福島県人というだけで、白眼視されるようなことになったのは、原発事故について、国がきちんとした対応をしなかったからだ。結婚がご破算になった人もいるとか。真実を知らせず、放射能物質で汚染された地域に人々を放置し、被曝させた責任は、一体誰がとるのだろう。市民団体の「被災地とともに日本の復興を考える会」が去る14日、原子炉規正法に違反しているというので、菅直人首相、清水孝東京電力前社長、枝野幸男官房長官、海江田万里経済産業大臣ら6人を、業務上過失傷害で刑事告発した。福島第一原発1号機で水素爆発が起きたのは、ベント作業を速やかに行わなかったからだ、というのが理由である。菅首相の視察のせいでベントが遅れ、それによって最悪の事態になったというのだ。法律にのっとって、白黒をはっきりさせようというのは、私も大賛成である。やるべきことを怠ったことが問題であり、それを正面から取り上げた勇気には、頭が下がってならない。民主党政権は自分たちの不手際を隠蔽するのに必死なあまり、情報を公開することを避けてきた。国会であれば、あやふやな答弁でも通用するだろうが、刑事告発をされたわけだから、菅首相らは正直に語るべきだろう。行政をチェックする観点からも、司法の場で争うというのは、大きな意味があるのではないか。
それでは農民を守ることにはならないのではないか。国と東京電力に全頭検査と買い上げをさせるべきであるのに、福島県のやっていることは、国の思う壺ではなかろうか。どうして全面補償を求めないのだろう。福島産肉牛の信用はガタ落ちだし、もとの状態に戻るのは、当面はほぼ不可能だ。にもかかわらず、どうして7月中に国の出荷停止を解除してもらうことにこだわるのだろう。消費者から信用してもらうには、安全であることを立証する責任がある。それをした上で、解除の期日を決めるのが筋であり、本末転倒もはなはだしい。さらに、福島県は、福島市や郡山市でと母と子が続々と自主避難していることに危機感を抱き、県外のNPOなどによる善意の避難先提供に、横槍を入れているようだが、どうしてそういうことをするのだろう。1時間あたり1マイクロシーベルトを超える地域に、子供を生活させることの方が問題ではないか。消費者や幼い者の命を守ることこそが、最優先されるべきだ。3月11日から月日はどんどん経過しているが、民主党政権のせいで無政府状態が続いている。福島県の対応もメチャクチャだ。国や東京電力ばかりでなく、福島県に対しても、福島県民は怒りの矛先を向けるべきだろう。