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草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

背筋が凍りつくノルウェーでのテロは福祉国家への怨念?

2011年07月23日 | 思想家

 北欧型の社会福祉国家が抱える苦悩が、今回のノルウェーでのテロによって明らかになったのではないか。犯人像については、まだ推測の域を出ないが、キリスト教原理主義者であるともいわれる。無差別なテロは断じて許されないが、その引き金となった背景についても、私たちは目を向けるべきだろう。ノルウェーでは、外国人であっても、3年間居住していれば、地方選挙における投票権と被選挙権が与えられる。1979年からそうなったのであり、それだけ国家解体が進んでいる。また、重要な産業は国営企業が担っており、社会主義的な色彩が強い。その典型的な例が石油部門である。さらに、農業や小売業でも、生産協同組合や消費者協同組合がほとんどを独占している。創意工夫による自由な競争が行われず、社会的平等が錦の御旗になっているのだ。しかし、それが人間に幸福をもたらすかというと、大いに議論があるところだ。1970年4月の日本文化会議主催の「日本は国家か」のシンポジウムで、三島由紀夫が福祉国家への疑問を呈したのに対して、武藤光朗は「福祉国家がもつ麻酔作用に反抗するような実存の根を培い眼ざましてゆくことが大切だ」(『限界状況としての日本』)と語ったことがあったが、ぬるま湯に異を唱えるテロリストの出現は、予想されたとはいえ、福祉国家の負の面として、背筋が凍りついてならない。

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原発事故の現状を隠す紋切り型報道に異議あり!

2011年07月23日 | マスコミ評

 福島第一原発事故収束のカギとなる汚染水浄化装置が、送電線のトラブルで連日のようにストップしている。大変なことになっているはずなのに、マスコミは国と東京電力の発表をそのまま伝えるだけで、国民はまったく蚊帳の外である。昨日は5時間、一昨日は16時間も動かなかった。民主党政権は順調だと胸を張るが、それを信用する国民はいないのではなかろうか。ここ2、3日は東風が吹いたこともあり、会津地方の放射線量も若干増えたような気がする。現在でも福島第一原発から放射性物質は漏れ続けているのだから、国は国民に真実を伝える責務がある。さらに、マスコミは、民主党政権の隠蔽体質を徹底して批判する必要がある。現状がどうなっているかについてのニュースは、あまりにもパターン化している。まずトラブルが起きたことに触れつつ、その影響がないことが強調される。さらに、目下、原因を調べており、今後改善を進める意向、という紋切り型報道がまかり通っているのだ。民主党政権の言っていることと、現実がまったく違うというのを、マスコミはどうして言わないのだろうか。原発事故発生時のことが、ようやく今になって判明しているように、2ヶ月3ヶ月後にならないと、真実が伝わってこないのでは、国民にとっては最悪だ。 

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