福島第一原発の事故は収束したわけではなく、現在も継続中なのである。注視しなくてはならないのであり、いつまた何が起きるか分からないのである。しかし、そうした私たち福島県民の不安感を高めるような出来事が昨年の8月に起きていたことが明らかになった。そのきっかけは南相馬市から検出されたコメの汚染であった。3号機の瓦礫の撤去で放射性物質1兆1200億ベクレルが放出されたことを、東京電力は昨日になって公にした。福島第一原発から50キロ圏がそのときに影響を受けたとみられている。そのこともまたなおざりにはできない。そのときの風向きによっては、福島県の中通りだって安全ではなかったはずだ。そのニュースは福島県民にも大きな衝撃を与えている。再被曝が繰り返されるならば、当然のごとく生活が困難になるからだ。東日本大震災にともなう福島第一原発の事故では、民主党政権によってしなくてもよい被曝をさせられた。今回もまた、結果的には似たようなことになる可能性がある。安倍首相は誠意をもって福島県民に説明をすべきだろう。民主党政権がそうであったように、事実を隠蔽することは絶対に許されない。福島県ばかりでなく、さらなる被曝の危険性に東日本全体が直面しているのである。なぜ瓦礫の撤去でそのようなことになったのか、同様のことは今後も起こり得るのか、東京電力任せではなく、国が積極的に乗り出すべきなのである。すぐにやるべきは、福島県民にヨウ素安定剤を手渡し、事態が急変したらば、すぐに飲めるようにすべきだろう。さらに、棄民化しつつある福島を救う方策を、国は真剣に考えるべきだ。原発事故との戦いはこれから何世代にもわたって続くわけだから。
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