氏; 研究者の情報発信はどうだったか?

うーん、すごい。そこで、上記リンク先で言及されている、筑波山麓で御活躍のAさん(上記リンク先内では実名)のことを知って、四半世紀前の記憶が戻った;

▼【思い出したこと、1983年?頃】

1980年代初頭の頃の思い出。テレビでのニュース。戦時中に富山の工場に朝鮮から学童が動員された。今から思えば、女子挺身隊のことなんだろう。1990年代の従軍慰安婦の強制連行があったかなかったかの喧騒より前の話。鈴木内閣時代の教科書問題の頃であろうか?大日本帝国統治下の朝鮮の(おいらの記憶では)小学校から日本人教師に連れられて、朝鮮の子供たちが日本海を渡って、富山の工場に勤労動員されたという話。たぶん、法的根拠は当時の国家総動員法なのだろう。その報道はサンケイグループのフジテレビの夕方のニュースでなされた。山川千秋がキャスターだった番組。それをおいらは見たのだ。そのニュース報道の特徴は、その朝鮮の子供を日本に連れて来た女教師がテレビ局に"捕まって"しまい、直撃インタビューを受ける。1980年代初頭だったので、軍国教師もまだ存命だったのだ。ここで、説明すると、当時のおいらは、日教組は組織として元軍国教師が作ったものだとわかりはじめた頃。元軍国教師も戦後はアカ教師として生き延びたことに気づき始めた頃。

で、そのニュースの朝鮮の子供を日本に連れて来た軍国女教師を見るに、品があり、インタビューに対しすっかり昔を恥じ入る表情を見せる老婦人のいたましさに、胸を打たれた。

彼女は当時は二十歳ぐらいだったのであろう。女学校を出て、小学校の教師になったと思われる。世の中のこと、まして世界情勢なぞ何も知らなかったに違いない。それは、多くの国民と同じである。当時の彼女は子供を工場で働かせることはお国のためであるという信念を持って、なんらの疑いを持つことなく、朝鮮から子供を富山に連れて来たに違いない。

■そして、Aさん;

全くもって善意に満ちた動機である。税金で研究しているので、社会に恩返しという考えだ。悪いところは見当たらないように見える。

でも、そもそもなすて、会ったこともない米国人教授の資料を使うのかも、不明だが、その資料には少なからずの"誤り"があったと上記牧野氏は指摘する。

そして、今知って悲しいのは、数万人の日本国民がこのAさんの情報followersだったとのこと。この数万のみんなが"御用学者"見物でfollowしていたわけではないだろう。この悲しきfollowersこそ、純粋まっすぐな大和撫子教師に連れてこられた朝鮮人児童の精神的後継者に他ならない。

戦時中に日本に来た/連れた来られた朝鮮人児童たちは、必ずしも誘拐されたり、拉致されてきたわけではないだろう。その親たちは、少なからず、「大日本帝国の栄光に浴した方がいいと考えた」のだ。そして「痩せ老いさらばえた祖国にいるより、子どもたちも幸せになる」と考えたにちがいない。

悲しい話だ。

一方、放射線物語。悲しくも無知で情弱なfollowersは、素粒子物理学者さまなら、「正しい」情報を提供してくれるに違いないと思い、followしたのだ。悲しい話だ。

もちろん、まだAさんの情報に基づいた行動で、放射線の被曝から逃れそこなったという報告はない。し、ないことを祈る。

でも、素粒子物理学って、放射線医学とは何の関係もないことは、言っておくべきだったろう。

―ガラス細工は君の仕事じゃない―

 

断じて、彼らは「御用」学者なんかではない。 もっと"悪質"な何かである。

上記、牧野氏webより、コビベ; (なぜ彼らは判断を"誤った"のか?についての考察)

 

国や東電、あるいは原子力工学の研究者の場合には、過小評価する合理的な動 機があるわけですが、特に利害関係がないと思われる他分野の物理学(素粒子 物理、原子核物理、物性物理等)の研究者が同様な過小評価を繰り返してきてい るのは何故か?というのはなかなか理解が難しい問題です。

まず、仮にも物理学者である以上、意図的に事実をねじ曲げるようなことは しないであろうと仮定してみます。そうすると、自動的に、本心から そのような過小評価を信じている、ということになります。

既に書いたように、研究の現場に戻ってみると、研究者というのは(私ももちろ んそうですが)思い込みによる軽率な間違いを一杯するものです。で、その多く は、「誰か別の人がいったことをちゃんと検討しないで鵜呑みにする」、「な んかおかしいと思ったけど、専門家がいうんだからそうだろうと受け入れる」 といったことによっています。

もちろん、専門家のいうことがおかしいと思って、自分で検討して、その途中 で間違えることはもっと一杯ありますが、これは色々指摘されたりして修正さ れることが多いわけです。これに対して、専門家、権威者の発言を鵜呑みにす る、という種類の間違いは、基本的に修正するメカニズムが働きません。もち ろん、事実が、専門家、権威者の発言と全然違う、ということが明らかになっ て、専門家、権威者のいうことが変わるともちろんそれに追随するわけですが、 この時には比較的大きな時間遅れが見られることが多いです。

これは単に研究者というのは大抵保守的というか頭が固いというかそういう傾 向があって、簡単に考えを改めない、ということによっています。実際に新し い研究をしようという時には、この「頭が固い」という特性は実は必要なもの であり、自分の信じるところをそんなに簡単にくるくる変えるようでは新発見 なんかできません。

さて、では、当初(というか現在まで一貫して)福島の事故の規模、影響を 過小評価してきたのは何故か、というと、個人的には

 

  • これほどの規模のものとは信じたくない、という感情
  • 大きい、とは政府、東電を含めてみんないってないから多分小さいんだろう、という判断

     

があったのではないかと思います。また、「大きいんじゃないか」という発言 をすると「権威である××さんがそんなことはないといってるのにお前はデマ を広げるのか?」といったたぐいのことをいってくれる人が一杯いたらしいと いう話も聞きます(私は特にそういう経験をしていないので良くわからないので すが)。

まあ、その、正常性バイアス、パニック神話、集団浅慮というようなキーワー ドで理解してしまっていいのかもしれません。

■まず、確認したいのは、彼らは本気で”たいしたことない" と信じていること。これは、価値観の問題でもある。直接人が死んだわけではないのだから、避難で生活を追われた人、経済的被害の甚大さなど、”たいしたことない" と信じているのかもしれない。学者さまは浮世離れしているので、マリー・アントワネット的言動は予想できる。


そして、前回指摘した「遊ぶ金欲しさ」、が考えられる要因だ;

そうなのだ、日本政府の原子力政策の波に乗って、予算(実験設備という資源)をせしめて、実験しているのだ。 つまり、日本政府が原子力政策を放棄してしまえば、早野龍五センセの研究道楽は成り立たないのだ。なぜなら、原子力関連予算の中から文部科学省がせしめる 1000億円の中から研究資金が出ているからだ。

(なお、この実験施設に大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構研などが入っているから、原研とは違う"財布"で基礎物理は研究しているとの反 論があるかもしれない。間違い。1000億円に色がついているわけではない。問題は1000億円を財務省からせしめるときに、国策の原子力政策に寄与する と「ウソ」こいていること。)

 

■正力松太郎の野望の広告塔;湯川秀樹

 

愚記事;正力松太郎の野望の頓挫; まぬけな後継者が土人 関連の情報;

今週の週間東洋経済より;

 

でも、辞めたんだって⇒Google; 湯川秀樹 原子力委員会 辞任