中共の軍艦が尖閣諸島の接続水域に入ったのは計画的であった。ロシアの軍艦がそこにやってきたから、それに反応しただけだという議論は、中共側を弁護するだけである。危機を危機として認識しなければ、国家として身構えることにはならない。首相官邸の迅速な対応は評価されるべきだが、軍事的な圧力を強めている中共に対しては、安倍首相自身が断固たるメッセージを発するべきだろう▼憲法によって交戦権を有しないとされる自衛隊がどこまで戦えるかは未知数である。しかし、現実に尖閣諸島を自国の領土と主張し、ついには軍艦までも仕向けてきたのである。この非常事態にもかかわらず、日本のマスコミの多くはそれを大きく報道しなかった。中共よりも日本の方が悪いかのようなキャンペーンを行っている手前、論評のしようがなかったからだろう。本格的な日中戦争に発展する可能性はないだろうが、日本に一撃を加えることで、国内の引き締めに中共が利用するのは明らかである。それも小競り合いのように部分的であれば、アメリカの出番はないのである▼中共の今後の出方は見当が付かないとしても、習近平指導部が確実に関与している。こちらから仕掛けなければ、どこも攻めてこないという幻想は打ち砕かれたのである。武装した者たちが日本の国土を蹂躙しようとしているのだ。日米安保条約を過信してはならない。全面的な衝突にいたらなければ機能しないからだ。日本国民が自ら血を流すしかないのである。その覚悟があるかどうかを、今私たちは問われているのである。
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